夏の陽にやけた
見まがう
まっかな顔の 猿でした

林檎をさしだしたのは、 山女の手
それとも
猿のほうでしたか

やってきた
凍てつく冬の むごたらしさを
誰かに
ののしりたく ....
灰色

色の名前として
美しい文字と響きだな、なんて
音も無く降る雨をみる


静かに電線が揺れ
雨のせいなのか風のせいなのか
実りの無い事を考える


すべてがモ ....
枝毛さがしは
手軽な気分転換だった

枝毛をみつけては
はさみで英語のプリントに
切り落とす

一本の毛が
まるで
仲違いでもするように
なぜ別々の道をいくのか
理由なんて知らな ....
一瞬だったような気がした
永い一瞬のはじまりはじまり

{ルビ鳩尾=みぞおち}に酷く重い鉛玉を撃ち込まれて
浅い呼吸で酸素を集め
二酸化炭素を深く吐き出す
この作業をここ数日ずっと ....
キャッチボールがヘタだから
うまく投げれなくて
うまく受けれなくて

届かなかったり
違う方向へいったりで
じれったくてたまらない

そういう時に限って
  いつもかな
相手からは ....
まちじゅう
きらきら
こぼれる
ことば

ぶきよう
きよう
とりどり
あかり

すきも
きらいも
ほしふる
こよい

えみも
なみだも
きらきら
こぼれ

ゆき ....
きみがねむるまで
うたをうたおう
このよのふあんは
すべてわたしがたべよう
やすらなここちのべっどで
きみはすくすくそだつだろう
それをみて
わたしもすくすくそだつだろう
ははとして
 ....
誰かが
だましているんだなと思う
ぽかぽかとして
冬なのにこんなにあたたかい日は

だから
あたしは
まーだだよと言う
あわてて
かえるが起きてこないように

誰かに
だまされ ....
良い人は扱いやすさで軽んじられる
良い人は時に利用されて捨てられる
良い人はもてない分だけ深みが増す

男女交際において
良い人という呼称は決定的なダメージの象徴だが
良い人が好きだ

 ....
あしたも朝から会社だった

こころやからだを使う仕事だった

思考や感受性をフル回転させながら

自問自答や己の正当化をくりかえしながら

反省や確信を行ったり来たりしながら

お ....
エーゲ海の猫になりたい 君に飼われたい 夫婦喧嘩しながら
酒を飲む

楽しい酒ではないけれど
つまみのイクラを
一粒一粒舌で潰しながら
時が過ぎていく

その一瞬にも
互いの言い分が述べられて
これは生きてい ....
誰にも見えない虹が
君には見えるのだろうか

僕は何十年もかかって
ようやくおのれの目の中の
黒い雲達の正体が
おぼろげに
見えてきたばかりだというのに

僕の言葉は
発音した瞬間 ....
別に と
どっちでも
とだけ言っていた頃は
どこからみても子供だったけど
今よりずっとなんでも見えていた

待ちの姿勢のまま
何時間でも耐えることができていた

ともだちという言葉で ....
いい人なんて目指してない
どうせなれないってわかってるから

なのに
嫌われたくないなんて
どういうことなんだろ

空気みたいに
って
いい意味?
悪い意味?

ほんとうにズル ....
ひらがな、が落ちてくるように
迷いながら雪が降ってくる
日本にちりぢりになった
あ、い
どれだけのあいの組み合わせが
あるのだろう

やがて
あ、と、い、は
溶け合って境界線をなくす ....
冴え々え光る三日月と
冬の冷たい夜気の風
今一度(ひとたび)正常な神経を戻せるようにと
ただただわたしに降ってくる

(赤子が欲しけりゃ薬など
 飲まん方がいいんだけども)

あれほど ....
なくならない
昨日のむなしさも
紅すぎる夕日の色も
いつかみた映画の感動も
ありがとうっていわれてドキドキした鼓動も
失恋ノナミダも
やさしくしてもらったことも

