遠藤周作の「イエスの生涯」を読み終え
僕は本をぱたん、と閉じた
(密かな息が頬にふれ)

本の中で十字架にかけられ
{ルビ頭=こうべ}を垂らし、息絶えたひとの想いは
{ルビ肉体=からだ}を ....
夜――母が机にそっと置いた麦酒を呑み
頬を赤らめた兄はじっ…と目を閉じ

向かいの席の母もまた、{ルビ面=おも}を上げ
兄を見つつも…掌で涙を隠し

傍らに坐る、幼い私は泣くまじと
兄を ....
「ハイジのおでこはアールデコ」

塾に行く子供たち 電車を待ち
丸い おせなで ゲームする
一番線に 白ヤギが紛れ込んでいますご注意ください
満員電車の中で みんな気付きません
二番線に  ....
古いのや新しいの
ひびだらけや穴ぼこだらけ
人の生活
車が走る
すき間から雑草が伸び花を咲かす
犬がくんくん歩いている

今日もどこかで工事している
せっせと耕して平らにするけれど
 ....
友を偲びつつ
窓辺によれば
窓ごしに見らるる春の四方
散りし桜の梢
若葉の木々
去りし日の想ひ出が
木々の梢にいざよふ

友を偲びつつ
窓辺によれば
窓ごしに見らるる春の空
乙女 ....
生き抜く命であるために
海外での独り旅に駄賃を
ポケットに包んで
二十歳で渡った地球儀の向こう
できれば
旅先で覚えた
スラングで話したいよ

病気を乗り越えて生きるために
隣人の苦 ....
湯船に
お湯を溜めている時間
時間はゆっくりと進む

湯船に
身体を投げ出す
目を閉じて浮く
時間を忘れゆっくり休む

身体を洗い
湯船に浸かる
つやつや朗らか
声を出して声を ....
独り 楽しむ と記し
独楽(コマ) と読む

独り楽しむためには
独りで己を支えなければならない
独りで支えるためには
日々 回り続けなければならない

そして回り続けるためには
己 ....
正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
 ....
電車の中で
化粧している女は
どこでもドアを持っている
今は洗面台の前にいるのだ

電車の中で
子どもを放置している一家は
どこでもドアを持っている
今は茶の間にいるのだ

電車の ....
 ささがきに思い出すのは小刀で鉛筆削った美術室/午後

ごぼうのささがきは、どこか鉛筆の芯を削ることに似ている。
違っているのは、ごぼうに求めるものは皮と実の部分であって、鉛筆に求めるものが芯の ....
大きなひとかたまりの石の下
あたしたちはゆっくりと
水を
手放している

昨日より
今日
ことさらに
ひたむきに
あたしたちはゆっくりと
命というものを
凝縮させている
田舎でも観光で潤っている
観光客の笑顔が印象的

トロッコ列車に乗り
四季折々の山々を眺める
自然と一体化する

ゆっくり走る
冷たくて寒い風なのに
心地良さに変わっていく

そ ....
救急車が 走り回る
寝静まった街を 音もたてずに

誰かが 泣いている
悲しい出来事は もうないのよ と

地下街の換気口から ため息
焼かれた鶏の モツになった牛の

生暖かい ....
冬の寒い空
空が澄んでいて
星が輝いている

清らかな気持ちが
コポコポ湧いて
シュワシュワ
浮いて弾けて
飛んで星になる

夜空に浮かんでいる
星々は親しげで
すぐそこまで行 ....
もう二度と子を抱かぬ手で撫でる 金の無い人間を殴りつけ

ときどき金を恵んでやり、
金のある人間には金をせびり

躊躇しないジャンキーで
金のある時は大盤振る舞い
金の無い時はけち臭く

外の乞食に金をせびる
育 ....
もしかしたら
言葉は音になって
空気中を漂い
あなたの耳から侵入する
かもしれない

もしかしたら
言葉は文字になって
どこかに刻まれ
あなたの目から侵入する
かもしれない

 ....
西の山に陽が近づいて
1日が終わろうとしていた
男は川面すれすれに延ばしていた竿をあげ
帰り支度を始めた
ゴカイを川に返し 椅子をたたむ
通りがかりの人が声を掛ける
 「連れましたかね」
 ....
とりどりの人がいる

