ユートピアはない
シャングリラはない
サンクチュアリはない
バルベックはない

でも地獄はある
それはいま
きみのいる
世界だ

でも項垂れることはない
地獄とは生きる為の辛さや ....
私は道についてよく考える
別にどうってこともないような
つまらないことをいろいろと……

フェリーニの「道」という映画を
レンタルビデオで観たことがある

ジェルソミーナという 頭は弱い ....
だれかの帰りを待ちながら
とんとんとんと野菜をきざむ
だれかの帰りを待ちながら
からからからとグラスを鳴らす
だれかの帰りを待ちわびて
ぽろぽろぽろと頬ぬらす
今度生まれてきた ....
繋がりなんて無いと思っていた
見えないものは信じないと
決め込んでいた

飛び交うのは
想像したくないものだと
決め込んでいた

見えないものは
ふれあえないものだと
勝手に案じて ....
カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る

苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく 

どこかに月が隠れて ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう

君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
タバコを一本吸う夢を見た
しけた不味いタバコだった
そういやわたしはあれを一度も吸ったことがない

「一本目は不味いもんだ」
「二本目で上手いと思ったら中毒だ もうお終いだ」
と予備校の歴 ....
吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく

窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る

{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
胸の中に生まれた種子に密かに雨を降らせる

晴れた昼下がりに教室を抜け出して光を与える

水槽から逃亡して肺呼吸を取り戻せ

摩擦による熱で発火 ノロシ

発芽に必要な条件を満たしてい ....
なけなしの金を 
銀行ATMから下ろして 
伊東への旅に出たら 
財布も口座も 
すっからぴんになってしまった 

安月給から食費だけは 
嫁さんにあずけているが 
幼い息子と3人で  ....
 昔 
 会社の中の仮面に疲れた人が 
 仮面を脱ぎ捨て 本当の自分になろうと
 素顔で生きようと 闘争を挑んだ
 だが
 周りの仮面はそっぽを向いて
 会社の素顔から出るむき出しの刃
 ....
不幸だって?
幸福だって?

そんなみわけのつかないものに
騙されるなよ

夕陽がしみこんでゆくよ
私のからだに
今日もがんばった

私はがんばった
悲しんではいけないよ
なんて決まり文句
どこでも拾うことはできるけど
悲しみ
そこいらに落ちているもんじゃない
背後から黙ってやってきて
いきなりけられるようなもの

泣いてはいけ ....
枕元に
吾輩は目覚まし鳥を飼っておる
朝六時
けたたましくそいつは鳴く
日に ひとたびしか鳴くことが叶わぬゆえ
遠慮などこれぽちもしない

起きなければならぬ
なんとも理不尽であるが仕 ....
それなら
好きにしたらいいと言われた
好きにしたら知らないよと
言われたみたいで
不自由を感じた

だから
好きになんかできないと言ったら
言われたからこうなったと
責任を問われるの ....
強くなりたいと
いつもおもっている
ほんとうの強さも知らないのに

おちつけ
いいきかせる自分のこころが
小さいことも
おぼえていよう
明日またあるくために
{引用=
冷たい
雨がふりだした
雨宿りする安らぎの軒は、どこにもなかった


若いものは 走りだし
きた道をもどり始める にぎやかな娘たちも
年老いたものは 天をあおぎ
荷を背負っ ....
給湯室にオレの悪口 声にならない
だからこそ 叫んでいく

言葉にならない
だからこそ 綴っていく


少し振り返ると
とてもよく似ている
混沌としていたあの時代に
行きつ戻りつしていたあの転換 ....
記憶はなにを食べて生きながらえているのだろう

指先から冷えていくのを彼女はまだ気づいていない

埃を吸ったあとの掃除機をそっと抱きしめる

モーターの余熱が伝わって やっと明日につながる ....
飛行機がこわい

とくに国内線が苦手

安定した飛行時間なんて10分ぐらいなものだからだ

あとは上昇と下降で機体が揺れて音たてて生きた心地がしないからだ

死ぬのがこわいのだろうか
 ....
フレドリック・ブラウンの死にいたる火星人の扉という創元社の文庫本
推理小説だが
彼には火星人ゴーホームという超絶な作品もある

