一度だけ
父と取っ組み合いになった
後にも先にも
希薄な親子にとっての真剣な対峙は
それっきりだった

生意気盛りの高校生
飛行機が好きだった私は
トリポリでB747が爆破されるのを見 ....
横波 縦波 渦巻く世界
肩肘張って働いて
お疲れなんでしょうね
名も知れないゆきずりの肩に
頭を預けてしまって
安心しているあなた

満ち溢れる心労を
化粧に隠していても
あなたの髪 ....
そのわらべうたは
作者不明だという

畑に添って
作られた石垣
その隙間から
シダやペンペン草が顔を出し
しっぽがふたつに別れた小さな虫が
忙しそうに出たり入ったり
雨が降れば
水 ....
拍手のタイミングがわからない 左手首の動脈を
右手の指先でさぐり当てる
脈に触れれば
自然とそれを数えてしまう
まるで
生きていることを
確認するように
えいえんに似たそのリズムを

日が暮れて
血の匂いがする ....
冬の海 
風にのって
たこは
突き進む
よく澄んだ青空を 

たこは
海を見下ろし
静かにないだ波が冬の柔らかい光で照らされた
淡い世界をみつめる

子どもたち 大人たち 
犬 ....
今夜ぬかるみそうですね
まだちょっと震えていて
瞳は亀裂して手招くのです
梢に掛ったビニール袋の
違和としての惨めさの中へ
眠りは逃げた僕から逆行した

福寿草のように笑う
気の早い毒 ....
地上に引き出された私の網膜に
無数の矢が
容赦なく突き刺さる

モグラになって初めて知った
過剰な光は
漆黒の闇よりもさらに凶暴で
瞳を凝らす事を禁じ
見る事を私に許さない

視神 ....
お父さんだけがスタンディングオベーションしていて嫌な空気 いたずら  乱太郎

眠りを知らない時の神
人間の右回りに活動する肉体の細胞核は
騙された睡眠薬だ
無限に生きる術は夢で踊り
永遠の門番から渡された片道切符の切れ端の上で
一喜一憂して果 ....
指の絆創膏をはがしてみれば
血は止まったものの
いまだ なまめかしく
傷はそこにあった

たった一日
空気を遮断されただけで そこは
色が蒸発したように
あっけらかんと白く
まるで湯 ....
今宵の月は、燃えている
爆発を反復するプロミネンス
立ち上がる火柱に 閉じ込められている一車両の電車が
あらゆる過去と あらゆる未来の間で ゆれている

ゆくえも、ゆきさきも
よく、もえて ....
糸のように細い茎
葉は小さなハート型

切って
水に挿しておくと
傷つきやすい神経のような
白い根がはえ
土に植えると
再生する

そうやって
いくらでも増えるクローン植物
 ....
凹んだままもどらないこころを
あえて膨らまして生きている弾力をおもう

生きることに引きずり回され
足下がみえないまま歩をすすめて行かねばならない
立ち止まるわけにはゆかないのだ
それが残 ....
喧嘩した ただ私が勝手に怒っているだけ
あの人は 云えばわかってくれる 

されど 女には お願い解ってという想いが溢れる
特に不安定な時 お腹が大きくなってきている

私は怒っている 
 ....
誰も書き置きを見ていなかった 竹の葉に星が宿る
母が切った色紙の短冊を前に
幼いぼくの指や手や
腕から背中へ
ありったけの力が
みなぎっていく

卓袱台に
前かがみになって
鉛筆を握って
母に教わりながら
字 ....
夢を追う者よ
君の往く旅の途上で
現実の壁が立ちはだかる時
憂えてはならない

(人間には、翼が無い…)
と地面にしゃがみこんだ、悔しさで
涙を拭い、ゆっくりと立ち上がり
まなざしを向 ....
地下へと続く階段の脇には
だらり、とぶら下がった黒いコンセント
に結ばれた、赤い糸

