1 ベランダのアマガエル あるいは セミ

人工石に囲まれた中空にひらひら揺れる緑色の片鱗が
さまざまな生き物の宿る大木の小枝に見えたのか
ベランダに並んだ化学合成陶器に盛られた疑似土に
 ....
身を粉にして何も残らない 太れ!
太れ!
太れ!
太れ!
太れ!
この病は皆痩せてから死ぬ
ダイエットなんか糞食らえだ
病院食なんか糞食らえだ
だから太れ!
太れ!
太れ!
太れ!
太ってくれ!
体温によって色の変わるポエムの口あけた 物悲しいかたまりが
からだの奥をふくらませている




水がどこまでも
水であるのは悲しい

言葉の色が
明るく消えてゆくのは悲しい

むらさきだけが
 ....
うっすらと雨の音

心の殻を指先で

とつとつと叩くような

なにか楽しいことないかなと

マーチがとつとつと

一日雨が降って

夜にやむ

空気を吐き出したくて

 ....
風はその指先
山の緑を掻き分け
光の欠片のよう
白蛾の群れ舞い散って

橋から覗き込む
水音は涼しげに響き
燕が足下をくぐり抜ける
遠く切り取られた海が

傾いだ陽射しを溶かして
 ....
此処に、
わたしの知る此処に
わたしの知らぬ草花が
現れはじめる

根を下ろし得る
類の全てをおさえていたのに
思いもよらず新種と出会う

何とうかつな庭であろうか
わ ....
生きるたたずまい
気配だけではない
所作もふくめたその人の
生活感の座り具合とでもよぼうか

こころにはかたちがない
言い換えれば生きるエネルギーが
そのまま立ち居振る舞いとなって
表 ....
869回めのキスを一本足で迎える むかしよく不安になってた
ささいなこと
教室のまんなかで
ノートになみだをこぼしたこと
真夜中のベッドで
胸がどきどきしたこと

冴えた冬の朝の空気
放課後の図書館
橋の上の ....
七月の波止で
新月のような魚を釣るひとたち
豆アジの季節だ
いつ
どこで
魚のかたちに孵化したのか
釣り人はそれを知らない
月のように丸くなるは秋のおわり
一掴みのアジになる

今 ....
日常の時間という縦糸と
家族と付き合いの横糸
そこに堆く積まれている
それぞれの人生
ちょっとした布のほころびに
突然落下しそうになった君

何年ぶりだろうか
いや、三五年ぶりに手を繋 ....
冷蔵庫に賞味期限切れの
ちくわが一本残っていた
二日しか過ぎていない
まだ大丈夫だろうと
丸かじりする

食べながら
ちくわの穴と対峙する
もしかしたら……
別世界が見えるかも知れな ....
海の民である しるしに 婆ちゃんは からくり金庫を私にくれた
立方体をしたその金庫は、随所に黒光りのする鉄の補強がしてあり
なかなか重厚感がある。扉を開けると、その扉の先に また扉。
つぎ ....
風が変わったら彼に伝えて
セイレーンの歌を聴かせてあげるわ
一度聴いただけで夢中になるのよ
海が青く輝いたならそれが合図

やさしくしないであの頃の私は
恋に夢中になりすぎて何も見えなかっ ....
小さな靴の愛おしさを
ときおりこうして取り出してみる
小さな足はもう消えてしまったけれど

バーゲンセールは年々前倒しにやってくる
梅雨が明けてもいないうち
夏服には割引の赤いタグがつけら ....
いた。
いてくれた。
夏を思わせる涼しげなワンピース。
ひらり、ふわり、重力もひるんだ昼下がり。



約束のエスカレーターの下
ナチュラルに手を振ってくれた、くれた。
 ....
おやすみ言えず電波途切れたまま 大勢集まってきたからって
花見に来たんじゃねえよ
人間を見に来たんだ

大声出して
カラオケとかいうんだって
酔っ払って歌っている声が
山の中腹まで聞こえてきて
でも 聞きに来たんじゃ ....
あなたは笑顔で泣いている
薄雲を通過した日差しの下
歩行グリーンベルトの上
うつむいて去ってゆく

