二人の場合
女のほうが連日連夜の残業で
おまけに今時
接待なんてもんまであって
ノノちゃんは深夜二時
蒸れて
萎びて
帰宅する
酒臭い息で男の寝入りを襲う
チ ....
路地裏で 甘き夢見る ズッキーニ
夕暮れに迷いこむ
迷いこんだつもりもないのに
迷いこんでいる
青灰いろに
おかされてゆくまえの薄暮
じぶんが何処へゆこうとしているのか
一瞬、いや、しばらく分からなくなる
それはまるで ....
フワフワなんだろう
太った男が
年下の女の
抱き枕になっている
愛が脂肪を
真綿に変える
秘密の人口法則
秘密の生命循環
クラインの壷
金魚鉢
彼女は ....
僕はスポーツが嫌いだけど
本当は
特撮嫌いになってもよかったんだ
でも特撮は
まあマニアではないけど
ファンですね
あの頃は怪人どころか
戦闘員が専門で
でも ....
雪の白白猫の白違いたり
あえてお前を
醜くフォーカスしてみる
黒い茨の群生に
赤紫の
腐った断崖
生命の
惨めな瘴気を湛えた泥濘
あえてお前の
社会的経済的背景を
想像してみる
....
乗車率180%だとアナウンスがあった
指定がとれずに仕方なくホームに立っていた
ぼくたちはそういう刑に服する囚人だった
宇宙のどこかで
ぼくたちの身口意の業は計算され
いまここに集められてい ....
ヴィンテージではないんでしょうが
ちょっと汚れたデニムのパンツが
似合うおばさんなんです
コンビニにも制服があって
下半身だけが私服なわけですが
お弁当温めますかのあとカウン ....
猫ってのは厄介だ
初めから詩になっちゃってる
サーカスってのもそう
初めからそうだ
銀蠅
なんてのも案外
詩になっちゃってんのかもしんない
けど僕は
猫の ....
愛してた君んちのへんな表札も
今はただ冷たい明朝体が憎い
「希望」は光の爆発のようだな
歌垣に天皇いたなど知らぬこと
校庭に花一匁で夕日飲む
文芸し睦まじい眼鏡と静かな書
どんぐりもおちる影なし 古隧道
吾の庭に 身の程知らずの柿がなる
干し柿を目印にする 祖母の家
左腕だけが鋏に火に触れる
指五本喰らうべくして音喰らう
月尽きて地に声低く骨の笛
水滴をはらうが如く己れ斬る
塩を越え空の辻 ....
歯ブラシのバキッと折れて朝
空 なめつくして晴れとなる
朝一つ無間地獄に経あげる
ビー玉誤飲してやさしくなりたい
注射器のなかで血とソーダが混じっている
暖かいものは信じない、たとえば唇
あの写真の私はわらってはいない
少し音程の ....
生乾きの父を吊るしてからコーヒー
ふと泣いて 朝がまた来る おもしろさ
不安との 戦にいどみ 陽に出会う
ねむれない あしたをおもい ねむれない
主食茄子の子がとても活発
僕おとこです。二割引きです。
キリストの 影も見えない 聖夜かな
もみじ葉で ツルリと転ぶ 散歩道
はれ予報 敗れて悲し 雨男
バシャバシャと 水遊びかな 溺れ人
篤姫に 水戸はここだと 地震かな
ピーポーと 明日は我が ....
不 平 等 に 愛 す る カ ノ ー プ ス と 花
感 嘆 符 ! 未 来 の な い こ の 歌 会
妹 の 月 夜 ふ ざ け た D V D
酔 っ 払 い に は 愛 し 雪 ....
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