新緑
けやきの葉は太陽の陽をとらえきれず あたりを染める
ゆっくりと濃くなり
また 薄く変わって

芽吹きの痛みは 遠い記憶

君よ
新緑の明日を 君の森を走って行け

踏み出した ....
かちかちと歯を鳴らす音で目が覚める

なにか美味しいものを食べていた

食べても食べても太らない

溢れる色の塊

輪郭はおぼろげだが

齧ると硬くて脆いその不思議な感覚が

 ....
悲しくて

からだじゅうの細胞が泣いている

でも涙はでていない

がんばってるからだろう

あいつもがんばってるからだろう

涙は細胞にまかせたから

ぼくは目のまえのことにがんばろう

呼吸もいち ....
なにも 間違えじゃあなかった
自転車とは 自分で ころぶから自転車
自転車の練習をして みごとに こけたのは わざと だよ
わざと 痛い目にあってみただけさ
新しく自転車を買って その ....
目玉焼きの黄身が箸から崩れ落ち
食卓からも外れて床に落ち
砕け散った
バラバラのきみを
拾い集めては捨て
床の汚れを拭い取る
そして再び橋に向い
目玉の白目だけを食べ終わると
味気ない ....
アメリカ帰りの若い女教師はあきれたように言った
「水族館の水槽を見ていた若いお母さんがね 
 幼稚園児くらいの子に言ったの
 あのマグロ美味しそうだねって
「ぼくだって水槽の鯛や海老を旨そうだ ....
紋白蝶と
紋黄蝶が
八の字を描いてとんでいる

互いの色など
関係ないよととんでいる

あのひとは嫌いでね
と会話する私たちの上を

白と黄色の蝶は
とんでいった
わらいながら
後悔しない生きかたを選んで後悔している 切れ切れの
ビブラートが
君の内側に吹く
風の形を囁いた

痛みのような
ブレスが
君の内側を巡る
水の温度を呟いた

耳ではなく
皮膚の下の
毛細血管の先端で
僕はそれ ....
小六修学旅行京都八坂神社
昔ながらの雰囲気のある
土産物屋に無造作に掲げられる
最中の二文字
ひらひら軒下にゆれる
人気のなさが胸を打ちはじめる

さいちゅうって
なんのさいちゅう
 ....
ツツジの花が
赤白赤と
クラッカーみたいに咲いていました

祝福も歓迎も
されていないのかもしれないけど
道の端にずらっと
クラッカーはならんでて

ぱーんと
紙吹雪がでてくるよう ....
ポケットから取り出した 
懐中時計が、暖かい。 

妻の贈りものの蓋を開け 
秒針の刻む、時を視る。  

僕は今、在りし日の詩人の書斎で椅子に座り 
木目の机上をスタンドの灯が照らして ....
熱血上司は耳をまっ赤にして 
デイサービスのお年寄りを
皆送り終えた、スタッフの中へ 
ふつふつとやって来た。 

「なぜ敬老祝いの紅白まんじゅうを 
 ○○さんに届けないいぃ…!! 」  ....
ごろごろ、ぴか、どかーん 

遂に熱血上司の雷が、頭上に落ちた。 
焼け焦げた姿のまま、そろ…そろり 
逃げ帰ろうと思ったが 
見えない糸に背中を引かれ 
くるり、と引き返す。 

熱 ....
黒板にくりかえし
書いては消されるチョークの文字を
私たちは書き写した

文字は
やがて白い粉となり
先生の足元に降り落ちた

粉となる前に
書きとめなければならなかった
この手に ....
{画像=130502232622.jpg}

 煮物 少しは作れない

 煮物 引き立て合うのが良い

 煮物 個性が個性を邪魔しない

 煮物 文句を言ったって同じ鍋

 煮物  ....
柔らかな春光に制限のない自由をもらう 棘のない世界 風を吸い込む

この世界を命名したものを想う いや名前さえも要らないそのまま感じればいいさ

本当は物事に境界はないのさ 便宜的に物事は区分 ....
幼稚園のとき

ぼくはまだ透明なまま

この世の不平等に

まるごと理不尽を感じていた

小学生のとき

ぼくはまだ型通りのまま

真実はひとつ、だと

冤罪を晴らすかのよ ....
黄色の帽子をかぶった一年生が
朝の登校の集団に 交じっている

今時はピンクのランドセルもあり
小さな背中一杯に背負い込んでいて
初々しさに 車を運転しながら
自然と微笑み 見ようとしたが ....
どうしても海が見たくてしかたない時は
海の すぐ傍にまで行くか
それとも
あえて離れた場所に立つ
たとえば山を削った住宅地のはずれの公園
ゆるい長い坂の上から
遠く見る海は
白い岬をした ....
せっかくの天気なのにバイクがパンク
すぐ近くのバイク屋さんにかけこむと
オートバイがたくさん詰め込まれている