地下のさびれたライブハウスでは
音程の狂った歌手が
あの頃のみっともない僕みたいな
コッケイな恋の溢 ....
僕は書く

それは文字による記録ではなく
文学作品でもない
書いているのは

言葉

自分の考えや気持ちを表す言葉
つまり
自分を言葉で表した
自我像

僕は僕のことを誰 ....
 書きたいけど、書けない

 そんな言葉ばかり
 胸の中に渦巻いてる

 木枯らしに弄ばれる
 枯葉の様に
 するり、するり、と
 指の間を抜けていく

 春の陽ざしを
 なみな ....
本当が聞きたい あるものなら今ここで
僕の有限と君の有限の間で 不滅があると信じた
ずっと笑って指差して来たものを 君とだったから信じた

いつかは土に帰る
無かったことになる
五十年 ....
れんぎょう
れんぎょう
れんぎょう

と三回呟いたら

小さく黄色い翼がはえた

小さすぎて
私の身体は浮かないが

こころは先に
あなたのもとへと行けるようだ
暖かな日差しを受けて
春爛漫の息吹を感じる
子供達の遊ぶ声が届く
大らかな芽吹きの声が
ここに春が来たことを
そよぐ風が告げている

悩み苦しみさえも嘘と
想える程暖かな陽射し
誰も ....
おんなが三人
テーブルを囲んで笑い声を上げていた
おとこは 
二つほどテーブルの間を置いて
ゆったりとコーヒーカップを口に運んでいた

おとこはおんなをこっそり眺めていた
週刊誌を読 ....
高い授業料を払うと思って騙されてください 【まじか】

気が付くと
赤を塗りたくっていた
白い画用紙に クレオンの油の瘤が
浮き出てくるほどに
太陽よりも大きな赤が
あることを まじかに

もっとまじかに赤を ひきよせて ....
   フルーチェを作った
   冷蔵庫で冷やして
   お風呂上がりに
   娘と二人で食べた
   フルーチェのメロン味が
   美味しいねと娘がいう


     幸せというのは
 ....
里帰り娘に還る日

略奪の限りを尽くすバイキング料理

バーゲンは主婦の戦場

主婦ニート? 主婦が本物のニートになったら家の中がどうなるか見たい?

賞味期限+三日=正しい賞味期限
 ....
春祭りを
古い習慣だというひとがいる
いろんなひとの行列

いつでも太鼓はどーんどんと鳴る
鐘はしゃらんしゃらん

いつもはスカートの巫女さんも
装束でひたひたあるく

笑顔やしか ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
亡父- 山部 佳自由詩1014-4-19
私の肩を信じるあなたへ- イナエ自由詩15*14-4-18
アルカディア- そらの珊 ...自由詩20*14-4-18
拍手のタイミングがわからない- 北大路京 ...自由詩514-4-17
夜の洞窟で- そらの珊 ...自由詩12*14-4-17
カイト- 林 淳子自由詩814-4-17
コウフクノモノサシ- ただのみ ...自由詩18*14-4-16
点眼- Lucy自由詩20*14-4-16
_父さんだけがスタンディングオベーションしていて嫌な空気- 北大路京 ...自由詩614-4-16
いたずら+イタ・ヅラ- 乱太郎自由詩15*14-4-16
溺れる人魚- そらの珊 ...自由詩22*14-4-16
赤い月の電車- るるりら自由詩13*14-4-16
ワイヤープランツ- Lucy自由詩13*14-4-15
弾力- 梅昆布茶自由詩2114-4-15
じゃがじゃが- 朝焼彩茜 ...自由詩12*14-4-15
誰も書き置きを見ていなかった- 北大路京 ...自由詩9*14-4-15
七夕- 殿岡秀秋自由詩814-4-15
白地図を往く- 服部 剛自由詩714-4-14
新宿の地下室にて__- 服部 剛自由詩1214-4-14
自我像- ichirou自由詩1014-4-14
春だもの- まーつん自由詩11*14-4-14
遠雷- クナリ自由詩21*14-4-14
連翹忌- フユナ自由詩17*14-4-14
暖かな日差しに・・・- tamami自由詩1414-4-14
夕暮れのひととき- イナエ自由詩8*14-4-14
高い授業料を払うと思って騙されてください- 北大路京 ...自由詩814-4-14
湧出鬼没__(三篇のオムニバス)- るるりら自由詩15*14-4-14
【_フルーチェ_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-4-14
自由律_【_おばさんの流儀_】_其の六- 泡沫恋歌俳句5*14-4-14
春祭り- 朧月自由詩514-4-13

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