ごぅひゅう ごぅひゅう
街路樹を大きくゆらしている
これはみなみかぜ
天気予報のおねぇさんが言ってたことは
なんだか理科っぽい説明でつまらない
空の気まぐれ地球のため息
季節外 ....
路地裏の朝顔が綺麗なのは
それに丹精を込めた人の息遣いや想いを
一緒に重ねてしまうから
そういった情緒を
たっぷり吸い込んだ花だから
アパートの洗濯物なんかにそれぞれの家族構成やら
....
子育ては子どもの頃の復習だ
幼い我が子に
昔の自分を重ねる
ああだったこうだった
言いながら
あの頃見えなかったものが
少しずつ見えてくる
あの頃見えていたものが
少しずつ ....
人は
たくさんの事柄を
忘れながら
生きています
朝起きてみれば
隣の空き地は
白く覆われて
ただひとつの足跡もない
とてつもなくやわらかい
真新しい道に思われました
その ....
風が匂うは梅見月
口を閉ざした木々の芽は
浴びる陽ざし待ちわびて
うずく枝先たおやかに
ふくらみ帯びて君を ....
「不用品なんでも買い取ります」
そんな張り紙のある煤けた店で
残っていたわずかなやさしさを売った
音 ....
ぶつからないように
ぶつかって
絡まないように
絡ませてしまう
濁らないように
やっぱり濁りの中に浸かり込んだ
傷つかないように
傷つき泣いて
傷つけないよ ....
{画像=130128134754.jpg}
気楽なのです
しょせん死は
一つの潰えです
誰も泣かず
誰も泣かさない
手向けはどうぞ
孤独以外に
....
四角い団地が建ち並ぶ
その中には四角いドアが並んでいて
ドアの向こうには四角い部屋が連なっているのだが
暮らしているのは どこか
丸みを帯びた人間だ
四角い暮らしに疲れてくると
人は ....
わが子が泣くので
わたしはそっと抱きあげる
生まれたばかりの
からだを包む
そして
なるべく平易な言葉をかけて
わが子の視線の先を見る
ときに
わが子は泣きやまない ....
カラーリングの話をしていた
オシャレなセレクトではなくて
まるっきし 白髪染めですよ
なんて言いながら
うふふ と 笑える 淑女に なりたい
心だけでも
黒色を 手放した髪は
....
たゆたう春の輝きのなかにも
かの冬から
秋から
夏から続いてきた
いや 太古の昔より続いてきた
乙女の川くだり
老若問わずの乙女の川くだり
それは誰にも止められず
海を 目指す
女性 ....
雀の寝床をみつけても
太陽起こしちゃいけないよ
雀はぐっすり夢のなか
お米がいくらも食べ放題
雀を昼間にみかけても
天気は気にしちゃいないから
きょうの糧には何を得た
それだけ案じて ....
二月の鼻先で
くしゃみ
クスンと泣いたのはだあれ
三の日に人がいて
春になるって
知っていたかな
鬼は外
ウグイス豆頬張って
あはは
泣き虫も福笑い
春来る
ずっしりと垂れ下がる雲
光を覆い隠して、まるで
世界の終わり、みたいだ
窓ガラスに流れる水滴を数えてた
何度も間違えては
適当な数字からやり直してる
だから、でたらめ
そ ....
あなたの手に触れたとたん
恥ずかしくなって文字が滲んでしまったかも
読んでいただけましたか
言葉と言葉の間のためらいと
僕とあなたと間との小さな活断層
信じ合うためには強力な接着剤が必要 ....
走って 走って 走って行く
走った 走った その先に
何も見つからなくて
途方に暮れた女の子
走って 走って 走って来た
走った 走った その道に
何かを落してきたの?
そっと振り返 ....
るりるりるりら るりるいら
はりはりはりら はりはいら
瑠璃色のグラスに 祖母が水を注いだ
古い民家のちゃぶ台で 縁側から射す光が
グラス越しに ゆるりゆらめいて
幼いわたしを 魅了した ....
独りさすらう俺の体を
降りだした雨が切り刻む
切り刻まれた俺の体は軽く分裂する
でも心は切り裂かれないから
浮いたまま
雨に打たれても
俺の心は乾いちまってる
おまえがいな ....
時報に電話する都会の昔の孤独を
歌った年老いたDylanは
顔も見ずに携帯画面で
交換される文字の羅列に生活する
今の孤独を知らない
声で発ッせられる言葉に
恐怖を感じる人の群れは ....
1月も終わりのとある平日。
かわいらしい小さなカフェに集う人々があった。
カフェに置いてある品々は、その多くが手作りのようで
ペンキ塗りの壁には、楽しげな手書きのイラスト、絵 ....
川が かろやかに ながれている
人々は みな
黒い衣装を着て
積み重ねてきた色とりどりの思い出が
しずかに ながれていくことに 心を寄せている
美しい心でありたいと焦る日々を埋葬し ....
冬の涙はさらさらで
誰も引き止めるものはない
蜂蜜ほどの粘度があれば
甘く熟成されようが
冬の涙が歩き出す
朝の魔法にうながされ
あなたの窓に
わたしの窓にも
遠い人は自由だ
理想を語ることができる
見えないから
無垢な心で理論を振りかざす
割り切ることができる
中空に浮かぶ月が綺麗
それは遠いから
月面では人は一時も生き ....
ささいな言葉を宛てるにも
勇気がいります
愛ならば
企まないで
ほしがらないで
ただ真っすぐに仰げたら
空は
味方につきますか
かぜに誘われて
かぜに残されて ....
冷たい風が、街路樹のあたりで、
キョロキョロと挙動不審で。
一瞬でマンションのベランダに駆けあがると
干されていた白い洗濯物を奪って逃げた。
空を眺めるのが大好きな僕は ....
言葉がまだじゅうぶんでなかったころ
わたしたちはそれを呼ばなかった
知ってはいたけれど
おはようも こんにちはも
いただきます
もなかった
雨がふ ....
煙草をふかす、君の横に腰掛ける…。
雪の東京を見つめる最中
寄り添いたくて・寄り添いたくて
ケータイをいじりながら
横に腰掛ける…。
「寒いね…。」
「うん…。」 ....
幼い日々が
やわらかく在ったのは
いつわりごと、が
易しかったから
不器用な手に
添われていたから
ひとつひとつの横顔は
おぼろ気だけれど
ぬくもる匂いは
きえ去らな ....
子供が育ってくると
この世に未練がなくなっていく
休日は外食したいとか
趣味をまたはじめたいとか
生きてるうちに
一度は海外に行きたいなとか
昔あったはずの欲望が
次第に枯れ ....
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