いえにかえると
やさしいいきものがいる
いやなはなしはわすれていいよ
へんなことばでころげていいよ
ひとりになってないてもいいよ
あしたのてんきをあとでみせてね
うどんとぱすたとひじきとつ ....
時々家に帰ってくる君に
野菜を食べさせなくちゃと料理する私
君は
張り切らなくていいからと言う

じゃあね、また来るからと
出て行くときには
うん、またね
あっさり見送る

君が初 ....
もうすこしがんばれたかもしれない傘をたたむ 平日午前十一時四十分発の
高速バスに乗る人は 
どこか イワクつき

一番初めに声をかけてきた おじさんは
昼間から泥酔していて
小さな透明のペットポトルの中に
日本酒を入れ ....
しろい舟に
あなたの息がかかる
草の影をそっとゆらして
一日がまえにすすんでいく


わたしたちもすすんでいくのだ
かなしいことがどれだけあっても
あなたにはかならずつたえるから

 ....
わたしはわたしの詩の中から
書いているわたしを見つめていた
ある日それは贅肉を削ぎ落とす行為
やがて臓器を切り売りして
かつて愛したものの首を絞め
部屋中に灯油を撒いた
見限ることにしたの ....
メインストリートからちょっと外れた裏通り
やや湿っぽい陰翳をおびた空気

そこに潜んで居るだろう様々なものを感じながら歩く

舗道の石畳の下に埋蔵された都市の歴史
踏みしめて行った無数 ....
焼肉屋へ行き野菜だけ食べている

死ぬ間際にダジャレを言った

ゴルフウェアで葬式に出た

崖で演説している

領収書をヤギに全部あげた

サスペンスだが犯人がいない

泣きな ....
酷く咳き込む夜は
細切れの夢を泳ぐ
咳の為に目が覚めて
また眠ってはまた咳き込む

「マスクを付けなくちゃいけないよ。」

夢なのか夫の声なのか
ふわふわと聴覚は曇り
暑くて堪らない ....
ものごころがついた頃から
僕はどこまでも透明に近い
風船だった

鳩時計式の心臓から伸びる
静脈と動脈が一番こんがらがったあたりに
震えながら潜んでいる僕自身を
誰もがたやすく見つけ ....
平日の空いた車内に腰かけて
「記憶のつくり方」という本を開いたら
詩人の長田弘さんが、見知らぬ町を旅していた。

喫茶店に腰を下ろした詩人は
ふぅ…と溜息をひとつ、吐き出し
哀しい歴史を帯 ....
  朝礼


フロアの中心に固めた事務机の島を囲むようにして立ち
輪番制の司会者のもとに
一人ひとり何事かを発声することが期待されていた
しかし外線が鳴ると朝礼も一時中断して
近くのだれ ....
夜の人気無い交差点で
暗闇の赤信号の中
ひかりの人が立っている。

ゆるぎない姿勢で
こちらに何か、云いたげな
未知の国から訪れた旅人のように。

かれは
赤い世界に包まれた
情熱 ....
水を溢した
お気に入りのワンピースが濡れた
足に触れて 冷たい
冷たい 青
つめたい あお
青が蔦る足

それしか
そんなことだけしか
思えなくて

モノクロの雑踏
乾い ....
ほんとの友達ってこわいね
ずけずけくるし
ぬけぬけいうし

でも
いなくなると困る
憎めないのは困る 安心して

あたしになにがなくても
あっても
あんたにも

つきあってやる ....
ありがとうを言わない手が僕の頬を斬った 黄と橙色は
とてもよく似ていて
それはおそらく
同じ季節を生きているからだ、と
ふと思う
遠い山並みを眺めれば
それは混色されて
日び
上書きされていく
油絵のようだ
厚塗りされた ....
雲を取り払った空は青い平面
落ちてはこないアクリル板
そこに涙はなかった
そのさらに上で霞んだ声が聞こえる


降りてくることのできない渡りは
濯がれる術もなく
啼きながらその ....
空は曇ったり晴れたりしている

けれど

心はその奥は

透明で彩って染まって 穏やかに陽だまりが続いている

この世界で小さく大きく

囁いたり 叫んだり

時の流れは愛その ....
冬の冷気が
身体に刺さり、抜けてゆく

雪の一片が
銀木犀の花弁に見えて
淡雪の香りが心を満たした

視界の端で誰かが動く
誰もいない
ただの錯覚
既視感
また君じゃなか ....
扉をあけると影が廻る
壁を舐める火が径を揺らす
空が巡り 落ちてゆく場所
行方と行方が重なる場所


