心、柔らかく

空は静かに

海は満面を湛え

光はそれぞれの表情

人は悪臭と光輝を放ち

鹿はいつもの足取り

己はそれを見下ろして天界気取り

神は・・・いません
 ....
ことしはじめての雪が降る
手ぶくろもしないで
耳あてもしないで
つめたいだけの肌にする
きん、と
こめかみのあたりが痛むのを
わたしは冬のせいに
したくて

 *

おんなのこど ....
わたしの天使は飛び降りる
高い塔からまっさかさまに
天使は翼を広げたまま
わたしへ向かってほほえむだろう


雪が降るように真っ白に
翼は光る冬のはじめの陽射し


   わたしの ....
{画像=111110214109.jpg}



打ち寄せる砂浜に
文字を書いている

崩れ消えて行く文字達

流木を持ち
強く刻み付ける

水際に暗く強く ....
男ですもの
人並みに
風俗通いを
したものよ
そこで私は
知らされた
前立腺の
重要さ

初の経験
緊張で
普段元気な
マイボーイも
縮み上がって
役立たず
顔も上げずに ....
雲が如く
雷が如く






街道をゆく拙者でござる









てくくぶらぶら峠の三吉屋に着いたのが宵で



団子な気分でもなかったが腰掛け ....
暦の上ではけふから冬
パソコンが指に温かいので
幼い気持で十本並べた

若い自分に戻って尋ねた
あのころの若い夫に

どうしていつも私のこと怒るの
お前が馬鹿だからさ
どうしていつも ....
母さんが力強く呻いた
父さんは喜びともつかぬ
情けない声をあげた
そしてぼくは出てきたのだ
危険な
しかもおそろしく不条理な世界へ

ぼくははげしく泣いた
丸裸のまま
もはや
 ....
本当の欲望の姿は尖った鉛筆の芯で軽く打った点の様なもので
ともすればまぶたが落ちそうなこんな夜こそ
俺はそいつの姿を見なければならない
死んでいけばいくほど
生きようと ....
枯葉が吹かれて
かさかさと鳴る
その音を骨身にまでしみこませて
つぎの角を曲がる
そこを過ぎれば 私の影は
通り過ぎたところには残らない
背後に置いてきたのは私自身が
思い出として残らな ....
「奇を衒うな」という言葉が
父のドメスティックな教訓であり
母の冷凍食品的な愛情であった
ケンブリッジ歯科技工士養成所時代
そんな彼らの望みとは逆に
僕は僕の作った鉛入りの銀歯で
この世界 ....
スッポリ愛して

ジュボッと愛して

僕を吸い尽くしてくれないか

あなたが僕の人生を

素晴らしいものに変えてくれた

もうあなたなしでは生きて行けない

愛してる


 ....
朝 いつも降りる駅の
一つ前の駅で 
朝急ぐ人たちばかりで
ロータリーの八重桜は 
ほとんど返り見られることがない

駅の跨線橋を
見上げながら歩いてくる顔は
八重桜を背にしながら
 ....
言葉はいつも
私の手を すり抜けていく
それは 一体 なぜだろう
間違った道を 歩いてきた
言葉を 選んでは
同じ失敗を繰り返した日々

だけど 愛は 決してそんなものではないだろう ....
 
 
図書館の海に
沈んでいく
『決定版 小林カツ代の毎日おかず』
(今日から使えるシリーズ)

外では間の狭い男が
雨のように泣いている

耳の穴から
半透明の小エビが出て ....
 二兎
オヤヂは悲しい事が好き
酒と冷え行く白銀の宵
 
 芽吹
少し山なりの丘で
君は燃えている
たぶん黒い棺桶が
炎の色と混ざって
じっと大気を揺らめかす
とても澄んだ空だ
 ....
ふいに思い立って
ずる休みをした
一日ゆっくりしよう
そう思い
ふかふかのベッドで
真っ昼から寝てやった
勝手きままに寝てやった

まどろみから覚めれば
窓の外は薄やみ
ひょろ ....
掌を

滑らかにすり抜けて

北風が

秋の香をさらっていくのは

路上ギターの奏でた

奇術の仕業


ほぉら

まぁだ

いーるよ


す ....
やっほー

愛してるよー




いえ

言ってみたかったので
ふとした瞬間に
シワができたことに気づく
ツルツルだったあのとき
覚えているでしょ
赤ちゃんのようだと
何度も何度も触られた
あの日のように瑞々しい
あなたでいてね

