「こんなとこにおったら,殺されてまうわ」

自覚症状のない患者は 大抵こう言う
痛くもない腹を探られるような 不快感
PCが作った断層映像など 何の説得力もない
説明すればするほど 脅し ....
夜を徹して
降りしきる雨
月曜日に朝を迎える
街で真先に開く
パン屋もすでに
忙しく

ラッシュアワーに
台風が直撃する
大きな白い傘を差しながら
駅へと向かう
運行規制で少し ....
黒い電線が網目のように空を巡る朝
ポンコツみたいな雲がひとつ
薄い空にくっきり張り付いていた
両側の木々は背後に蛇腹に折りたたまれていった

眠れない哲学者のように旅客機が
あちこちに佇ん ....
英語持ち込んで伝わらないニュース やさしく
尊いほどにやさしく接すると
君に対するこころは
透明に近づいていくような気がしている
下手なうそをつくことはとても
出来ない、
まして上手なうそも

雨があけた折
 ....
 私たちが
 自分を創り終えるのは
 いつなのだろう

 たとえば、
 どこかの建物の一室で
 最後の息を一つ吸い
 そして、吐き

 その胸の鼓動が
 ついに沈黙する時
 あな ....
ブリキの機関車が横向きに倒れ
プラスチックのミニカーが仰向きになっている
河原で拾った平たい石と
足の折れた甲虫の死骸の上で
スカートのまくれた人形と
鼻のかけた木偶が抱き合っている
形も ....
「土砂崩れのあった山のあたりは 幾たびかの土石流が重なりあってできたので、昔の地名には、 それが残っていたらしい。」と、母が どこからか聞いてきた。調べてみると 阿武山というのがある。
【阿】という ....
空振ったプロポーズを使いまわしている 朝の信号は、青になり
盲目のひとは白いステッキで
前方をとんとん、叩きながら
今日も横断歩道を渡ってゆく

日々の{ルビ道程=みちのり}を歩く
惑い無き後ろ姿は
人混みに吸い込まれ
段 ....
冷たい雨が降り続く
冷たい雨が
靴を濡らす
季節は落ち葉の底深く
沈むように眠りに落ちる
望みは断たれ
願いは口を噤む
もう金輪際
雨が降り止むことはない

濡れた落ち葉は断定す ....
遠藤文学講座の後に、皆で語らう
この店で僕は、受洗を決意した。
この店で僕は、息子の障がいに泣き崩れた。

四ツ谷の地下の珈琲店・エルは
奇遇にも
遠藤先生の命日である、今日
四十五年の ....
君は
産毛の生えた頬で

僕は
固く強張った頬で

あなたは
皺を幾重にも刻んだ頬で

いくつもの意味を孕んだ
頬のかたちを
僕らは笑みと呼ぶ
指パッチンして折れたとは言えない あさがた
空がまだ黒いベールをまとっている
そんな頃合い
ささいな物音で目を覚ました
ような気がして
結局同じようには
すいみんに入れないでいる

最近おもうこと
母にな ....
 
前略 わたしはぼちぼちです

あなたはいかがですか 草々

追伸 ぼちぼちだといいな



 
寝ても覚めても
 迸る感情
君の事を想いつつ
朝日が昇る
まだ形状の定まらない
 流体の太陽

金床に流し込み
躊躇の槌で打ちつける
超高温の金属は
赫灼と輝き
理性 ....
個々の
価値観をはかっていくこと
たぶん
それが必要

調整中
それがすべてに通じない
過程は大事
でも
結果をいそぐ人もいる

欠けている
から
与えられる
それに
慣 ....
大人になっても子どもの姿
{ルビ蓑蛾=みのが}の雌は{ルビ蓑=みの}の中
雄が訪ねて来るのをじっと待つ
翅も持たずに交尾をし
卵を産んで死んで往く

大人になっても幼いこころ
美しく濃い ....
言葉に表せない思いは
ため息で足元に落とせばよい
言葉に表しても伝わらない思いは
自分で口を開けて呑み込めばよい

いつも思いを言葉で包み込もうとした
言葉に包まれた思いは変色してしまい
 ....
秋風のなかに
ほんのわずかに残された
夏の粒子が
午過ぎには
この洗濯物を乾かすだろう