冬の帽子
両腕をひろげ
花を呼んだ
名前ではなく
かた ....
夏にオリオン座見えまだ会社 きみらは歌う
きれいなことを
夢やら希望
あいやら友情
本気や前進
そんなことを
ぼくらが疑い諦める
きれいなことを

綺麗事だと
踏みつけられながら
おそらく自分も
疑いなが ....
都会の住宅街の歩道を 年末を迎えようとする空から
心臓に刺さる零度の雨が 濡れ落ち葉にも突き刺さる

若葉だった頃 親木が大切に繁らせた「父」という葉は
厳格ではなく 風が吹けば吹くまま ....
やわらかい殻にいっぱいの息

わたしは風船だな

見える触れる存在を

地上に繋ぎとめているのは

幼子の手のひらのような柔らかい絆だけ

父の肩車でぽってり眠ると

結んだ力 ....
窓が溺れている
僕らが雨に気づくまえから


窓が溺れている
灯りを消して微睡むときも


窓が溺れている
ひっそりと溺れている
カーテンのむこう側で
水面もなく 海底もなく
 ....
私の知らないところで
私の吐いた言葉がトゲを持ち
誰かの掌を刺す

私が投げかけた一言が
誰かの心の壁に
釘で打ちつけられたレリーフのように
いつまでも掛っている
私がそれを忘れた後も ....
ぼくの中に少年のぼくがいて
ぼくの中をぼくが歩いている
ぼくの中を少女が歩いていて
ぼくの中を
何人ものぼくが歩いている

ぼくの中をあなたが歩いている
あなたは背を向け
ぼくの中でち ....
試食コーナーを行ったり来たり万歩計 菊一輪微笑む姉の一周忌

遠く聞く落ち葉踏む子のはしゃぎ声

長雨や語る昔の老夫婦

秋麗に言葉少なく過去を詠む
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
やさしいいきもの- やまうち ...自由詩214-11-30
hahagokoro- Lucy自由詩16+*14-11-30
もうすこしがんばれたかもしれない傘をたたむ- 北大路京 ...自由詩314-11-29
乗り合わせ- 為平 澪自由詩6*14-11-29
しろい舟- 草野春心自由詩314-11-29
乖離の音- ただのみ ...自由詩17*14-11-29
ダークサイド・オブ・ザ・ストリート- 梅昆布茶自由詩814-11-29
何やら深い事情がありそうな一行詩- 左屋百色自由詩7+14-11-29
- ミツバチ自由詩314-11-29
風船- nonya自由詩17*14-11-29
旅の列車にて- 服部 剛自由詩614-11-28
オフィスワーカーの情景(四作)- 乾 加津 ...自由詩9*14-11-28
夜の信号- 服部 剛自由詩314-11-28
ログアウト- 瑞海自由詩5*14-11-28
- 朧月自由詩114-11-28
ありがとうを言わない手が僕の頬を斬った- 北大路京 ...自由詩514-11-28
秋のフレイム- そらの珊 ...自由詩20*14-11-28
連綿_(四行連詩)- 乱太郎自由詩15*14-11-27
陽だまりを仰ぐ- 朝焼彩茜 ...自由詩8*14-11-27
In_Retrospect- 凍月自由詩9*14-11-26
外へ_夜へ- 木立 悟自由詩4+14-11-26
夏にオリオン座見えまだ会社- 北大路京 ...自由詩314-11-26
アイドルソング- フユナ自由詩4*14-11-26
濡れ落ち葉- 為平 澪自由詩13+*14-11-26
ぷにゅーま- ただのみ ...自由詩12*14-11-26
窓が溺れている- 吐水とり自由詩7+*14-11-26
プレゼント- Lucy自由詩16*14-11-26
心象__- イナエ自由詩18*14-11-26
試食コーナーを行ったり来たり万歩計- 北大路京 ...自由詩314-11-25
あきふかし- ……とあ ...俳句4*14-11-25

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