手持ち無沙汰に見上げれば夏のような雲の動きと

山すそは無残に切り開かれ
ひとの忌み嫌うものの一切合財を

そのはらわたに黙して受け入れているのか
それとも受け入れざるを得なかったのか
 ....
生まれて初めて
合コンというものに行った

どうやら
男が童貞であるか、そうでないかは
話の内容や、話し方ではなく
第一印象でわかるらしい

居酒屋の座敷で俺はまるで
金魚鉢に入れら ....
虫が一生懸命鳴いている

それが息切れしたのか止む

ちがう虫がたどたどしく鳴き始める

少し静かになっている


虫たちの声が星のようだ

あなたのことを考えながら

そん ....
信号機がつなぐ道と道を
ただアリのように進んでいけば
今日も君に会える

くしゃくしゃと音をたてて
わたしを満員電車に詰め込めば
明日も君に会える

いつまで君に会えるかな

雨が ....
たった1年で
大人になった猫は

春には泡立つ光の匂いを
丹念に嗅ぎ回りながら
ひとつ歳をとり

夏には風呂場のタイルの上に
長々と寝そべりながら
ひとつ歳をとり

秋にはふ ....
この街に唯一残った
道端の電話BOXから
大音量を上げて
呼び出し音が
鳴り響いていた

俺は中に入って
とりあえず
受話器を取った
とたんに音は止み
男の声がした

「もしも ....
          
悪い癖だと叱られた
食べてすぐ横になると牛になると言われたが
病人は食べてすぐ横になっても
牛にはならなかった
子ども心に不思議に思った

病人は注射を打っているか ....
幾世紀もの家族がつながった半島の先端
岬はいつもそこにあって
空と海の高さを測り 
見知らぬ明日の水平線を描いてきた
海を渉る鳥たちのために
半島に帰る人びとのために


灯りの落ちた ....
もも胎児
ももたろが うまれるまでの ものがたり は
ももの森の雨の日も もちろん ももの匂い
雨のむこうの冬の そのむこうまで もも胎児は ももの中

さくらの森の雨降りが 桜餅の匂いが ....
車のライトに浮かび上がったふたつの影は、やはりどこか
不釣合いだった。
男のジャンバーの下からはスウェットがのぞき、女は短い
スカートに、つんのめりそうなハイヒールを履いていた。

ヨシダさ ....
♪ブヒヒ
ブヒヒ、ブヒヒヒヒヒ
ブヒヒ
ブヒヒヒ
ブヒヒヒヒヒ
ブヒヒ、ブヒヒヒヒヒ
ブヒーヒヒ♪

「ブヒヒッ?」
「ブヒッ・・・・」
「ブッ・・・ヒッ」

♪ブヒヒブヒヒヒ ....
か弱いものでも生きてゆける
それが人間らしさってこと

それなのに時には誰かを押しのけては前に進み出て

この一歩が生死を分けるのよね
なんて言い訳をする




世の中は悲し ....
遠野の山道/峠の途中 一本の巨大な枝垂れ桜/
 とおののやまみち とうげのとちゅう しだれやなぎにかっぱがぽつり 

春先にその桜の根元/その下で春先に相撲を取る河童一匹/
 はるさきいつも ....
長く患っていた父が死にました
お通夜の部屋に潔い木の香りが流れました
父は長く一人だけの眠りを眠り
お線香はくるくると回っていました

わたしたちはチョコレートを
食べました 金色の銀紙を ....
 
 
僕の自転車が
僕から離れて
砂漠を横断する
暑くないように
ハンドルに括りつけておいた
涼しい模様の日傘を
ボロボロにして
それでも自転車は
たった一台で
砂漠を横断し続 ....
{画像=110917004242.jpg}



わたしはひかり / わたしはしずく

ふようして / こうかする


あなたはやみ / あなたはこうずい

かくさんして / ....
わたくし 妖怪 おもてなし と申します
わたくしの体のほとんどの部分は 水なのでございます
人間の水分量は六割だそうですね 人って よくそれで生きておれますわね

たわいのないことを地獄 ....
9月
真夏日
ロックミシンと
直線ミシンに
電気を通わせる
いくつもの
ささくれだった傷を接ぐように
激しくも繊細に
針を打ち込む

