突然
中1の長女が私の単身赴任先のアパートに転がり込んできた
つまり家出だ
終業式まで後2日

どうしたんだ?

  洗濯 掃除 ご飯の支度 
  全部やるから ここにいさせて
   ....
【五色の指】

靴下を履かせた
五本の指に それぞれに 五色の靴下

おやゆび        りっぱ
ひとささんゆび     させないよお
なかゆび        めだたないよ
くすり ....
太った幽霊見た太ってた太ってた たらいといっしょに回されている 産まれた時は みんな真っ白い心で
余計なものを何も持たず
求めることはただひとつ お母さんのこと

子供の時って 目がとてもきれい
真っ直ぐな気持ちで 自分に正直に 手に入れようとする
手 ....
檻の中に
いるのだとおもった

どこまでも許しを必要とせず
満たされつづけるような
海に吹かれて

さびしさを紐解けず
絡まっていた



慣れてしまえば
失うことは ....
この夜道をいつも緩やかに漕いでいると
鼻の穴から嬉しそうにメロディが
街灯も少ない住宅街に響いてゆく

今日は紅色夜月の下小雨も降って
うっすら花粉が舞っているのに
紅色提灯垂らした石焼き ....
蟄虫啓戸
すごもりのむしとをひらく


ギィっと
闇に穴が開くと
部屋は一瞬で眩しさに満たされた

クラっと
意識が旋回して
しばらく身動きが出来なかった

何の理由も告げ ....
********
真珠秘話
********

海に照り返された日射しだけが 剥離し球体になって昇っている
あれは、太陽なのか。
美しい白銀の オパールに私を変える
変色しつ ....
春が降り注ぐ
固くこわばった雪山に
冬の汚れをこびりつかせ

シャーベットに足を取られ
車が跳ね上げる泥水に
コートを汚され

春が降り注ぐ
微笑がこみあげる

春が降り注ぐ
 ....
スーパーは
冷房がききすぎて寒い
明日の朝食のパンとか卵
冷凍食品もすこしだけ
夫と娘が銭湯に行っているあいだ

100均は9時でおしまい
手持ち無沙汰だったから
隣のハンバーガー屋に ....
捕まえられた殺人犯は
群がるマスコミ関係者に向かい
マスクをずらし
何か 喚いた

「あっ、彼が何か叫んでいます。
なんと言ったのでしょうか?
ちょっとよく聞き取れませんでした・・」
 ....
三月の晴れ間に舞う
ひとひらの冬

勢いもなく
威厳もなく
すぐにもそれは解けて

どこから来たの、
どこへと行くの、
たずねるいとまも無く
お別れになる

けれど、
 ....
人と争った後は
自分の中から
大事なものが
抜け落ちて
取り戻すことが
出来ないような
後悔と
いうほどでもないけれど
薄ら寒い風が吹き抜け
埋められない
空洞

一緒にお茶し ....
やがて
頭で考えても 予想できない順番で
クロスワードパズルに穴が開くように
時が 埋められ
確実に 君が、この町を去る。
すべてを
祝福に変えるレッスンが、始まった。

 ....
不意にこころに訪れる黒い種

夜道で
声をかけられる
ぼくの横隔膜が振るえ
喉まであがってきた声がつぶれる

職場で
背後から近づいてきて
落ち度を探る視線の先が
サンダルを履いて ....
傘折れたまま濡れっぱなしの煩悩 ありがとう
ごめんなさい
あいしています

ともうひとつを呟いて

にくしみや
せつなさや
あのひとを

まっしろたいらにしたら

じぶんもすきで
ぐっすりねれて
世界もや ....
春の日射し
山間の里
富士の清水の恵みを人々に振る舞う
酒蔵の蔵開き
心に沁みる酒
わさびと酒粕のかおり
皆の笑顔と笑い声

一年振りの再会は
社交辞令の欠片もなく
互いに肩を ....
 
