わたしたちは
いつだって
傘のかなしみを知らないのです
雨は水のふりをしているけれど
あれは
悪魔なのです
今は悪魔であるけれど
もとは穢れなき天使だったのです

傘は特別製の防御服 ....
最終列車が息を吐く

車内には人が結構たくさん乗っているけれど
皆疲れて茫然としており
身体半分が無機質な物体になりかけ
車内の音を吸い込んでいくので
奇妙な静けさが漂っている

発車 ....
雪解けの時を待った
土を食べたくて

小さなシャベル片手に
まっすぐ真白い粉塊の一点めがけ


(吸い込まれる) 

くらいに感じてくれたらいいな

そんな気持ちの柔らかさで
 ....
【 そのあとがある 】


「ソ」の次は 音叉の「ラ」の音が 来るよ
    さあ チューニングしようぜ

空を超えよう
    人間 ....
布団カバーを変えるのは

とても煩わしい

かどっこを充分に見定めても

結局何度かやり直す

世の中煩わしいことばかりだよなと

誰かのせいにしたところで

布団カバーは素直 ....
さみしいときはふてねする

イライラするときは 不機嫌でいる

気分がいいときは 自分を甘やかす

大人になって
いいことなんかあるはずない
そうおもっていたけれど

囲いを自分で ....
小学生男子は
マウンテンバイクを欲しがる
舗装していない道
オフロードを走ることができる自転車だ
舗装された人生を歩んでいるから
険しい道を進めるものに憧れる

しかし
社会人男子は
 ....
看取りは二晩続く。

その二晩が終われば二日お休み。そのあとは三日間通常の勤務。そしてまた看取りだった。

看取り二日目の日はいつも息子は老人ホームで遊んだ。

すっかり人気者だね、

 ....
うっとりと瞳を閉じて 
光の石を両手に乗せて 
立っている円空さん   

静かないのちの歓びが 
体の隅々まで葉脈を巡らせ  
行き渡っているようです 

森に佇む木の体  
日向 ....
ひとりの木の中に 
微笑み坐る、仏がいる 

人という木の幹の中に 
両手をあわせる、仏がいる 

円空さんが無心で彫った 
木の像が、幾百年の時を越え 
何かを語りかけるように 
 ....
なにものでもありはしないでもあるんだ
誰も好きになれないでも好き

二律背反が風のなかで舞う
とっても素敵な世界なんだそう
君の本来の色さえわすれそうさ

それでも走り続ける週末に向かっ ....
 ぼぉお ぼぉお ぼぉお
 ぷくぷく ぷくぷく

 よう食用、元気かい
 
 うるせえ、食用って言うな
 何度言ったら分かるんだ
 だいたいおまえだって食えるじゃねえか

 ....
 さあ こいさん着きましたで
 わてら思い出の法善寺
 水掛け不動さんへ

 覚えたはりまっかこいさん
 わてが初めて〈元祖メカ割烹・Fuji=Yoshi〉に
 奉公に上がった晩
  ....
息子は仮眠室で眠っている。

ぼくは杉下さんの容態をメモを録りながら聞いている。

今夜は杉下さんのおられる107号室がぼくの居場所だ。

居場所なんて言い方はおかしいのかも知れない。
 ....
骨格をあらわに
白い野に立つ

背筋を伸ばし
左右対称に枝を張り

あるいは 捻れ
歪みながら
闇雲に空へ手を延べる

曝け出された履歴のあげく

無防備に芽吹くものを
先端 ....
時となく
海しか生きる道はないと
誰もがアキラメルのに
あいつは、天へと想いを馳せた
けして夢などという 幻でなく、

だから、
俺は
恋をした 誰もがそうするように 思いのとどか ....
風の変り身に
逆立つ産毛はあるが
人の変り身を
捉える触角はない

好奇心の玩具は
すぐに揮発させてしまうくせに
邪推の深海魚は
いつまでも対流させている

賞賛の燃料があれば ....
明け方目覚める
喉が痛い
咳が止まらない
身体を丸めながら
台所へ行き鍋に牛乳を入れ火にかける
そこに茶葉を摘まんで放りこみ
しょうがをすりこみ沸騰させ
しばし煮る