あのときこうしてれば ....
僕の時間の砂が
指の隙間から零(こぼ)れ落ちる
さらさらさらさらと
零(こぼ)れ落ちる。

そのまま風に吹かれて
失われてゆく
砂の想い出

人生の終わりまで
掴(つか)んでいたい ....
愛と云う概念を言葉にしたものは
明治維新までは日本にはなかった

そのためツルゲーネフの小説
「アーシャ」に登場する女性が言った
「I love you」を「死んでもいいわ」と
三日三晩悩 ....
はじめから僕は登場人物ではなく
舞台の上を見上げ
憧れるだけの観客で

まもなく幕は下りるというところまで来て
なぜか華やかなカーテンコール
僕が不在の僕の人生
始まることのなかった ....
冬は突き放すような抱擁
軽くドレスの裾を振るだけで
白い吹雪が真昼を閉じ込める
冬は火傷するほど冷たいキス
サイドミラーの氷を指先で落とすと
風の中 君の声が聞こえてきた

子どものころ ....
何もかも、失ってしまった。





そう思えてしまった時には

自分の手のひらを、そっと開いて見てほしい。





確かに、その手のひらには何もないけど、

だけど ....
太陽 
月 
仏陀 
神 

(それらを含んだ風のしらべよ) 

わたしが昇ればあなたは昇り 
わたしが降りればあなたは降りる 
わたしが歩めばあなたは歩み 
わたしが止まればあな ....
だらりと垂れ下がった両足の 
Sさんが住む団地のドアを 
「おはようございます」と開けてから 
僕と同僚で、車椅子の前後を支え 
(重たい・・・)と心に呟きつつ 
がたん、がたん、と階段を下 ....
 きょうは月よう日。絵本教室の日だった。
 夏休みも、もうすぐおわる。あんなにうるさく鳴いていた蝉も、けさはとても静かだった。おかあさんは朝からいそがしく洗濯していたから、わたしも手伝うことにした。 ....
空を切り裂く
稲妻のような
赫い時を駆け抜けて

蒼く険しい道を
手探りで辿ってきた
背中には黒い影法師が
張り付いていた
コンクリートの孤独が
骨を溶かしていく

そして今は
 ....
かなしみを知る人の瞳に
映る光は
美しい矢を描く

夜を知る人の瞳に
映る光を
星と呼ぶ
いつか必ずなくなるさだめの
命もまた
美しい矢を描くだろう

天涯のあちらこちらに
美 ....
日曜日の夕方
群青色の冷たい空
閉じ込められたような

地平線の端がじわりと燃える

正解がないのは
どの道を選んでも同じ

世界を美しいと思うのは
積み上げられてきた
歪な歴史 ....
{引用=
「 月曜うまれの子は、器量がよい 」

             ―――――― マザー・グース





マザー・グース、 マザー・グース
お前はなんでも しっている
 ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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溜息- レイヨウ自由詩9*12-12-22
キャッチボール- 朧月自由詩412-12-21
サンタフル- 三田九郎自由詩2*12-12-21
やさしいうた- 小原あき自由詩8*12-12-21
かくれんぼ- そらの珊 ...自由詩19*12-12-21
良い人- 梅昆布茶自由詩19*12-12-21
いつか分かる日が- 吉岡ペペ ...自由詩612-12-21
エーゲ海の猫になりたい_君に飼われたい- 北大路京 ...自由詩11*12-12-21
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誰にも見えない虹- Lucy自由詩8*12-12-20
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ずるい言葉- 朧月自由詩212-12-20
ひらがな- そらの珊 ...自由詩28*12-12-20
月の子- 凪 ちひ ...自由詩10*12-12-19
なくならない。- じじ自由詩2112-12-19
時間の砂- ……とあ ...自由詩18*12-12-19
言えない愛- HAL自由詩8*12-12-19
僕を抜け出し- Lucy自由詩6*12-12-19
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【_色・いろ_】- 泡沫恋歌自由詩9*12-12-18
美しい矢- そらの珊 ...自由詩22*12-12-18
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月曜日うまれ- 月乃助自由詩812-12-17

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