髪を切りました、ばっさりと

決別です

春です、今日からわたしは



 
持ち上げては
こき下ろす
嘘をつかない人間はいないのだが

良い目を見たから許せないのか
騙されたから許せないのか
自分の嘘はばれたくないものだが

真実を追求する
マスメディアもか ....
遠い海鳴りに揺れる芝の浜に
過去を彫りつけて並ぶ墓石 
刻まれた家名は
未来から押し寄せる期(とき)の飛沫に
輪郭を失い昔話の中へ透けていく

たとえば 祖父の掲げた鬼灯の
赤光に浮 ....
梅便りダウンのなかのホッカイロ


風の名のいろとりどりに春来る


朝まだき恋する猫の散歩道


春うららタンポポですと名乗る君


御宿の二人と駱駝に春の風


空が ....
春の柔らかな外套はいらない
寒風をしっかり遮る重いコートが欲しい

凍てついた大地を確実に踏みしめる足と
流れる雲をよみとる眼差しを

桟橋に繋留するための無骨な舫い綱あるいは
海底ふか ....
寝ぐせはゆめの死顔
つまらない
ゆめの


微熱を帯びる新聞紙を
鼻先に近づけ
一日の予言を受けるように
朝を吸い込む

行方不明の飛行機
アイドルの恋人
どうでもいい
 ....
餞(手なずける、価値を洗う)

掛けねを外せば、
誓った小指の奔流がしぶきをあげて
耳の浜辺に打ち寄せてくるのなら
瘡蓋も指輪も剥がしてむせび泣こう

信頼が断罪されるさまを
私秘の傍 ....
チミ!
今度の研究のテーマは
「道に迷った認知症の方が家に帰れる方法」にしよう

え〜 社長
それって うちの商品に関係ありますか?
そんなことをしたら
お金をドブに捨てるようなもの ....
よばれた気がしてふり返る、と
案の定だれもいない

もう
幾度となく通いつづけた道の途中で
わたしは今日も花を咲かせる

いつかまた
不意に、懐かしく
わたしの足を止めるだろ ....
正直になんてならないほうがいい
ほんとうのことはあぶないから

手は口ほどにものを言う
うかつにひらひらさせないで

くちびるどうしてすぐ乾く
いえない言葉が熱いから

正直だった頃 ....
猫のヒゲふるわせてとおるやんちゃな風の春

春の音木の芽の薫り日向に干したせんべい蒲団

いいことがあったのよと三度目の電話僕にはないけど

分解された春をまた組み上げるそんな季節のちから ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
掛け布団- ichirou自由詩20*14-3-19
ひとあし_おさきに_三部作- るるりら自由詩13*14-3-19
太った幽霊見た太ってた太ってた- 北大路京 ...自由詩514-3-18
たらいといっしょに回されている- 北大路京 ...自由詩414-3-18
お母さんの声- 葉月桜子自由詩1*14-3-18
もとめる原理- 千波 一 ...自由詩114-3-18
夜月と芋屋- 灰泥軽茶自由詩414-3-18
蟄虫啓戸- nonya自由詩17*14-3-18
はちきれんばかりの_おもいのままに_三部作- るるりら自由詩9*14-3-18
春が降り注ぐ- Lucy自由詩17+*14-3-17
背筋- 弓夜自由詩4*14-3-17
言葉- Lucy自由詩9+*14-3-17
ひとひらの冬- 千波 一 ...自由詩814-3-17
人と争った後は- イナエ自由詩7*14-3-17
匿名の春に、卒業と_名付けよう。三部作- るるりら自由詩4*14-3-17
不安は詩の母である- 殿岡秀秋自由詩614-3-17
傘折れたまま濡れっぱなしの煩悩- 北大路京 ...自由詩614-3-16
ポノポノ- フユナ自由詩8*14-3-16
蔵開き- ichirou自由詩13*14-3-16
決別です- 殿上 童自由詩19*14-3-16
嘘つき- ただのみ ...自由詩25*14-3-16
メモリアルパークにて- イナエ自由詩9*14-3-16
ごおしちご「春」_(二〇句)_1- もっぷ俳句414-3-16
冬のコート- 梅昆布茶自由詩2514-3-16
新聞紙- 末下りょ ...自由詩3+*14-3-16
◎餞- 由木名緒 ...自由詩10*14-3-16
5年後のある会社のお金の使い道の話- ichirou自由詩9*14-3-15
時が咲いている- 千波 一 ...自由詩414-3-15
正直もの- 朧月自由詩214-3-15
猫のひげと春- 梅昆布茶短歌1014-3-15

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