フランクルの「夜と霧」の頁を閉じた後
卓上のプラスティックのケースにぎっしり入った
何本もの砂糖達の、頭部に
強制収容所につれ去られる人々の
血の失せた顔が一瞬、浮かんで見えた――

両親 ....
       そのとき、
       とおくがみたいと
       そうおもった

       朝と夜のはざまで
       そのひとは背中を向けていた
       けむ ....
いつもカメラにフィルムを入れずに
写真を撮るのは
大切な一瞬の
記録を拒絶しているから

それでもシャッターを切るのは
シャッター音とともに
大切な一瞬を自分の記憶に深く刻むため

 ....
冬の子どもたちが
落ち葉のマントを纏って
手をつなぎ
かごめかごめをしている

誰かが
あっちだ
と言って走り出すと
手をつないだままで
一斉に駆け出していく

遅れた子を 心配 ....
青空は生物の息ではないかしら
すてきというまえのうっとりとした
それから
ミルクの入ったガラスのコップをおとして
わってしまった時の悲しみのしみる
それからまた
ごちそうさまという ....
妖しく燃え立つ大地の
白く輝ける夜更けに
 残忍な、
神々の祝祭が終わると、

廃墟に零れた
紅い 涙の滴りを吸って
 一輪の、
ことばの花が咲いた

その名は、わたしたち
生け ....
両の眼の平行線が二人を射抜き 行きつ戻りつ 
熱を持った細胞が身体を離れて蒸留する

新たに生まれる神秘性を持つ、そのものは幽かな産声をあげる

どちらの魂に矢を射るのか

射られた ....
爪を噛んで捨てたところで殺人事件が起きた 山道は
うつらうつらと 川のように曲がりくねり
日差しが 折り紙の 折り目のよう
知識の折りたたまれた場所に
潤うしい硯の前に 座ろう



花は、テーブルにひとつあれば いい ....
  静脈血が 三日月の光を跳ね返しながら
  ながくほそい道を決められたとおりながれてゆく
  運命はそこかしこに石のように置かれ
  時々、砂をかぶって見えなくなる



   ....
誰もケガしなくて
よかったね

冗談じゃない!
愛車を路肩でこすったじゃないか


こんなにボーナス出て
よかったね

冗談じゃない!
あれだけがんばったのに これっぽっちか
 ....
あなたに言葉を伝えたときのほとんどは
誤解を解きたかったり
僕のことをわかって欲しかったりしたときだった
今でも同じ理由であなたに話しかけたくなるときがある
もう今は
届かないけど

 ....
近所にもらった卵等を  
朱色の{ルビ巾着=きんちゃく}袋に入れて 
割れないように気遣いながら 

時折かさっこそっと音立てる  
卵の歌が聞こえるようで
自分の歌に重なるようで

 ....
長野県小諸の
非公認ゆるキャラだが
青い舌がチョロチョロ出たり入ったり
好きな食べ物の設定が
腐肉だったりして
ゆるいどころか
子ども達は一歩も近づかない
ベリーハードキャラである
不注意でピカルディを
生まれて初めて割ってしまった
その刹那あなたの姿が帰ってきた
絶対に大丈夫と思っていた強化ガラス
この世に絶対なんてないと言いたかったのか

絶対にわたしよりも先には ....
 


にわか雨の気配に慌てて
息を切らして
額に汗を滲ませて

は、と息を吐くベランダで
からりと笑う太陽に
力が抜ける

平凡すぎる何かを守ること

小さな願いと
安堵 ....
風邪をひいて一日寝ている
よくもこんなに眠れるものだ
寝ては目覚めてまた夢を見る
夢で野垂れ死にしても不思議ではない
見知らぬ旅館に隠れている
ドアが開いたかと思うと風呂上りの子どもが転がり ....
尾崎豊の歌詞のなかにあったことば

