明日への鍵を探して
歩いた
道の上を歩いた
どこにも 何もなかったが

それは本当に昔のこと
庭で 寝ていた 昔のこと
白い靴を洗って
日を体に浴びていた頃のこと

誰もが自分 ....
パンティの中に
手を入れた瞬間
あっ、この人だ!って
思ったんだよ
そんな感覚
僕は大切にしたいんだ
もも
ももももももももに恋した
私の扁桃腺はとうにない
なので病弱である

モモ
モモもモモもモモが好きだ
カタカナは不思議である
ゾウリクガメを連れてくる

私の故郷は桃の花にう ....
女の幸せ
玉の輿
祖母から母へと受け継がれ
夢に描くは昔も今も
宮廷貴族のおこしいれ

こしもと 従者も引き連れて
合奏酒肴の花の饗宴
長持ち牛車
嫁入り道具も豪華絢爛

十二単 ....
裁判所の窓から望む

冬の日比谷公園は
昔日の面影そのままに
冬枯れした杜の透き間
レンガ色した公会堂の屋根部分が
遠望できる

公会堂の長い影は
公園の小径を覆い
所々に前夜の白 ....
父がつかまえてきて母がしらないで庭先に置いたカメのポルナレフ
もうすぐ春がきますよー
待ち居遠しかったですか
それとも夜通しでしたか
ずっと
似たような節がありましたか?
あなたが買って私 ....
社員だけど 内職を頼まれるというのは前にもあった
普段は自宅にいて内職の方がする仕事が納期に間に合わず
日中の仕事を終えてから 仕事を家に持って帰り
家事をすませてから 内職をする しかし 内職 ....
私は部屋を作った
始めた頃の記憶さえ霞むほど
長い長い時間をかけて
がらんとした真っ白い部屋

いろんな場所に出かけて
美しいと思った光だけを集めたら
真夏の南中した太陽の光に似た
真 ....
 瞳


二月の白い雨の中
何もかもが凍りついた冬日
畦の匂いさへ凍りついたまま
も吉は冷たい闇の中で
いつもの道を見失ってしまった
今日はどうしても
まっすぐ歩けない

も吉を ....
沈黙の微粒子が
ソーダ水のようにはじける
僕の部屋の夕暮れ
音楽も聴かず
テレビも見ず
ソファに座っていた
LEDの電灯は
人の気配に感応して
点灯するのだが
やがて
ぼんやりと消 ....
0が1を
たべつくして
朝になっても
明るくない

うすく凍りついた水たまりを割ると
世界の底で
あなたがスープみたいに眠っている
都合の悪いことや
不快なことは
予め伏字にするという
配慮が
いつからかこの国では
行きとどいているので
よほど気をつけていなければ
事実は見えない
まして
事実を都合よく見誤ろうと ....
光のどかな
朝の軒下に
あいさつ日和が訪ねくる

つがいの雀のたわむれも
いたずら烏のお散歩も

汽笛も煙も
風花も氷柱も

みな
やわらかな一見さん

ごきげんよう
 ....
私の部屋は薄暗く
眠るための膜が張っている
膜の外はみんなどろどろに溶け合って
輪郭はもはや失われているから
母さんと父さんの話し声は
テューバが拍を打ち込んでいるみたいだ
私はたったひと ....
小さな家の
小さな庭で
立ち止まる小さな時間

枯れた柿の木の下で
腐ってゆく
冬を越せなかった果実

もつれてしまった糸を
ほどいていくのに
疲れてしまい
あきらめてしまった春 ....
Vの発音 Vの発音 Vの発音 Vの発音
言語聴覚士に何度も発音を矯正される
だけどまだできない
標準的なVの発音

ボールを投げて キャッチして
ボールを投げて キャッチして
作業療法士 ....
金属の目録に眼を通した
あらゆる色彩がひび割れる時刻に
百万年かけて落下する思考の速度で

澱んだ大気の底に広がる地衣類のような
無数の金属の結晶が犇めく都市の上空から
走査電子顕微鏡 ....
わたしを生んだ
女をわたしは知らない

影も匂いも
どんな音を発するのかも
なにひとつ知らない



わたしを抱いて
わたしを褒めて

わたしを叱って
わたしを守って
 ....
お経のチーンの余韻の中の中 たとえばそれは

うたわないことり 
にがいさとうがし 
きれいなだけのことば 
あけがたのしあわせなゆめ

わたしの、こいごころ 
ひとまわり大きくなった太陽が
西の水平線に沈んでいく

この海はどこへでも繋がっている
海岸には奇妙な文字が氾濫している
塩化ナトリウム水溶液で繋がっている
巨大な電池だって作れる

 ....
音は雪に食べられてしまい
部屋は
かえって生きものの息づかいでみちている

台所の戸棚のなかで
じゃがいもの芽が伸びてゆく
張りつめた胸の皮膚のしたを
薄くなった血がめぐっている

 ....
「ああ,嫌だ」
彼女は台所の隅でぬか床を愛撫しながら言う
手を入れるたびに 「さくっ,さくっ」と音がする
重みに耐えかねた雪が どさっと落ちる
たまの大雪くらいで大騒ぎできるほど平和だ

 ....
冬の下総台地の端に
小さな家一軒
剥き出しの枝と幹だけの
梨畑の中に
小さな家一軒

落葉高木の梨の樹
畑の樹は灌木のようで
海軍レーダーのように
針金が渡されている

白い季節 ....
  ――夕映えがきれいだった あのころ
  もし自転車にのれていたなら
  ほかの街で ほかの暮らしをしていたのかもしれない

 すでに滅びた高句麗の
 釘のように錆びた川がながれる
 ....
僕は生まれ変わったらディドになりたい
というとディドはベッドの枕元に座ったまま
そのままぴくりともしないで笑うようにした。困った笑いだ。



ディドは半ズボンをはいている。そ ....
背中に一本の薔薇を生やした猫が
窓辺に座って、ずっと外を見ていた
一度だけ晴れてみたいという
空の悩みを聞いているのか
目の前の邸宅の主人のハゲ頭の上に
苔むした狡猾を笑っているのか
隣か ....
昨日の二月八日に

関東では大雪が降りました

そのせいで、僕のバイトは休みになったのですが

店長が僕に連絡くれなかったんで

僕は雪の中を歩いて

店まで行きました

店に ....
あわただしくなった病室
「…清志郎さんと歌えるかいなあ」
その人はつぶやいた
酸素吸入マスクに遮られた声

古いフォークソングを教えてくれた
知らせたとき 穏やかに遠くを見た
あたし ....
あんなおっさんの曲を使うこと自体
偽善的な臭いがプンプンするので
自業自得、バカな野郎だなと思うけれど
(本人が選んだじゃないにしろ、だ)
それにしても
この銅メダリストは
ダメおやじある ....
salcoさんのおすすめリスト(4522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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がらくた- kotoha自由詩214-2-20
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