通夜、葬儀の放送が
朝のスピーカーから流れて
犬が遠吠えを繰り返す

香典の額を算段して
 ....
毎日ターニングポイントで変わらない 森羅万象の奥行きを潜り
泡立つ呼吸音に身を委ねる
壊さなければ訪れない静寂に
あてがった指 時間を悔やんで
包まれた喪服の相容れない微粒の黒
引き千切って 逃げ出すのもいい

やがて更新 ....
ショパンのノクターンを演奏している
サンチョ・パンサ号という
ふたりで名付けた彼女のグランドピアノのことで
彼女は、音が死んでいく、と悩んでいる。
音楽の師匠は、ちょっと綺麗な言葉じゃないけれ ....
花びらが螺旋をえがきながら
どこまでも昇ってゆくのは
風がすこしばかり
あかね色にふきはじめる
こんな季節だ。

まわりの空が
息苦しくなるほど
蒼く変わってゆく。
果てにあるものが ....
川嶋医院の
門柱までの石の階段を
ケンケンしながら昇って行く
昇った先に待っている懐かしい顔
随分と草臥れたセーターを着ている子や
今日おろしたてのジャンパーが
砂や泥で白くなってしまった ....
蝉は生き続ける
孵化を忘れた年月を

ルサンチマンさえ風化して去った
いくつもの夏を

トニオクレーゲルの日々を
隣のねえさんの優しげなまなざしを

不思議の森に生まれ
永らえた歳 ....
なにも通らない道を舗装している 表現し伝達する手や足と震える唇

バンドマン歌ってよこの夜の深さと哀しみを
いくつの星がうまれて流れていったのだろう

音韻学的なぼくらの言葉の航続距離は?

アクセサリーみたいに飾り付 ....
生まれた頃の
記憶
母の語る
真実
学校の先生が話す
口癖
ただそれだけの
時間
初恋が恋とは分からない
感性
誰も知りはしない
秘密

友達と誓う
約束
神を信じること ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
徒然に- 藤原絵理 ...自由詩6*14-10-7
各駅停車は台風のなかで- りゅうの ...自由詩10*14-10-7
黒い電線が網目のように空を巡る朝- オイタル自由詩4*14-10-7
英語持ち込んで伝わらないニュース- 北大路京 ...自由詩114-10-7
青が。- かんな自由詩5*14-10-7
人間の完成- まーつん自由詩18*14-10-6
人生- イナエ自由詩11*14-10-6
阿武山- るるりら散文(批評 ...9*14-10-6
空振ったプロポーズを使いまわしている- 北大路京 ...自由詩314-10-6
盲目のひと- 服部 剛自由詩614-10-5
冷たい三日月- Lucy自由詩12*14-10-5
机上のワインー珈琲店・エルにてー__- 服部 剛自由詩514-10-5
お前は_緩んだ頬で- 四角い丸自由詩614-10-5
指パッチンして折れたとは言えない- 北大路京 ...自由詩514-10-5
ココア- かんな自由詩8*14-10-5
前略- 殿上 童自由詩24*14-10-5
融鉄- 凍月自由詩16*14-10-4
理想、現実、そのはざまの、- はなもと ...自由詩714-10-4
美濃夢詩びと- ただのみ ...自由詩19*14-10-4
言葉と思い- ……とあ ...自由詩8*14-10-4
まえぶれ- そらの珊 ...自由詩2314-10-4
毎日ターニングポイントで変わらない- 北大路京 ...自由詩414-10-4
◎ほうずき- 由木名緒 ...自由詩11*14-10-3
音と言葉について尽きない話- りゅうの ...自由詩10*14-10-3
秋櫻のころ- 草野大悟 ...自由詩5*14-10-3
意識のリセット- ……とあ ...自由詩9*14-10-3
26000日- 梅昆布茶自由詩10*14-10-3
なにも通らない道を舗装している- 北大路京 ...自由詩314-10-3
今日というちっちゃな宇宙へ- 梅昆布茶自由詩814-10-3
刹那の果て- りゅうの ...自由詩6*14-10-2

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