ベランダに出る
たばこを取り出す
火を付ける
煙を吐いて見上げた空

ぼんやり白い雲
切れ間に
オリオンの三つ星が
行儀良く並んでいる

カーテンから漏れる居間の光が
隣の家の壁 ....
いたいの、いたいの
とんでいけ

大三角に
ぶつかるくらい

おおぐま、こぐまに
ぶつかるくらい

高く
みごとに
のぼりつめたら
今度は
はげしく
おちてこい
 ....
白いシーツ

白い枕カバー

白い天井

硬いベッド

朝が白々明ける頃には

私の心も
漂白されて

窓に
雪の港
鮮やかな海の青
去年の夏、シャボン玉を買った。
きいろい麦わら帽をかぶった
ピンク色の象のかたちをした容器。
旅先の雑貨屋で見つけて
近くの河原であそぼうと思ったけれど
その日は、あいにくの雨で
バッグに ....
帰る家があって蹴れる石ころ   煙草屋のわきに
  ポストがたっている
  阿呆みたいに



  屋根をつたって
  落ちてくる雨だれをうけ
  それは錆びてしまっていて
  もう誰も近づいたりしない ....
電話で予約してリムジンも手配して
態々サヴィル・ロウ15番地の
ヘンリー・プールまで赴き
スキャバルの服地で創ったオーダーメイドの
スーツに身を固めトゥールダルジャンで
まずアペリティフにド ....
海とよく似た青いパンプスが欲しい
女の子は 愛に生き 愚痴を喰らう

すこし綺麗でいたいと思う
化粧をおぼえて 誘うことをおぼえる
何処で習ったのかは 自分にもわからない

遺伝子のなか ....
さみしいアスファルトに薄い雪化粧
その上にきりとり線を描いてゆきます
おなじ歩幅で 一直線上に
きりとり線を描いてゆきます

振り返らない足あとは
戻らない昨日によく似ている

 ....
ムカッと腹が立った時
握りしめる その拳
そいつで一発殴っていいですか?

ゴミ出しルールを守らない
近所の主婦
どうして生ゴミの中に
プラッチックと缶を混ぜるのよ

だから違反ゴミ ....
呼び声はまだ
きえてはいない
癒えてはいない

たずね人はまだ
絶えてはいない
やんではいない


ましろな雪は
ゆめの燃えがら
はる待つ
まくら

かたく一途 ....
小学校のとき春のことを

春の感じを

ぱっぷくどんって呼ぶのだと知った

理科じゃなくて国語で

国語の教科書にのってる詩のことばだった

だからこのみずみずしい不安や

ぽ ....
都会の人々が
いっせいに蝋燭に
明かりを灯したその夜

ひとつの灯が
消えた

わたし…
それっきり
くちびるは動こうとは
しなかった

友人の一人は
彼女の瞳は笑っていたと ....
薄茶けた昭和の古書を開いて 
ツルゲーネフの描く 
露西亜の田舎の風景から 

農民の老婆の皺くちゃな手は 
搾りたてのぶどう酒が入った器と 
焼き立ての丸い{ルビ麺麭=パン}を 
時を ....
何も問わず
静かにそばにいて
開くといろいろ語りかけ
連れて出してくれる
風邪のときも
不機嫌なときも
どんないでたちで
こころずまいでいるか
何ひとつ問うことなく
僕がどうでも
 ....
雨の降る公園で 
ずぶ濡れのまま、しゃがみ 
小石を手にした少年は 
地面に絵を描いていた 

通りすがりの僕は 
吸い寄せられるように、公園に入り 
少年の傍らに、しゃがみ 
すっぽ ....
手をつないだら
あなたが見える
まあるい瞳で
わたしをゆるす
あなたが見える


手をつないだら
あなたが聞こえる
ひみつの言葉で
わたしを結わう
あなたが聞こえる


 ....
死ね
死ね

呪いの言葉を吐くよりも
ありがとう
生きて

希望の言葉を伝えたい
それが自身と他者を
生かす道だから
それが生き抜いていくための
智慧だから
言葉は不思議
 ....
上へ
上へと伸びてゆくもの
下へ
下へと伸びてゆきたがるもの
いのちを生み出すために
細い指たちは
指切りを繰り返し
相反するからくりを育む

