秋空の下に集合した夏の言葉が
口笛で
いつかの春に反射するから
風は今日も
それらを含んで
ざらざらしているよ。
優しい歌ではないからね、
この口笛は。
ほら、すこし前に、
セミが奏 ....
少年時代 
今とは違う奇妙な生き物だった


そのころ家の近くには古い寺があり
髪の毛が伸びると噂される少女の人形が納められていた
人形を実際に見たことはなかったが
子どもたちが人形の存 ....
「この手術は何しろ心臓をいじるのだから
 一00パーセント安全だとは言えない
 まあ 三パーセントほどの危険でしょう

 《ディスプレイでは
  心臓を取り巻いた毛細管が
  赤いイトメの ....
 群青色の空高く 浮かんだ月は艶かしくて
 女体の中心を穿つ臍のようだ。
 月に向かって両手を重ね
 ゆっくり優しく愛撫する。

 時間をかけて湿った月の柔肌を
 私はもう愛さない。
 ....
地軸のかたむきが季節をもたらすように
こころのかたむきは炎のまわりを公転し
くるくると自転し陰翳を刻みつづける

同乗したドライバー仲間と
仕事は5月と10月がいちばんいいね
あとは暑いと ....
そらが ぬけて
やまが 切り取られたかのように くっきり 
やまぎわの空はしろく 天頂は限りがない

あきいろの あかねは
だ円のつぶらな目で ぬけたそらをみている

なんて  ....
子供のころ
父の話を聴く時は正座をさせられた
兄弟で並んで正座した
肩こりの父親の肩をもむ時も正座していた


母方の親戚の葬儀の時
肩が凝ったと言い出した父を
正座をして身体を揉んだ ....
冴え渡る青一色のそら
家々の屋根は
くっきりと尖り

わずかに色合いの違う木の葉も
それぞれに自己主張する

一枚一枚のさようならが
鮮やかに翩る
秋の日の真昼
三途の川で溺れている  
青空にぷかぷか浮かぶ雲が 好き

頬をなでるおだやかな風が 好き

そんな好きを背に洗濯物を干すあなたが 大スキ!



 
かぜが
ここよここよと
ささやいている

こっちだこっちだと
よんでいる

どこ?

ぼとぼと
がさがさ
どんぐりが落ちるたびに
音が
響きわたる

響きが増殖して
沢 ....
学校帰りの女の子がふたり
ひとりはピンクのパール系ランドセル
ひとりは水色でステッチが入っている
驚くほど洒落たかわいい服を着て
(これは昭和の感覚 たぶん)
さえずりは巣の中の雲雀の卵のあ ....
昨日のことはよくわからないけど
明日のことなら思い出せそうな

シャンプーみたいな朝です

高校生は修行者のように林間に列をなし
小さな耳に枯れ下がるイヤフォーンと
丸い掌に膨れ上がるケ ....
絶滅危惧種のような気分のときは
おもわず星を探している

頭の中が明瞭に区分けされないまま
時計の針は行ったり来たり

姿の見えない人々は
あちこちでちいさな吐息をもらす

拡散する ....
ドラッグストアの棚に並んだ
石鹸の類い
これでもない
あれでもない
おそらくどこにもないのだろう

探している香りは
高電圧のくしゃみのように
蒸発してしまって
世界のどこにも、ない ....
濡れて帰った鞄から折り畳み傘 思い出した
思い出してしまった


宵の寒空
その底に沈む空気を吸って

木枯らし

髪は乱れ
呼吸は出来ない
内臓を風が通り抜ける感覚
僅かに揺れる身体

静けさ ....
淡彩の日常
点描の細かな作業で生きて行く

萌黄色から浅葱色に
いのちを明滅させる蛍

人や物
言葉にぶつかりながら生きる
自分とも

いつでも陰影を想うのです
単純で複雑そうに ....
百合の蕾 ペリカンの嘴にしか見えなかった
百合の姿は馨りだけで 十分 部屋の壁を越えて漂ってくる
魔性の女にも見える 謝罪は本質を見抜いた時にする