顔、瞳、髪の色はもちろん
おそらくは心の中や
境遇までも

透明の涙が私を取り巻く重いものを流してくれる日もある
透明の涙が
さらに粘度を増して醜いゼリイになって ....
      まつげの重さに耐えかねて
      そっと伏せてはみるけれど
      わたしの瞳は夜をみる
      散歩の途中の道端で
      みつけたちいさな青い花 
    ....
F1のテーマくちずさみながら教習車に乗った たとえてわかりづらくなった トントントンと
整理整頓
埃を落として
塵を集めて
汚れを拭き取る

これとこれはこっちで
揃えて並べて
あれとあれはまとめて
しまっておいて
さすがにこれはさようなら
捨ててし ....
海底を歩くシーラカンスの群れが
一斉にでんぐり返しする
脊柱の中の体液が
きゅう
と静かに鳴る

剃り上げた襟足に風を当て
コーヒーをすする
飲み下した熱い液体に
爛れた胃が驚いて
 ....
青い扉の向こうに
雪原が広がっている
かすかなノイズ
そのなかに紛れるように
一頭の白い馬
あれはあなたが放した淋しい夢だ


指で触れて
夢だと知りながら
その長い首を抱きしめる ....
詩学園は人工惑星にあった
右手に夜で
左手に光があった

脳と繋がれず魂のみで生きていた
詩学園に属していた僕たちは仲良しの友だった

詩薀蓄の授業は必須科目だったから仕方のない潰し時間 ....
   賽の河原にて

幼児の地獄 賽の河原で鬼がぼやく
この頃河原に来る幼児の数が減って
たまに来ても 石積み遊びを知らない 
石投げばかりしていて危なくて近寄られせん
ケルンつくってみせ ....
      参ります、参ります
      もうすぐそちらへ参ります
      陽の当たらぬ公園で
      凍えたブランコ揺れている
      さくらの蕾はふくらまず
  ....
卵と牛乳
砂糖を入れて
シュコシュコかきまぜ
食パン浸す
フライパンにマーガリンを溶かし
焼いたらシンプル出来上がり

小さな頃に初めた食べた
異国の香りは
本物ではないけれど
う ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
旅人- 服部 剛自由詩315-2-22
無言歌- 服部 剛自由詩515-2-22
ハイジのおでこはアールデコ- るるりら自由詩19*15-2-22
アスファルト舗装- 灰泥軽茶自由詩615-2-22
想ひ出- 宣井龍人自由詩8*15-2-22
父よ- りゅうの ...自由詩7*15-2-22
湯船に浸かる- 灰泥軽茶自由詩515-2-21
独楽- ただのみ ...自由詩18*15-2-21
見学者- nonya自由詩17+*15-2-21
どこでもドア社会- イオン自由詩2*15-2-21
夜更けの紙相撲・如月のきんぴら- そらの珊 ...散文(批評 ...9*15-2-21
樽の中- そらの珊 ...自由詩12*15-2-21
トロッコ列車- 夏川ゆう自由詩215-2-21
街の風景- 藤原絵理 ...自由詩615-2-21
冬の星- 灰泥軽茶自由詩615-2-20
もう二度と子を抱かぬ手で撫でる- 北大路京 ...自由詩515-2-20
チャーリー- ……とあ ...自由詩5*15-2-20
ひとかけら- 花咲風太 ...自由詩715-2-20
平和を釣る- イナエ自由詩16*15-2-20
- そらの珊 ...自由詩15*15-2-20
瞬きを聴く- 石田とわ自由詩8*15-2-20
F1のテーマくちずさみながら教習車に乗った- 北大路京 ...自由詩315-2-19
たとえてわかりづらくなった- 北大路京 ...自由詩515-2-19
トントン整理トン整頓- 灰泥軽茶自由詩415-2-19
カラカラ、- こうだた ...自由詩6*15-2-19
白い馬(あるいは青い扉)- 石瀬琳々自由詩16*15-2-19
詩学園の頃- 朝焼彩茜 ...自由詩11*15-2-19
楽しい空想ー地獄事情ー- イナエ自由詩10*15-2-19
如月便り- 石田とわ自由詩9*15-2-19
フレンチトースト- 灰泥軽茶自由詩1015-2-18

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