私は笑顔で泣いている
笑顔で泣いているあなたを見て
かすかに揺れる半夏生の葉を見て ....
牛が草を食む音が 聞こえてくる
静かな午後の平和に 仔牛は乳房に寄り添う
サンエチエンヌの草原で 見渡している
あの日 旅する雲は東へ アルプスを越えて


熱に浮かされたような 隊列 ....
テレビでも見ててと料理しなれてない手 あなたには、恋人がいますか。
掛け替えのない、人ですか。
賭け甲斐のない、人ではありませんか。
一緒にいたいと、思いますか。
ずっと、一緒にいたいと思いますか。
ずっとというのは、いつまでで ....
小学校の避難訓練があった
地震を想定し保護者が迎えに行くというものだ
俺はすこしだけ飲んでいたが口臭がしないように歯磨きをつとめた
それからスーツに着替えた
ネクタイをしようとしてやめた やり ....
主人が自分のブログに、私の乳がんの経過について載せたいと言ってきた時、
迷わず「いいよ。」と言ってはみたものの、私が載せて欲しくない事まで
載せられてしまい、その箇所は削除してもらったのが第一 ....
{ルビ日日=にちにち}を雑巾雨に打たれてる
一茎だけの蘭の花
百合より白い貌うつむけて
お前も夢に見ているか
さふらんのあの黄いろ

淡むらさきのさふらんは
遠く乾いた国に咲く
雨に溺 ....
我が家の車庫の上で
つばめが巣をつくり
毎日でかける家族を
みおろしている

母親なのか
父親なのか
わからないけどどっかりと
すわってみおろしている

みおろされながら
なにか ....
     
ああーあ イラツク イラツク 

人間どもに騙されたのだ アメリカの野放図に広がった森林から誘拐されて日本の都会の隅の小山の麓の一角に囲われ 夏の陽射しを直接受けて 原色の皮を被った ....
綺麗な愛で首をしめられている
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アマガエル- イナエ自由詩8*14-7-5
身を粉にして何も残らない- 北大路京 ...自由詩314-7-5
太ってくれ!- ……とあ ...自由詩11*14-7-5
体温によって色の変わるポエムの口あけた- 北大路京 ...自由詩514-7-4
ノート(物悲しいかたまりが)- 木立 悟自由詩714-7-4
雨と鼻唄マーチ- 灰泥軽茶自由詩714-7-4
夏らしき日よ- ただのみ ...自由詩16*14-7-3
うかつな庭- 千波 一 ...自由詩414-7-3
風景- 梅昆布茶自由詩1114-7-3
869回めのキスを一本足で迎える- 北大路京 ...自由詩5*14-7-3
あしたのこと- 自由詩314-7-3
文月の詩- たま自由詩14*14-7-3
もうひとつの「夕暮れの病院」- ……とあ ...自由詩9*14-7-3
【_ちくわ_】- 泡沫恋歌自由詩22*14-7-3
陸族化の娘- るるりら携帯写真+ ...16*14-7-3
セイレーンの歌- 未有花自由詩17*14-7-3
バーゲンセール- そらの珊 ...自由詩2014-7-3
約束のエスカレーターの下- komasen333自由詩2*14-7-2
おやすみ言えず電波途切れたまま- 北大路京 ...自由詩514-7-2
花見猿- イナエ自由詩7*14-7-2
笑顔で泣いている- ichirou自由詩14*14-7-1
Atom_Heart_Mother- 藤原絵理 ...自由詩7*14-7-1
テレビでも見ててと料理しなれてない手- 北大路京 ...自由詩614-7-1
いとしいわかん- DAICHI自由詩814-7-1
避難訓練- 馬野ミキ自由詩614-7-1
乳がんの早期発見について- 小川麻由 ...散文(批評 ...4*14-7-1
黴雨- salco自由詩1114-6-30
上空の親- 朧月自由詩114-6-30
__独語するオオカミ_ー名古屋市東山動植物園ー_______ ...- イナエ自由詩7*14-6-30
綺麗な愛で首をしめられている- 北大路京 ...自由詩614-6-30

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