壁に拳を壊す
いくつもの
波を立てる
 ....
私にとって秋とは

頑なに厳しい父ではない

寛大な母ではない

余命宣告をされた母方の祖父である

モルヒネに朦朧としながら必死に生を説き続けた母方の祖父なのである

それを今  ....
つくづく
惜しい
つくづく

よしずも扇風機もスイカも
歯が立たなかった
暑いがらんどうのような
夏が逝く

つくづく
惜しい
つくづく

不安と疑念と我慢を
素肌に貼 ....
都会はとても静かで
ちょっとかっこよくなりたくて
屋上に出たりする

前髪があるのも似合うねぇ
と友達が言ってくれた
少しずつ、変わるもの


都会はとても静かで
顔のわきっちょに ....
ある夜
激しい異臭がして
ベッドから飛び起き
電灯を点けて見ると
テーブルの上で
俺のドッペルゲンガーが
ジャージを膝まで下ろし
脱糞していた
蓋の開いたノートパソコン
和式便所と勘 ....
            110912



祈りたいならば
どこか遠く
だれにも見えないところで
おやりなさい
異教徒の群れの中では
声を立てたり
十字を切ったりしたら
命にかか ....
 
 
カマキリ会社のカマキリ社長は
用件が済むと電話を切る
鎌で電話のコードを切る
以下、カマキリ専務、カマキリ部長、
カマキリ課長、カマキリ平社員
みんな電話のコードを切る
だから ....
{画像=110911183602.jpg}


心を写す鏡のようだ
朝のsoraを見てそう思った
自分の心持ちが分かるような気した
元気がある時
後ろ向きな時
強い時
弱い時
so ....
夏が去ったあとのがらんどうに
いつしか白く大きな九月階段が出現していて
そして僕らはその段々の上に
蒔かれたように腰かけていた
ただそこで空を見あげていたり
何かを読んでいたり
歌をうたっ ....
妊娠悪阻ということで、
一週間ぶりに病院へ行くと、
点滴は、24時間で、
4本取り替えるらしい。
彼女は、ほとんど、口も聞けないほど衰弱している。


「なんか話して」と言うので、
 ....
あなたとさようならをした日

最初はとても晴れた日で

いなくなる日は
ほんとうにたくさんの雨が降った

{引用=
ばいばい
ばいばい

あなたはたぶん
そんな言葉知らなかっ ....

彼女は晴れの日でも傘を差している
雨を異様に怖がっているのだ
酸性雨を浴びると体が跡形もなく溶けてしまう
という話を子供のころに聞いて以来
ずっと信じているらしい
雨が降り出してから差 ....
烏龍ハイのグラスに

きみの影が映る

悲しいことがあったのかな?

僕はデリカシーのある男だから

直接的には聞いたりしないよ

コースターに

ひとこと

「今日のパン ....
salcoさんのおすすめリスト(4522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
友引のひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*11-9-26
私は、ただ、苦しむ人として、そこにいた- 一 二自由詩611-9-26
抱かれている- 吉岡ペペ ...自由詩411-9-26
あのひと- アズアミ自由詩411-9-25
ふんわりとした接点- nonya自由詩23*11-9-24
電話BOXイリュージョン- 和田カマ ...自由詩1*11-9-22
悪い癖- 花キリン自由詩5*11-9-22
午後の枕木- たま自由詩28*11-9-22
もも胎児- るるりら自由詩14*11-9-21
中島みゆきが思い出せない- blue自由詩6*11-9-19
あの豚はもう角煮にしてしまったのですか- 花形新次自由詩4*11-9-19
自虐のひと- 恋月 ぴ ...自由詩32*11-9-19
河童- ……とあ ...自由詩811-9-19
つや- オイタル自由詩6*11-9-17
かげろう- たもつ自由詩611-9-17
わたしはひかり- beebee自由詩29+*11-9-17
おもてなしぃ妖怪- るるりら自由詩22*11-9-16
9月/真夏日_針仕事- たちばな ...自由詩17*11-9-16
枯れるまで生きるから- 徘徊メガ ...自由詩311-9-15
つくつくぼうし- nonya自由詩19*11-9-14
東京タワーのあかいろは- みぞるる自由詩411-9-14
リアルマッコイ- 和田カマ ...自由詩6*11-9-13
のぼる夕日- あおば自由詩4*11-9-12
カマキリ会社の皆さん- たもつ自由詩1011-9-12
朝のsoraと太陽- beebee自由詩24+*11-9-11
九月階段- 塔野夏子自由詩22*11-9-11
ピンクのハートマーク- はだいろ自由詩1511-9-10
still- 寿自由詩411-9-10
彼女らはいずれも澄み切った声をしていた- 吉田ぐん ...自由詩2611-9-10
空飛ぶオランダ人- 花形新次自由詩3*11-9-7

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151