母の骨 太鼓の中に 詰め込んで ドンガラ叩く 月夜の{ルビMarch=やよい} 光りの肌着を
灯りのパジャマと着替えるとき
くらしのかおりは消え失せて
腐りかけたくだもの ....
 
 
高架橋のところまで
電車を見にいく

生まれる前から
そうすることが
決まっていたように

電車が来るのを
待っている

死んでしまったら
できな ....
何もいらないのなら
捨ててしまえばいいと父は怒鳴り
母は何もとがめず聞き流した夜の高層住宅を
バラック小屋の生活が淡々と流れていた

暮らしをぼんやりと鳴らす
文字たちの凧に
風が無限に ....
流し台の蛇口をひねると
背後で洗面所の蛇口が きぃん、と鳴る
どこかの管がおかしい


検診の結果を貰いたくないまま一ヶ月経ち咳は出なくなったが、
肋骨の内側で時々
何かがはさまった ....
ちっちゃくたって
 大空を
飛べるんだ
きらきら光るお塩の部屋で
ひろったバケツの底が底抜け
バケツに顔を突っ込んだまま
部屋を一周ぐるりとまわる

神さまは気まぐれに 私を包まれる

きらきら光るお塩の部屋で
ひろったバケ ....
こないだね
井の頭公園にいったんだ

息子をふたり
おんぶに抱っこで

ふいに草笛が聴こえてね
知らないメロディなのにさ
懐かしかったよ
きみと行った公園で
聴いたからかな

 ....
かわいてる ぼくをそっと 湿らせて 水を吸い込み 吐き出すは、きみ 広がる遠浅の素振りと
砂に隠れきらない腐乱
冬は終わらないまま
無意識の言葉を泣きじゃくり
海水に浸り呼吸を忘れたくなる

あめふらしが雷を呼んでも
桟橋の笑顔が潮溜まりに掴まっ ....
 
 
七才のとき
斎藤内科の待合室で
はじめて死について考えた

三歳のとき
母の背中におぶられて
私はいま三歳で
母におぶられているのだと
考えていた

高校の入学式の帰り ....
  

深海魚の朝
濃くなる陽射しが
少年とベッドとの境界線を
徐々に明確にしていく
窓を開けると
雨上がりの観覧車と
同じ匂いがする
生まれてくる場所を
間違えたわけではないと思 ....
神の言葉を携えた君は
膝のうえで不意に
遠くを見ながら喃語で話し始めた
何かを祝ぐための言葉
私が話せなくなった言葉

未来の君は
私の命日を知っているはずだ
判るなら教えてほしい
 ....
{引用=




見上げた月は 皓々として
雪景色の深い谷の 底にまで
光を落としていた

白い中空の湯のなかで
魚のように戯れたね






紺青の空に 雲

 ....
この妄想第二頸椎66Bは
インジェクションブロー成形の
ポリプロピレン製で
UV&抗菌コートが施されています

くたびれた乳白色の外観はもとより
重量感や質感まで
平均的な成人男性の第二 ....
{引用=

世間が
大きな怪物に見える

それよりももっと恐ろしい怪獣が
他の場所にいる

麦畑が
静かに揺れている

彼らも
約束された平和の中に
揺れているだけ

刈 ....
あなたが喜んでくれるだろう言葉を口にする
あなたが喜んでくれるだろう行動をする
案の定あなたは喜んでくれるから
僕はそれを繰り返す

いつのまにか自分という存在は薄まっていって
あなたを好 ....
きみが聞いていても
聞いていなくても
そんなことなにも関係ない
ぼくに関心があっても
あるいはなくっても
そんなことなにも関係がない


ぼくはきみに話をする
いつわりの純粋さや ....
女の肉が男に汚されていた

肉の汚れを女が悦ぶたび

女のたましいはより美しさを増した

肉が涙をながす

涙の尖りがひかる

男は女の苦悶を見つめた

このカラクリは迷宮だ
 ....
小学校の修学旅行で
男子は三つの班に分かれる
クラスのほとんどがいずれかに手を挙げたが
ぼくはどの班に入っていいかわからない

先生が人数を確認していく
「男子がひとり足りないわ」
それ ....
首のない人 息をする
笛のように音がして
涅槃の闇に見つかった


無個性な僕らは進化を続けて
個性を失った
人間の脳は溢れて飽和している


息を、している、
生きている、息て ....
母のチョコレートを
一口づつ食べて横たわり
ふとんに寝ころびタオルを引っ張る
心だけが少し温度を纏う

ふろしきに近い紫で
女の子が差し出す緑色をした
男の子が受け取る汗ばんだ手の
パ ....
 