車体の骨組みだけのもの
部品が飛び散ったスクーター
似たようなハンドルやライ ....
絵画空間
言葉による現実認識
目の当たりにする現実の
非現実的な風景

土台が剥き出しの広大な廃墟
コンクリートの心象の
風景と言うには殺風景
埃にまみれた野草が茫茫
土埃の薄くかか ....
与えるふりして奪うえごいすとよお前の美学を教えてくれ

鏡をみて対峙するのは簡単だえごいすといつもの手口で泣いてみろ

自由を持たないえごいすとただ粗末な己れも知らずに意気揚々と勝ち名乗りでも ....
二本の渦の樹
鳥の声にまたたく
河口の骨の陽
波に波を描いてゆく


誰もいない路地をちぎり
原へ原へ撒いている
やがて生える光
水をまさぐる葉


消えてはお ....
鳥山が立つとき
海の深層には
おおきな迷いが泳いでいる、と
あの日 あなたは教えてくれた

あなたの育った長崎の海は
いつも
あなたを包み込んで
すべてを許し 微笑んでくれた
そんな ....
傘をさして外に出れば

藍色の灯火が揺れている

深海魚のまなこの奥に眠る

遥か太古の記憶が

生温かい雨粒と一緒にこめかみを撫で

息がとまる

藍色の雨が深く私を染めてい ....
タイムマシンに乗って同じ過ち 古いアルバムをひろげ
遠い国の人を見つめるように
父や母の写真を
一枚いちまい確かめている妹よ
おまえを世に残して消えてしまった母の
記憶がないからと言って嘆かないでくれ

 ぼくの ....
タンスの上置き 小引き出しの奥深く
潜められていた桐の小箱
黒ずんだ表面に彼の名が沈んでいた

初めて見る彼自身の臍の緒(へそのお)
波立つ胸を押さえ 箱を開く

 母はこの管を通して
 ....
                     
 
ひんやりした部屋の鴨居(かもい)
黒い額縁の若い女に寄り添った老人
の真新しい写真に目をやり
タンスの引き出しを開ける
引き出しいっぱいに満 ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
新緑- ぎへいじ自由詩21*13-5-5
かちかち咀嚼- 灰泥軽茶自由詩5*13-5-4
がんばってる- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...813-5-4
【始】転んだ日__- るるりら自由詩22*13-5-4
朝食- ただのみ ...自由詩20+*13-5-4
水槽の魚は美味しそう- イナエ自由詩9*13-5-4
八の字の蝶- 朧月自由詩313-5-4
後悔しない生きかたを選んで後悔している- 北大路京 ...自由詩913-5-4
- nonya自由詩15*13-5-4
まさかの最中- 灰泥軽茶自由詩6*13-5-3
ツツジクラッカー- 朧月自由詩413-5-3
詩人の書斎_- 服部 剛自由詩8*13-5-3
まんじゅう事件_- 服部 剛自由詩4*13-5-3
夢の絵_- 服部 剛自由詩3*13-5-3
白い文字- Lucy自由詩10*13-5-3
煮物- ドクダミ ...自由詩513-5-2
自由幻想行- 梅昆布茶自由詩10*13-5-2
まるごと- 吉岡ペペ ...自由詩313-5-2
花の傘_雨道に- 砂木自由詩13*13-5-2
遠くから見る- Lucy自由詩16*13-5-2
町のバイク屋- 灰泥軽茶自由詩4*13-5-2
抽象画- ……とあ ...自由詩9*13-5-2
えごいすと- 梅昆布茶自由詩613-5-2
ひとつ_いつわり- 木立 悟自由詩313-5-2
鳥山が立つとき- 草野大悟自由詩9*13-5-1
藍色の雨- 灰泥軽茶自由詩5*13-5-1
タイムマシンに乗って同じ過ち- 北大路京 ...自由詩1913-5-1
儀式番外_父の忌明けに- イナエ自由詩6*13-5-1
儀式4_転生- イナエ自由詩7*13-5-1
儀式3_追葬- イナエ自由詩6*13-5-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256