そのなかほどの混沌で
わたしは
ひ ....
各駅停車で、春に向かう



このあたりは 四十年前より 毒々しい
昔はこの辺りのことを 武蔵といった
私は相変わらず 色白だ
恋人の八雲が人間の女にネコババされるのでの時間を ....
      賽の目に
      切りながら
      豆腐一丁ぶんの
      愛がほしいと
      てのひらで
      哀しみが
      揺れる夜

 ....
ちいさな駅で見送った
あなたの笑顔は
まっすぐでした

こころ細さに折れそうな
わたしの代わりを
つとめるように

あなたの笑顔は
まっすぐでした



とおく、
遮断 ....
とても残念なことだけど
過去に戻れるタイム・マシンも
人生をやりなおすリセット・ボタンもない

ただ慰めにしかならないだろうけど
もしかしたら敗者復活戦はあるかもしれない

もしなかった ....
母さん
ぼくは思いだしました
まだ若いあなたの
細くも強いその手にひかれて夏
緑に燃える蜜柑葉をくぐりどこまでも道はつづいていました
おばあちゃんのお家までねと
暑くて永い昼下がり
眩暈 ....
海にも道があるよ
みえないだけで
空にも道があるよ
しらないだけで

そこを渡っていく者がいたよ
こちらと
むこうをつなぐ
透きとおった
{ルビ間=あわい}、で
分かれ道に
大きな石が
転がって いるらしい

旅人に 出会う度
石は 揺れて
案内人と 鳴る

雀が ピーチク 笑えば
楽しい 旅となる
鴉が カーカー 嘆く時
一体 どうなる ....
託児所に息子を迎えに行くと新しく来たと思われるこどもにジロジロと見つめられた。

ぼくが肌の色のちがうアフリカ人だからだ。

コンビニの明かりに照らされたりしながらぼくは息子と家路をたどる。
 ....
冬枯れの頼りない細木

足下を行き交う命

土くれの闇から水脈は空へと伸び

諦めかけたものから いまいちど

清らかなものが生まれいずる 予感

雲ひとつない空 薄く延びた青
 ....
しだいに平らかになっていく墓土
それを横目に私は育った
古い先祖の亡霊と共に
農家の閉ざされた奥座敷で
手足ばかりを黒光りさせていた祖父は
私ひとりの暗い人間準備室の棚に
「元教師」とラべ ....
 「きみ」  乱太郎

どこかで会っているよね
そんな問いかけをしたくなった
きみの黒い瞳

いつだったか呼んでくれたよね
そんな昔話しを思い出したくなった
きみの褐色の肌  ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬の蛍- イナエ自由詩513-2-14
うつしみ- 千波 一 ...自由詩713-2-14
白いベッド- Lucy自由詩21*13-2-14
冬のシャボン玉- sample自由詩5*13-2-13
帰る家があって蹴れる石ころ- 北大路京 ...自由詩713-2-13
ポスト- 草野春心自由詩7*13-2-13
幸せとは- HAL自由詩7+*13-2-13
女の子- 川上凌自由詩9*13-2-13
きりとり線- 川上凌自由詩5+*13-2-13
【_一発殴っていいですか?_】- 泡沫恋歌自由詩15+*13-2-13
冬枯れ- 千波 一 ...自由詩1013-2-13
ぱっぷくどん- 吉岡ペペ ...自由詩1213-2-13
小鳥- 乱太郎自由詩22+*13-2-12
老婆の麺麭- 服部 剛自由詩8*13-2-12
- 三田九郎自由詩5*13-2-12
ペガサスの瞳__- 服部 剛自由詩3*13-2-12
手をつないだら- 千波 一 ...自由詩5*13-2-12
形と力- 渡辺亘自由詩213-2-12
ひばりへ- そらの珊 ...自由詩16*13-2-12
各駅停車で、春に向かう- るるりら自由詩17*13-2-11
賽の目- 石田とわ自由詩18*13-2-11
残されたもの- 千波 一 ...自由詩5*13-2-11
架空話よりも- HAL自由詩9+*13-2-11
夏の日の思いで- 乾 加津 ...自由詩30+*13-2-11
あわい- そらの珊 ...自由詩1213-2-11
ロック_クライミング- 藤鈴呼自由詩2*13-2-11
看取り(1)- 吉岡ペペ ...自由詩1613-2-11
レジャーシート- 三田九郎自由詩113-2-11
福音- マチムラ自由詩2*13-2-11
「きみ」「あなた」- 乱太郎自由詩10*13-2-10

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