 
父は風呂に入りながら
トランジスタラジオを聞いていた
湯船に落としてしまっても
乾かせば直ると言っていた
実際お湯に沈んでも
ラジオの音は止まなかった

僕も父の真似をして
 ....
赤ちゃんはかわいい
赤ちゃんはきもちわるい
赤ちゃんはやわらかい
赤ちゃんはあぶない

夏が
台所に
腐って
うかんでいる
かわいかった
やわらかかった
壁に
首の断面を
押 ....
茜色に包まれる公園
母親たちの呼ぶ声
「またね」と
口々に
みんなばらばらになる


ぼくだけが一人
とぼとぼと家路につく


夕暮れ時は逢魔が時
いつもより大きい夕陽が
 ....
まっさらな雪の上を歩くのはいい。
歩くということがわかるから。
踏み固められた道をゆくのもいい。
{ルビ他人=ひと}の重みがわかるから。
あさのくうきが
ぱちぱち
して
うもれていた
気分の芽を
生やす

てぃりてぃりりり

しまっていました
ゆびとてを
まげて穴にかくれていました
くるぶしのさき

かー ....
たとえば鉄の味のする夜に
街がプラタナスの樹木にかわってしまうと
ひしゃげたかみひこうきが
ポストに突っ込まれる
それを開いてみると
不在票と書いてあり
ぼくに郵便物があって
差 ....
水を飲むように
音楽を採る
人は 僕はもっと音を聞くようにならなければいけない
ピアノの
ギターの
あらゆる楽器の
そのものの音と感触
とてもおおきく広く多角的に偏在するよう ....
そこから溢れだす甘い蜜が
何よりも大好きだ

だからといって
コップにとって飲んだり
ストローで吸ったりしたら
美味しいどころか
少々不気味になるわけで

やっぱり直接この口で
変 ....
salcoさんのおすすめリスト(4522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Pale- ハイドパ ...短歌5*10-3-4
光りの肌着(十)- 信天翁自由詩310-3-4
高架橋- 小川 葉自由詩610-3-4
- 番田 自由詩110-3-4
ダルマ探査- スリーピ ...自由詩110-3-3
てんとうむし- みぃ自由詩410-3-2
光る部屋- なき自由詩1*10-3-2
音の記憶- こころゆ ...自由詩6*10-3-2
加湿器23時- 朱印短歌510-3-1
男だって潮を吹くんだゼ☆- おっぱで ...自由詩110-3-1
帰り道- 小川 葉自由詩310-3-1
朝の場所- たもつ自由詩8*10-2-28
創書日和【祝】祝詞- 大村 浩 ...自由詩6*10-2-28
君のいる風景(3)- まどろむ ...自由詩5*10-2-28
66B- nonya自由詩9*10-2-28
空気- 真島正人自由詩8*10-2-28
喪失- 一華自由詩110-2-28
そんなことはなにも問題にするべきことじゃない- ホロウ・ ...自由詩5*10-2-28
春の迷宮- 吉岡ペペ ...自由詩310-2-28
お化けになりたい- 殿岡秀秋自由詩910-2-28
The_living_Nirvana- ネハン・ ...自由詩1*10-2-28
バッカス- 番田 自由詩110-2-28
トランジスタラジオ- 小川 葉自由詩510-2-28
za_zu- イシダユ ...自由詩410-2-27
黄昏- 寒雪自由詩110-2-27
踏む- sh自由詩5*10-2-27
清朝- 唐草フウ自由詩4*10-2-27
かみのひこうき- コーリャ自由詩1110-2-27
2010/2/27- 鎖骨自由詩1010-2-27
魅惑の蜜つぼ- 花形新次自由詩110-2-27

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