変わり目
faik

掌を

滑らかにすり抜けて

北風が

秋の香をさらっていくのは

路上ギターの奏でた

奇術の仕業


ほぉら

まぁだ

いーるよ


すぅぐ

そばに

いーるよ


紅い秋の名残葉が

尖ったミュールに

踏み崩された


だって涙が出ないのは

空気が渇いてるからでしょう?

妙にやるせなくなったのは

その娘がブスだったからでしょう?



心はやけに湿るのに



歌われることのない

あたしの視界


自由詩 変わり目 Copyright faik 2011-11-04 20:58:13
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