火星年代記というレイ・ブラッドベリの名作

火星の赤い砂はア ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている

土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る

君は ....
ねぐせはなおさない
あんまりなおさない

はねっかえりの天然パーマ
したいようにさせておけ

校庭に 生徒を整列させるように
頭皮に 髪を整列させるなんて

そんなのナンセンス
ナ ....
胸に【 研修中 】の札
「 いらっしゃいませ 」と、深々としたお辞儀

ゆっくりと
「 一点、二点・・・ 」
声に出しながら
ミスのないように丁寧に

傍らには先輩社員
さり気な ....
僕達の世界は
連結された断片が
縫い閉じられた模様を織りなすタペストリー

つぎはぎだらけの時間を
つなぎ合わせて生きている

僕達の過去は
累積されない想いで満ち溢れ
飽和している ....
朝から僧侶が
歳末助け合い とかかれた登り旗を掲げて歩いていた

助け合え
助け合え と歩いていた

その脇で
道をはく老人がいた
うつむいて
ほうきを使う老人の
背に太陽が反射し ....
青く開いた空の深みから
一つ また一つ
無言の頷きのように
頬に
建物に
大地に寄せられる
ふわりと白い口づけ

それは
氷柱のように尖らせて行く
生ぬるい毎日の中で肥大した妄想を ....
Agains 

今年はじめての 雪でした
足の下に さくさく 
冬の音がする

雪のつめたさに
舌打ちしたり
みなが冬をきらうから
少しばかり 冬は意固地になっていたりするのです
 ....
駅でたくさんの人が下りたあとの座席に
包みが置かれている
忘れ物だ
ぼくはあわてて取って
フォームを歩いて
事務室にいって
遺失物の届出をしようとしたのだが
形のあるものでないと受け取れ ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ないもの_あるもの- HAL自由詩7*12-12-7
【_雑記_道について_】- 泡沫恋歌自由詩17*12-12-7
音のある部屋で- 石田とわ自由詩10*12-12-7
無線- subaru★自由詩17*12-12-6
朔_或いは静かな底で- そらの珊 ...自由詩2712-12-6
存在と錯誤- ただのみ ...自由詩28*12-12-5
タバコを一本- 凪 ちひ ...自由詩7*12-12-5
- もっぷ自由詩1712-12-5
ゴールド_レクイエム- そらの珊 ...自由詩712-12-5
からっぽの旅__- 服部 剛自由詩712-12-5
人は仮面をつけているから美しい- イナエ自由詩13*12-12-4
今日も- 朧月自由詩512-12-4
ぐっどらっく!- 乱太郎自由詩19*12-12-4
吾輩はペットである- そらの珊 ...自由詩1212-12-4
自由という不自由を感じる自由- イオン自由詩3*12-12-4
あした- 朧月自由詩312-12-3
雨の子- 月乃助自由詩9*12-12-3
給湯室にオレの悪口- 北大路京 ...自由詩3*12-12-3
だからこそ- komasen333自由詩2*12-12-3
自家中毒- そらの珊 ...自由詩16*12-12-3
飛行機がこわい- 吉岡ペペ ...自由詩212-12-2
火星の銀色の月- 梅昆布茶自由詩2112-12-2
しかくいせかい- まーつん自由詩11*12-12-2
もじゃもじゃ主義- まーつん自由詩8*12-12-2
何才からでも研修中- komasen333自由詩4*12-12-2
チューブウエイアーミー- 梅昆布茶自由詩1012-12-2
朝の道- 朧月自由詩312-12-2
冬に見つけられてしまうと- ただのみ ...自由詩18*12-12-1
FinAgains- 月乃助自由詩7*12-12-1
箱詰め電車- 殿岡秀秋自由詩912-12-1

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