また 続きの雨だ

あのときからの
泣いてからの
決意してからの
理不尽に震えてからの
続きの雨だ

雨がふる

足元が
かたまるために必要だと
教わったけど冷たいね
雨は
 ....
緩やかなカーブを描いて

走って行く

空気の波が幾重にも重なって

丸みを帯びた優しさを生成する

気をつけてと

柔らかなハミングで

空気の波は震えて

白いガードレ ....
ちょっと、痛いですよ、
我慢してくださいね。

がま
の所で記憶は飛んでいる。

がま

続きは、勝手に想像して
そう言いたいんだろうなと思った。

そう思った場所は
私が ....
つぼみのままで
いたいなら、

それも花だと
そよぎましょう



まだとけきらない
雪の小村も

あなたが
春だと云うならば

うなずきましょう
わたしは細く
 ....
バイクの後ろに乗せられて バイバイと
母の実家に行った 四歳の頃
家族と離れて 初めて一人
そんな自覚もないままに
しーんとして広く感じる居間や台所
少し高い所にある黒電話をみつめた
しば ....
「こまやかな心は」
                 木の若芽


ふってる雨は細くこまかく

草木は気持ちよさそうにぬれている

がまんしているふうでなく

ほんとに感謝にみちた ....
2才児が
真剣な表情でタオルをたたむ
クレヨンを握った小さな手で
クッキーをつかんだ丸っこい手で
タオルをたたむ
見よう見まねで
やっと半分に

   すごい!
   上手ね
   ....
あなたが珍しく
自ら自分のアルバムを持ち出してきたから
少し不思議だった
「なんとなく」
なんて言うけど
これまで一度も
開いて見せたことなどなかったのに

あなたのアルバムには
当 ....
生きるのがかったるい
起きるのがかったるい
そう 何もかもが かったるいんだ

筋の読める映画
見え透いたスローガン
愛は押しつけがましく微笑み
悪は歯を剥いて唸りかけてくるが

俺 ....
空から枯葉が落ちてくる
頭上の木から切り離されるのではなく
空の見えない高さから
無音とともに落ちてくる
空の見えない高さの
さらに高いところの
その向こうがわ
宇宙の深淵のような場所か ....
見せないこと

言えないことで

人はたぶんできているから

呑まずにはいられない人

酔いつぶれている人が

ときどき無性に

愛しくなる

前後不覚になってさえ

 ....
 
オラオラオラァ!

モダンで薄っぺらな靴なんて目じゃねぇ

ちびて薄汚れちゃぁいるが、これが歩み続けたおいらの勲章でぇ




 
信州の秋まつりの露店で買った

ドイツ人の老婦人が作った

珍しい山の果実ジャム

店番をしている佇まいに吸い込まれ

若い頃はさぞかし美しかったに違いない

毎年自分たちだけが食 ....
自分を責める

君は哀しい



君はピュアだから

君はかんたんに

傷つけられる




人を

辱しめる人って

いるんだ



 ....
深紅の薔薇を投げた夜
いくつもの吐息をかさねていた

僕達の想いには名前がなかった
そんなもてあました悲しみが
僕達は好きだった

いくつもの季節を共有し
違和を閉じ込めた小箱を持って ....
あるだけの色を使った絵も
覚えたてを書き並べた字も
すべてきみの詩(うた)になる

一枚一枚
大切に束ねて
詩集はきっと
ベストセラー

表紙はきみの似顔絵
母さんが描いてあげる
 ....
最後の猫が死んだ
冬の夜に

耐え切れなかったのだ
冬の孤独に

私は春の真似事をして紙吹雪でとむらう
おまえにみせてやりたかったよ

桜が舞う空を
せめてこの世の美しい絵空事を
 ....
魚編の漢字が好きだ
目から鱗という言葉が好きだ
逆鱗に触れるという言葉が好きだ
そして わたしの言葉を読んでくれるだろう そんな あなたが好きだ

回遊する魚のように
 ....
飼い犬になりたくてネクタイを締める いま
手にした手紙と
いくつかの
小物の箱
もの言わぬ
昔のわたしの
色褪せた
無垢の記録


捨てられた家で
埃にまみれ
わたしのことを
 ....
たとえば

人は誰かを捨てるとき
オブラートに包んで
口に入れる
ゆっくりと嘘が溶けていくように

胃の腑に落ちた
真実の味が
逆流して口の中に溢れだしたとき
その苦さに顔をゆがめ ....
自分の手のひらを見て思うんだ。

僕に、何かが出来ないかなって。





この手で何か、人のために

作ったり

奏でたり

守ったり

描いたり
 ....
ただ、それだけのことだけど。





朝、目が覚めた。

ただ、それだけのことだけど、





お腹がすいて、ご飯を食べた。

ただ、それだけのことだけど、 ....
だれに
味方をするでもなく
秋はしずかに燃えている

わたしが
ひとを敵視するのは
燃えようとする
哀しい加速

はなはだ容易い
弱さの
露呈



いっそ
水にな ....
鳥が啼いてゆく
いつか、いつか、いつか、
赤い夕陽がしたたり落ちて
心を焦がす イタイホドニ


{引用=近づけばまた遠ざかり
遠ざかるとまた近づく
蜃気楼 日々は}

そしてまた ....
心のなかに埋まっている この磁石が 
引き寄せる

たとえばそれが砂漠に転がっている石ころだろうとも
たとえばそれが海を漂う明日をも知れぬ泡だろうとも
たとえばそれが誰も見向きもしないような ....
               

ふかくふかく沈んでいく
ひかりが ひとつひとつみえなくなり
一番遠くのほうで白い水仙がゆれている
たびたび あわがすこしずつのぼっていくと
呼吸しているこ ....
カンヴァスに描いた静物画に
わたしは真っ赤な色を置く
油絵を描く時は
その目に映るものの色と
正反対の色 ....
眠い……
最近 眠くて仕方ない

どうしたことだ
やらなければならないことは
山ほどあるのに……

それでも 眠い
眠くて 眠くて 堪らない

朝方の二度寝でこんな夢をみた

 ....
目の錯覚であろう
一瞬 谷間の言葉と
   丘陵の言葉が
隔たりをなくす
負荷をなくし
意味をなくす

あえて平面的に観ることで
多角的なもの
こんがらがったものを
再認識する 再 ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
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