世界の片隅に
埋もれて
つらつら物思い
世間しがらみ
離れて
ふらふら風来坊
生きているうち
埋没しそうな
絶望的切望
生かされてるうち
観じるような
実 ....
生きる
乾いた空の木の枝は
去年と同じ姿をしている
彼らは信じて疑わない
この冬が
やがて春になることを
人はどうして姿かたちを変えるのだろうか
老いることは人も木も同じは ....
一枚の紙を
折りたたんでいく
半分に折れば
にぶんのいちの面積の
しかくが出来る
そこには
重なる相似形
出来上がりの形を
思い描きながら
そっと指で伸ばしていけば
ちいさなさ ....
いつかはいろんなことが上手くいき
少しはしあわせになれると
今でも信じている
現実はそう甘くなく
事態はより深刻と複雑さが絡まっているが
....
青信号の横断歩道を渡っている
僕は歩くのが遅いけど
青だから気にせず歩く
と 車がこちら側に曲がってきて
僕のために止まる
とたん 気持ちに冷や汗が湧き
悪いことを ....
君の知っている僕が
僕のすべてであるはずがない
僕の知っている君が
君のすべてであるはずがない
人が数え切れる程度の多面体であるわけがないし
ましてや表と裏だけで構成されているはずが ....
待っててくれ
いつまで?
かならず行くから
それまでもたない
からだが?
こころも
からだもこころも?
そう
そっちに行ったらどうなるの?
からだ ....
言葉が如何に弱いかを
言葉が盾にならぬかを
奥底から湧き出る真を
伝えようと書くのだが
言葉は目的を果たさず
熟した果実が落ちる様
ぽつりぼとりおとなし
芽な ....
あんたの「いつか」は
あたいの「いつか」ぐらい
「いつか」だよね
無精者ゆえに
手の爪は時折切っても
足の爪はしばらくほったらかしで
気づくとひと月過ぎていた
風呂あがりの軟い爪を
ぱち、ぱち、と
広げた新聞紙に、落とす。
(これを ....
箱のカバーから、背表紙を指で摘み
中身の本を取り出して
カバーは向かいの空席の、あちらに
中身の本は目線の下の、こちらに
置いてみる
いつか人が(体を脱ぐ)のは
こういうこ ....
ジャンは何も食べない
ほしがらない
目を閉じない
動くこともない
ジャンはちいさめの
テディです
わたしの友だち
いつでも
いてくれる
わたしが失くさない限り
いてくれるは ....
吉祥寺駅の
ロータリーでしゃがんで
靴ひもをむすぶ
あちこちに捨てられた
煙草はどれもしめっていて
茶色い葉がとびだしてしまっている
きみと ....
時計の針が午後にすすむ
ぬかるみに片方の足をつっこむ
目に見えぬ羽虫をよけるような、
ぞんざいなしぐさでカーテンを閉めた
部屋の卓上に置かれていた
....
僕は誰かに造られた
僕は何かを創るために生まれて来た
クリエイター
存分にRPGをかけまわるアバター
夜は長いし昼は退屈だ
たまには詩でもつくってみようか
....
雪がひらひら
音符もひらひら
地面を濡らし小さな音を鳴らす
鳥が嬉しそうに鳴く
空からどんどん降ってくる
賑やかなパレードがはじまる
白い残響が地面を覆う
旅 ....
蟻は匂いのある方へ往く
一瞬、静止して
触角をぴくり震わせ
再び――無心に進む
(黒い背に小さな太陽を映して)
日常にふと佇む、僕も
蟻の心で
何かを受信しようと ....
――なんの欠如を
怖れているのか
踊りたいから踊るのだ
何が悪いか阿呆ども
元来人は踊るもの
踊って歌って
笑って泣いて
怒れるものが人なのだ
鳴 ....
食卓に置かれた長方形の皿に
横たわる、くろい目の秋刀魚は
いつか世を去る
私の象徴として、この口に入る
*
日常の素朴な場面を絵に描いた
一枚の布をバケツの ....
眠りから目覚めてしばらくのあいだぼくは不安なことのない世界にいられた。
息子と公園で遊んでいちど家で仮眠をとった。
夕方のひかりがベランダから射している。布団のおもてがすこしひんやりしてい ....
それは
誰もが一目で好きになる
うさぎの耳のように長い
ハートの形の花びらをもつ
白いレースのような花
どんな花にも素直に寄り添い
本人さえまだ気づかない
相手の愛らしさを引き出し
....
双葉よ。
どうか芽吹いて。
いまは雪の下
凍えた土で、ちからを溜めてまっている。
地上への好奇心をもっておいで。
だいじょうぶ、心配しないで。
茎がひねくれても、添え木をあてます。
....
ほころんで、揺れて、
待ちわびて、揺れて、
愛されて、色づいて、
愛されたくて、匂って、
踏みつけられて、手折られて、
ずぶ濡れて、さらされて、
....
{画像=130302095338.jpg}
めんこい めんこい
ちいさな いのち
どうやら わたしに きこえない
おとで おはなし してるの
しんどうで それが わかるよ ....
夕飯に缶詰をあける
100均の鯖缶だ
閉め切った部屋に
さかなの匂いが充満する
ろうそくの灯りの中
....
夢の中で彼は私に質問をした
彼ははなした
一方的に
少し笑いながら
ゆったりとして
いいにおいがした
彼のセーターは白だった
私はなにをこたえたのだろう
きけたのだろう ....
まるで山間をながれゆく
せせらぎのような人でした
からだは一滴の雨粒で成っており
どこまでも沁み入 ....
死にてえなあ
僕のその言葉には 覚悟も
真実味もない
ただため息のように
死にてえなあ
と 声には出さずに
繰り返し言う
これといったきっかけも
はっきりとしたわけもなく
だから決意 ....
階段をみると
頂上を先に見てる
あんなに先だとか
ゆく前にあきらめている
仕方なしに
重いいっぽをだす
うつむきながら
いちだん いちだんあがる
おいこされ
ならんだり
....
書く 書く 書く 書く
なんであれ実際に書いている人を尊敬する
書くという行為を実践している人に畏敬の念を抱く
難しいとか意味不明とか 簡単すぎるとか下らないとか
あるいは軽薄 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255