「あきらめない ....
遺影の朝や。
嗄れる
遠雷の
ぴんと空気はしっとりしめり
入道雲の成れの果
   あめんぼすいすい
   あめんぼすい
いずれいっしょにほほえみ浮かべ

ある冬の先にある ....
ハギレの記憶をよせあつめて

ひとつのオモイデを

嘘じゃないよ

本当のことでもないから

いろとりどりの残像をあつめて

たのしいオモイデをつくろう

そのオモイデを纏って ....
最近離人症が治ってきて気づいたことがある。
どういう風に治っているかというと、朝起きて「ああこの身体は俺のものだな」と再認識するといった具合である。
それは別に離人症の治癒過程では無いといわれるか ....
君の生まれた十月の国で
うたうように眠りたい

銀木犀のしずかなかおりが
漂う夜気に包まれて

丘を木立をぬって流れる
川のせせらぎを聞きながら

  幼い君が 少年の君が
  夢 ....
夢とか希望って軽々しく口にしてはいけないよね

これでも恋わずらいなんだろうか
鬱陶しさに心は暗く沈んでしまっているけど

なんだか身体は心模様とはうらはらに
不思議と元気みなぎっている
 ....
この香りが五月でもないのに
懐かしさが全身に{ルビ迸=ほとばし}る
僕は気になる この香りが

逆らいに倒れた僕をそっと
この華奢な体が抱いてくれた

揺れまいと
木の葉が{ルビ頑=か ....
炊きたて ハトムネ ひだまり タピオカ

見惚れて ボルネオ あいまい 灯台

くるぶし 波風 触れ合う スイヘイ

神々 うみどり 洞窟 あかつき

ハノサキ 透明 ゆびさき スイテ ....
さあ、ひっこぬけ
右下奥歯の親知らず
メスで肉を切り
ドリルで歯を削り
ペンチで根っこを引っこ抜く
注射で右頬全体は麻痺はしているが
振動は余すことなく脳に響き
煩悩は遊園地の海賊船のよ ....
もし、ぼくが、
もっとふつうに働いて、
浪費家じゃなかったら、
きっと、二千万円は貯まっていたよ、
と、ぼくのほんとうの浪費癖も知らないで、
彼女は言うのだ。

二千万円あれば、
結婚 ....
角煮とそらをあるいた
分離することなくみえた嘘は
虹の音を滑走路にうつしだす
なべをゆらして
あぶらはいらない
いらないんだあぶらなんて
もう死んじまえばいいあぶらなん ....
salcoさんのおすすめリスト(4507)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
心、柔らかく- yamadahifumi自由詩211-11-11
11月ふたりのボートが、宝ヶ池をなぞってゆく日- 野中奈都自由詩811-11-11
わたしの天使は- 石瀬琳々自由詩11*11-11-10
波に消される文字に_/_自分よ、心のままにあれ- beebee自由詩33*11-11-10
男心の唄- 花形新次自由詩1*11-11-9
雨が如く- TAT自由詩1*11-11-8
恥の上塗り- 木原東子自由詩11*11-11-8
世界へ- シホ.N自由詩411-11-8
そうしてこの部屋は留守になる、すべてが—すべてが。- ホロウ・ ...自由詩2*11-11-7
骨身- 岡部淳太 ...自由詩511-11-7
奇を衒うな- 花形新次自由詩1*11-11-7
Love_me_TENGA___唄:エロヴィス・プレスリー- 花形新次自由詩2*11-11-7
八重桜を真理だと仮定して- N.K.自由詩7*11-11-6
間違った信念- 番田 自由詩411-11-6
小景- たもつ自由詩211-11-5
うさぎのそら- さひ自由詩411-11-5
ふいにずる休みを思い立って- 青井とり自由詩611-11-4
変わり目- faik自由詩7*11-11-4
山彦_あるいは_ロバの耳- 自由詩5*11-11-4
あきらめないで- 花形新次自由詩2*11-11-3
遺影の朝- こしごえ自由詩2*11-11-3
残像パッチワーク- 灰泥軽茶自由詩111-11-3
離人症- GrassRoots散文(批評 ...3*11-11-1
うたうように眠りたい- 塔野夏子自由詩7*11-10-31
交わすひと- 恋月 ぴ ...自由詩2611-10-31
あすなろ- subaru★自由詩22*11-10-31
スイテキ- 灰泥軽茶自由詩111-10-31
口腔外科切断分解作業- 灰泥軽茶自由詩111-10-31
笑ってよ_baby- はだいろ自由詩411-10-30
かくになんてなかった- キメラ自由詩511-10-30

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