赤く透き通った
血の様なワインを飲んでいる

酔っているので
詩は
書いてはいけない

酔っているので
なおさら書きたい

自制心が効かない時ほど
熟成しないまま
今すぐ
投 ....
小指姫



清水のはじまりを
そっと草をひろげて
ゆびさきで たしかめるとき
七夕の日の心の岸部から
あなたの冒険が 始まります

笹船に乙女がのることができるとしたら
親指姫 ....
リビングにおいた
鉢植えのシクラメン
水だけやって
かれこれもう2年
元気なんです
これがまた

冬の花だと思っていたら
去年の夏
狂ったように咲いていた
意地か
誇りか
はた ....
重ねすぎたら崩れてしまう
だから無口でいるの?
それとも私とだから?

黙っていても会話していると
おもいたい日常

空はどこまでが空?
だれも知らない問いを
心で想いながら
おな ....
扉を開けると
眩しい光が飛び込んで来た
どよめく喧騒に包まれれば
異国に迷い込んだ気がした

*

時計の針がふいに
真夜中を知らせる
堂々巡りの物思いに
いたたまれず朝が来る
 ....
 四季の巡り会わせに机上の万年筆は時を刻む。
 古びたノートから溢れてくる言葉達は
 オルゴールの音色と共に空間に放たれる。
 胸躍らせた他人の言葉に思い出が宿る。

 雨に濡れた紫陽花 ....
神様が作った骨の成り立ちを考えれば
猫背であることはとても自然な成り行きであるのだけど
猫背である自分をウインドウ越しにうっかり見てしまえば
あんまり素敵じゃなくて
ちょっとだけ無理をして背中 ....
はい 間違いございません
わたしが〝ラッキーストライク〟です
本家本元 
「首相投卵事件」以来
多くの有名著名人ばかりを狙った
スロウアンエッグテロリスト
今や多くの模倣犯が現れて
巷で ....
 
 
人が笑っている
マユミが笑っている
マユミは母
オサムは父
オサムは死んでいる
 
首を洗って待ていろ、と
テルヒコに言われ
二十年、首を洗って待ち続けた
首だけがただ
 ....
閉じ込められていた扉が開いて 一斉に流れ出す
群集に紛れる 安心感に包まれて
たくさんの孤独は 水族館の鰯になって
同じ水槽の中を 泳ぎ続ける 死ぬときまで


独り暗闇に潜んだ金魚の ....
毎日が当たり前でうめつくされているから
あらがうこともしないでいた
それをひとは逃げというだろう

水分をとらないでいたら
いけませんよ おじいさん
何度いってもとろうとしない
おじいさ ....
 なぜか通夜や葬式に雨が降っていることが多かった。
 人が死ぬということ、世界のどこかで雨が降るということは、あっけないくらいあたりまえのこと。けれど自分にとってゆかりのある人の死は、雨があがったあ ....
言葉はなぜあなたにつたわるのだろう
あなたの脳内で維持されている
概念に呼応する音声あるいは文字列を

話し手と聞き手が相互にいれかわりながら
違和もさしてなく理解できる不思議

中国の ....
6月、7月は雨降りばかりで
こころまで カビが 生えてしまえそうだから
せめて 陽気に 笑ってしまおう

たまには ワインなんかも いいんじゃないか
こころが酔えば たやすく 陽気に な ....
つぎはぎだらけの毎日の そんな単調な繰り返しに
あなたは 耐えてゆけますか?

ざらざらとした風が 喉にからみつき
そんな空気を 吸っては 咳き込んで
あなたは それでも生きてゆけますか ....
故郷の水産加工場で働き始めて二年になる
腹を裂いて 卵を取り出す
完全な流れ作業
嫌な仕事 本当に
だけどこんな田舎ではまだましな方
特に何ができるでもなく
コネがあるわけでもない
男相 ....
五段の醤油団子と七段のあんこの団子の
櫛が五本並んであって
隠れた山葵入り団子を探してみる
こころにもないものは
不味いものだと教えてくれた先生は
いまはいない
和紙に乗っかって
上 ....
溢れても 溢れても 
忘れても 忘れても
足りなくなることはない ありがとう