何にしたがい何を愛するのかかんがえていた

評論家や傍観者ではない自分

ちいさくてもほんとうの塊を掬う事


こころの網の目をとぎすませて

 ....
 3 足のある眼鏡

わたしの仲間は誰でも言うのだが
決して信じてはいなかった
「眼鏡には足がある」など

だが 今朝 眼鏡が消えた
確かに洗面台の横に置いたのに
顔を洗っている間にど ....
心の言葉と 言葉の心
写し身流れ 姿はともる

おりごとの戸の 金具は錆びて
つけかえる鍵 やがてはつきる

のぞきこむ目が 目隠しをする
指文字が消す しめった曇り

息吹きかけて ....
誕生日いがいは
お祝いの日じゃない
なんでもない日が
ずっと
毎日続いているけど
グッと耐えて生きていく

    🌼

私は今
自分という人間を
ふるいにかけて ....
こころの2重螺旋
ことばの2重螺旋

裏階段をのぼって
巻貝の音を聴いた
気がした
銃弾の跡がある部屋を自慢されている 恐ろしくひょろ高い  
竹馬に乗って
海水のなくなった海の底を
歩いて行ったムーミンたち

私は歩道橋から
街を見下ろし
長い脚で
椴松や公孫樹の
街路樹を
ひょいひょいまたいで
 ....
辿り着いたこの街で
老いていくのだ
運が良ければ
最後の日まで

そのことが
頭の中ではっきりしていて

どこまでも
美しい
晩秋の遊歩道
硝子ケースの中にある、{ルビ木彫=もくちょう}の
酸っぱく熟れた{ルビ柘榴=ざくろ}から  
赤い粒等は顔を出し  
薫りは鼻腔に吸いこまれ
僕はひと時、酔い痴れる――  

美術館で立ち ....
春は誕生
柔らかな朝の
穏やかで優しい光を浴びる
芽吹く喜びと安らぎの声共に
静かにそっと瞳を開ける

夏は青春
光り輝く昼の
目を奪う緑と青が騒ぐ
生きる力の喜びをを感じながら ....
鏡の向こうの世界から  
足音も無く  
こちらに歩いてくる{ルビ女=ひと}は  
軽やかにも手をあげて  
({ルビ今日=こんにち}は…)と、旅人の僕に云う  

裸婦の姿のその女に   ....
さみしい
さみしい
さみしい

と言っていたら
一人づついなくなった

いとしい
いとしい
いとしい

と繰り返しても
もう誰もいなかった。
こんなことを昨日から考えている

診断の結果異常のないはずの子供が

なんらかの障害をもって生まれてきたら

なんらかのミスでそんなことが起こってしまったら

ぼくならどう思うだろう
 ....
夏美かをるさんのおすすめリスト(7676)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
恐ろしい夢__- 服部 剛自由詩713-11-25
とおくへ- 石田とわ自由詩11*13-11-25
あなたがわたしを拒絶しないと信じたいから- ichirou自由詩8*13-11-25
校庭- Lucy自由詩24*13-11-25
- こしごえ自由詩6*13-11-25
わたしたち_★- atsuchan69自由詩6*13-11-25
情熱- 由木名緒 ...自由詩6*13-11-24
爪を噛んで捨てたところで殺人事件が起きた- 北大路京 ...自由詩313-11-24
消えるには少し速い- るるりら自由詩20*13-11-24
水のながれ- 草野春心自由詩413-11-24
幸せと不幸の境界値- ichirou自由詩5*13-11-24
ただ一度の遭遇の一滴- クナリ自由詩5*13-11-24
夢の卵__- 服部 剛自由詩913-11-24
小諸どらゴン- 花形新次自由詩313-11-24
ある一つの情熱の- もっぷ自由詩11*13-11-24
いとなみ- 祥希いつ ...自由詩8*13-11-24
風邪と悪夢- ただのみ ...自由詩21*13-11-24
小片- 梅昆布茶自由詩1113-11-24
年を取るとはこういうことか2- イナエ自由詩17*13-11-24
指_タクト- 砂木自由詩14*13-11-24
【_なんでもない日_】- 泡沫恋歌自由詩18*13-11-24
螺旋- 梅昆布茶自由詩1213-11-24
銃弾の跡がある部屋を自慢されている- 北大路京 ...自由詩613-11-23
彗星が落ちてくる前に- Lucy自由詩16*13-11-23
散歩- Lucy自由詩11*13-11-23
柘榴の実ー高村光太郎展にてー- 服部 剛自由詩613-11-23
四つの季節- 龍九音自由詩3*13-11-23
裸婦像の声ー高村光太郎展にてー____- 服部 剛自由詩413-11-23
ひとり- クナリ自由詩12*13-11-23
ぼくなら- 吉岡ペペ ...自由詩1113-11-23

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