今は葬儀で頂いた貴女を花瓶に挿すくらい ....
動くものなら
食べてしまうその本能を
罪ではないと
あなたがいう

あわただしい
交尾のあと
わたしが捕まえるより早く
どうか逃げおおせてください

大きな腹を抱え
一晩かかって ....
海底が隆起し水位が下がって
エベレスト界隈が空中に生えた頃
ナマズは汽水に放り込まれて
激烈な減圧に体を硬くしていた

それから雨が際限なく降り
雷鳴をも呑むほどの洪水が引いた頃
ナマズ ....
昇天したくなるような
空一枚 鉤裂きにして


「おまえもおんなじ
       襤褸だねえ


握りしめた石ころ落とす 
脆弱な意思の皮袋


かけはぎなんかいらない
ミシ ....
普く再び出会えることを 光栄に想う 空を見上げ
陽だまりの隅に主人公だらけの透明の雪の空気の生き物の気配

季語を埋め尽くし 散りばめ 
躊躇いのない誉 四季うとうと静かに弾んで 胸を掴む
 ....
赤い糸たぐり寄せて見なかったことにした 【青が崩壊する。】題名は あまさらさんです。


こんこんと 混沌
どくどくと 清濁入り乱れ
大地と空が 激昂する
相容れない物どうしが交信しようとして
雨戸を叩く

夜の闇に
 ....
僕の帰りを待つ妻と子のため自転車飛ばす

一人きり歌いながらお腹空いたと呟きながら


街灯で薄明るい公園の脇 自転車飛ばす

何処かから漂ってきた誰かのためのカレーの匂い


片 ....
少し離れた椅子に座って
家族の談笑を聞く
妻の伸びた髪 子どもたちの長い脚
ぼくの指先に 笑うニーチェ

汚れた携帯ストラップが揺れて
家族に笑顔がこぼれる
振り向く妻 立ち上がる子ども ....
上京して赤信号で渡ったら 叱られた
コンビニにまで 「並びなさい」の、
足型マークが付けてある

お金を払わなければ 何処にも行けない街が
嫌いになるまで 居たかったのは
この街 ....
うまれてからずっと
うまれあっている

きみはこどもとして
あなたはおかあさんとして
ぼくはおとうさんとして
はんとしまえにここにうまれた

うまれたものがふくらんで
ここにもそこに ....
日々の暮らしの
吹き溜まりから
洒落た記号を
掘り出して
綺麗に並べても
何処にも響かない

吹き溜まりに
手をつっこみ
すくった想いを
雪玉にして
無防備な背中に
ぶつけ ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7649)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
比喩のない町- 左屋百色自由詩11*14-10-21
精通- ただのみ ...自由詩18*14-10-21
一〇〇パーセントの死を先延ばしできる確率は?- イナエ自由詩7*14-10-21
月の夜- ヒヤシン ...自由詩8*14-10-20
ある四季- 梅昆布茶自由詩1614-10-20
あかね- るるりら携帯写真+ ...22*14-10-20
正座__/__想い出した情景- beebee自由詩2414-10-20
透明度- Lucy自由詩17*14-10-20
三途の川で溺れている- 北大路京 ...自由詩514-10-19
大スキ- 殿上 童自由詩17*14-10-19
山の秋- Lucy自由詩13*14-10-19
並木に沿って小さくなる背中- ただのみ ...自由詩17*14-10-18
昨日のことはよくわからないけど- オイタル自由詩6*14-10-18
小景- 梅昆布茶自由詩1414-10-18
かりそめ- そらの珊 ...自由詩1614-10-18
濡れて帰った鞄から折り畳み傘- 北大路京 ...自由詩514-10-17
独りきりを思い出す- 凍月自由詩14*14-10-16
- 梅昆布茶自由詩1114-10-16
沈黙の百合- 朝焼彩茜 ...自由詩16*14-10-16
じょろうぐも_【詩人サークル「群青」_九月のお題「悩」への提 ...- そらの珊 ...自由詩14*14-10-16
ナマズ- salco自由詩1714-10-15
顏もないのに笑ってやがる- ただのみ ...自由詩20+*14-10-15
霜降- 朝焼彩茜 ...自由詩11*14-10-15
赤い糸たぐり寄せて見なかったことにした- 北大路京 ...自由詩514-10-15
とりつくしまという名前の島での物語_オムニバス三篇- るるりら自由詩8*14-10-15
寒い夜道を自転車飛ばす- 中村 く ...自由詩6*14-10-15
少し離れた椅子に座って- オイタル自由詩5*14-10-14
ネズミ- 為平 澪自由詩13*14-10-14
ハーフバースデイ- 中村 く ...自由詩3*14-10-14
おもいのおと- nonya自由詩21*14-10-14

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