溢れても 溢れても
流れても 流れても
尽きてしまうことはない あいしてる



いつか ....
身籠って 産み落として
遠のいていった 円の扇子

縹色に染めた夜空を次元のフィルターに通して
オパールが形を整えてゆく 円から欠け円へ満ちる

側面と円柱と竹のよう

東へ西へ梯子に ....
みずから の
からだを つかいきった ら
今日は、からだぜんぶで 床を かんじてみよう か

床の飴色は頬に ひんやり 
水飴にもなれないまま 
わたしの良からぬ電気を逃がすように アース ....
双子だった祖母方のまたいとこはすこし胸が大きい
潤んだ神秘的な瞳は深くて
同い年なのに
大人に見える
意味深な暗号のように念仏がくりかえされるなか
むかし いっしょに あそんだはず ....
冷たい窓ガラスに
一匹のヤモリがいた
わたしとヤモリは
互いの存在を
ほんの一瞬で認め合う
空気がほんの少しだけ
動いた気がした
目が合ったのだよ
確かに
あの時

人間と虫
 ....
「食べる事は、最高の幸せ。」だと
病気の父を見て思う。

炊き立てのご飯と葱納豆。

よく噛んで食べて
完食出来るという事は
何よりも尊いと
味付けの薄いお粥を父に差し出した。

 ....
「人の、役に立つ事を考えなさい。」

ある晩
淹れたてのお茶をすすりながら
父は諭すように言った。

今でも
(何があるのか?何なのか?)を片隅に置いて
職場の受話器を取り
職場のパ ....
ひとつ足りないと
この団子は出来ません。

(あんこ・ごま・きなこ・ずんだ・醤油・みたらし・よもぎ。)

たくさんの味のものを食べても
お腹がいっぱいになったとは思えないのです。

「 ....
   ―歩いていたのは七〇年前―

前方は霧に閉ざされて
先導する人は見えない
が 上空に山の頂が透け
笛の音は聞こえる

山の頂き
そは 蜃気楼か 実象か
先導する者は知っていると ....
 
 
水のない駅でした
蝉の音がしました
産まれた日もあやふやなままに

服の端が揺れて
私たちは何か話をしました
並んでいました

指を伸ばせば届きそうなほど
影になるとすべ ....
私たちは
けものではない
なにしろ皮膚だ
つるつるである

けものの毛は
毛の物の意味

皮膚は弱い
すぐに血が出る
寒いし
すべるし
仕方なく
衣服をまとい
靴をはいて
 ....
――卵がない!
     よりによって

妻が亡くなってから 
最初の息子の誕生日
わたしは初めてオムライスを作った
息子の大好物
記憶の中の見よう見まねで
決していい出来ではなかった ....
雨だれになりたい

樋を伝って膨らんで落ちて

敷石の上で仄かに爆ぜる

細い雨だれになりたい



せせらぎになりたい

闇とも光ともつかぬ暗がりを抜けて

この世界の遥 ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
赤い酒- Lucy自由詩15+*15-7-7
小指姫- るるりら自由詩9+*15-7-7
シクラメン- umineko自由詩5*15-7-7
散歩する影- 朧月自由詩315-7-6
戸惑い- 未有花自由詩12*15-7-6
記憶- ヒヤシン ...自由詩6*15-7-5
猫背考- そらの珊 ...自由詩1915-7-4
『ラッキーストライク』__卵から始まるはな詩⑦- ただのみ ...自由詩15*15-7-4
薔薇- たもつ自由詩2015-7-4
電車- 藤原絵理 ...自由詩715-7-3
ねむりにつくまえのじかん- 朧月自由詩315-7-3
夜更けの紙相撲・今日もどこかで雨が降る- そらの珊 ...散文(批評 ...615-7-3
言葉- 梅昆布茶自由詩2015-7-2
雨の季節が、過ぎれば- 南無一自由詩115-7-1
世界は_すべて_美しい- 南無一自由詩115-7-1
『遡上の果て』__卵から始まるはな詩⑥- ただのみ ...自由詩18+*15-7-1
短歌- 乱太郎自由詩10*15-7-1
流動的なあなた_ありがとう_あいしてる- komasen333自由詩2*15-7-1
縹色の霊- 朝焼彩茜 ...自由詩14*15-6-30
みずから- るるりら自由詩19*15-6-30
血縁- 自由詩21*15-6-30
跳躍- そらの珊 ...自由詩17*15-6-29
反面教師。- 梓ゆい自由詩115-6-29
父の慮り。(おもんぱかり。)- 梓ゆい自由詩215-6-29
串団子。- 梓ゆい自由詩115-6-29
「ハメルーンの笛」に曳かれて- イナエ自由詩11*15-6-28
記憶- たもつ自由詩1115-6-28
ひふ感覚- umineko自由詩5*15-6-28
『年中行事』__卵から始まるはな詩⑤- ただのみ ...自由詩15*15-6-27
憧れ- 青井自由詩715-6-27

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