囁くような
 ....
公園にひとり男の子
空を見上げたら
花びらが舞っていたから
これは夢なんだと気づく




くしゃみする間にも
悲しみは正しく生まれていて
目薬を注しても
溢れ出てくるものは止ま ....
弱かろうが情けなかろうが
日常は過ぎていく
淡々と

そうして僕は生かされている
見方によっては
捨て置かれている

と気づいた時に
何かが弾けてしまった

悩みなんかお構いなし ....
      水平線が欲しいと泣いた
      混ざらぬふたつが眩しすぎ
      泣くしかなかった                 
      空は碧に準じて深すぎて
      ....
すっかり片づいた床のうえに
ひからびた輪ゴムがひとつまるまって

きみはひろい上げて
ぼくたちの日々のさいごを束ねようとしたけれど
ぱちんとかすかな振動をのこして
ひからびた輪ゴムは切れた ....
 休みの日には
 行く場所がない
 
 独身者寮二階洗面室
 の窓から
 女はサンダル履き
 ひとりこっちに
 来るのが見えて
 
 おばさんと呼ぶに若く
 おねえちゃんと呼ぶには ....
おばちゃんは
女捨ててんねんと言う
男と女の中間やねんと言う

おっちゃんは
なんにも言わない

おばちゃんは笑う
笑いながらぐいと
明日のとびらをあける

大きなこえで
明日 ....
まだ若いからだの頃

営業車へともどる夜道に

清烈な花の香がした

まだ相俟みえぬあなたに

届けたくなっていた


僕だけのものにする為に

その小さな花々を毟り

車内にそれを舞い落とす

生ま ....
傷つきたくないから

逃げていた

傷つけて嫌がられたくないから

逃げていた

嫌がられて行き場を失いたくないから

逃げていた

行き場を失っていた


まだぼくは盲目で

耐えられないくらい追い ....
ふぅ〜

誰かのため息が
うなじをくすぐる
振り返ったら

黄色くなった“春”が立っていた

眼は真っ赤に泣きはらし
皮が捲れて鼻水が垂れている

あぁ〜

私はポケットから ....
少しくらいの
痛みはあるほうが
生は活性する

少しくらいの
望みを持っても
いいような気がする



少しばかり
苦を背負っても
生はたどれる

少しばかり
無 ....
私はモノに名前などはつけない

自転車や楽器など愛すべきモノたちへ

名前をつけてはいつくしむ人たちに対して

嫌悪感ほどは抱かないがむず痒くなる

しかし私は毎日牛乳を飲むときや
 ....
忘れてしまえるということは
すばらしいことだとおもう

今日のことも
だれかのことも
わすれながらいきてゆく

わすれられないことを
すこしづつ手放して
花が咲くように
花がちるよ ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
カサノ_カナシミ- そらの珊 ...自由詩19*13-3-18
発車までしばらくお待ち下さい- 灰泥軽茶自由詩5*13-3-18
ハヤブサ- 芦沢 恵自由詩22*13-3-18
【さくらの_ゆくえ_その一_開花編_】三編のオムニバス- るるりら自由詩8*13-3-18
布団カバーにおもう- 灰泥軽茶自由詩5*13-3-17
小発見- 朧月自由詩213-3-17
オフロード男子- イオン自由詩2*13-3-17
看取り(6)- 吉岡ペペ ...自由詩613-3-17
光の石_- 服部 剛自由詩513-3-17
円空さんの声_- 服部 剛自由詩313-3-17
風のなかの魔女- 梅昆布茶自由詩1213-3-17
夕焼け- 平瀬たか ...自由詩313-3-16
メカこいさん- 平瀬たか ...自由詩4*13-3-16
看取り(5)- 吉岡ペペ ...自由詩713-3-16
冬の木- Lucy自由詩13*13-3-16
Midori- 月乃助自由詩513-3-16
スネオ- nonya自由詩23+*13-3-16
明け方チャイ- 灰泥軽茶自由詩5*13-3-16
うらら- 村上 和自由詩313-3-15
軽くなった- kauz ...自由詩4*13-3-15
準ずるものたち- 石田とわ自由詩12*13-3-15
輪ゴム- はるな自由詩513-3-15
サマーホリデー1994- 平瀬たか ...自由詩3*13-3-15
中間のひと- 朧月自由詩413-3-15
沈丁花の唄- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...813-3-15
絶望を手に入れろ- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...113-3-15
【_美しき“春”よ_】- 泡沫恋歌自由詩15*13-3-15
一握の生- シホ.N自由詩313-3-15
牛三郎- 灰泥軽茶自由詩7*13-3-15
忘れるための夢- 朧月自由詩613-3-15

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