自分の髪が煩わしくなるとき
夏の訪れを感じる
いっそ丸坊主にでもしてしまおうか
と思っては、躊躇う
長袖に隠れていた腕が
恥じらいながら顔を出し
外気に近づいた脇が
風の気配にスー ....
泡がうまれ
浮かんでいって
はじけて消える
泡が泡として存在した
一瞬のいのちが
空中へ放たれてゆく
窓のそと
にゅうどうぐも
夕立がくる
ひとり
またひとりと
....
何か書こうとしても何を書いたら良いのか分からなくて、ましてや短歌を投稿するのもしんどい。っていうか短歌を投稿する方がしんどい。だって詩より更に研ぎ澄まして凝縮しなきゃ、なんだから。そんな訳で散文の方を ....
復活の皇子の醸した生成物を
五臓六腑に染み渡らせよう
このまろやかでフルーティな
まさに平和の皇子の性格
…ていうか風格 に心酔わそう
かの日
首里は焦土と化した
ひとりの女とともに ....
今すきやで飯食ふ奴等の眼鏡率は四割四分(俺も含めて)
いま「愛」を「し合って」ゐるのかぼくたちはこんなに裸でこんなに惨めに
火焔式土噐人面裝飾土噐ガラスケースに時は凝れり
....
だれに みせるわけじゃない
けれど
いつしか
ピンクのランジェリーを
好んで 身につけるように
なっていた
ピンクは恋の祈り
恋するピンク
あたしに
恋の妖精よ
落ちて ....
骨
その絶望
の
砂
の
把手
穴
のある
石
の胸
あるひは穴
のある
石
の腕
「夜の要素」の冒頭の二連です。
この奇妙な形式の詩の作者は北園克衛(きた ....
県道に 甲羅せんべゐ へばりつく 河で泳いで いればいいのに
ねこのここねこはねこのこねこで
ねんねこねんねこころころころ
このこはほんとうにねるのがすきで
ねるこでねことはむかしのひとは
うまいこというな
とおもったひるでした
デカダンスな景色が焼きついて
あんまり考えてると
半身の喪失感がひどくなる
空は青いね
君は元気にしてますか?
....
ざこのようにねむるよさ
ねこのようにかしこまるよさ
たがいに貶めるよさ
たがいに慰めるよさ
においの残るよさ
きえて無くなるよさ
からだのそとがわに
うすいまくがはっている
からだのそとがわに張ったうすいまくを含めて
わたしをわたしだとおもっているのでしょうが
わたしは
あなたがたがおもっているよりも
ほんの ....
こどもの服が
床に落ちている
拾うとわたしは
着たくなっている
こんなに小さな服に
おさまっていた
わたしが
想像する 何でもない「意味」を
他人に「語る」空の中を
「海ではない」と 見つめているのかもしれなかった
私ですらない波紋として 「理解する」ように
季節の終わりに「また」訪れるのだろ ....
「さようなら」黒板に大きく書いたなら
次の日私は小さな記事に
涙枯れ猛スピードでペダル漕ぐ
籠にひらりとはかない恋が
幻を見ていたのよと母が言う
線香の煙青空に消えて
....
びょうてきで
うるさすぎます
駅前が
ハーケンクロイツに脅されたって
この弾道は変えたかねぇな
鶏冠に来てるのは
こっちも同じだ犬の糞野郎
....
タナトスを
背骨を反らし
タナトスを
中でいいよな?
タナトスを
くれ
祖父が他界した。
原因は忘れたが、86才。ひとつの寿命だろう。
遺言「文学賞を取れ」
むちゃくちゃだ。今際の果てまで、相も変わらず。
物理専攻、技術会社就職。
評価基板の設計担当 ....
月なき夜 くぬぎの森の カブトムシ 幹に耳あて 樹液流を聞く
ローテイトする空気
ツンとした金属
それが君
つい触れてしまいたくなる
そびえる金属の塔
不可思議
早巻きでみる植物のように
私は蔓を伸ばし試みる
君への動脈
ツンとした金属
....
くつがえりたる
そのエッジは斬って、裂きます。
手の内で
私を温めた
手の内の ハデスを
ブランケットにくるまれた
彼の丸みごと
つんざいて、
また飄々とした ....
鏡は嘘をつくようだ
お風呂に洗面所があったから
引っ越す前だ
団地の頃だから
たぶん小2とかそのくらいの頃
「なんでボクはボクの中にいて
アイツはアイツの中なんだろう」
....
何でもない、俺は、
思いを出るだろう。世界に、
青い、川を見つめ、
自分自身として、見つめている。
プールの、中で、
昔は、追いかけっこをしていたこと。
小さかった私は、ラムネを開けた ....
カニミソ2 / 番田さん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=211270
からっとしたユーモアに、若干ただよう物悲しさ。このなんとも言
えない ....
{引用=上滑りした会話が
水槽の中で泡を吐いた
外は
しみこむような雨
果実を一つ
大きな手が絞ったような
雨
呼吸困難で
死にそうだと
酸素が足りないのだと
嘆く声が聞こえる ....
愛情は肉のかたまりのようです
二十をこえても十の少女のようだった脚を
愛情はたやすく女のそれに変えてしまった
胸にも腰にも腕にも愛情は柔らかく実って
腕のすき間から零れるような身体ではない
....
母
ああ麗しい距離(デスタンス)、
つねに遠のいてゆく風景・・・・・
悲しみの彼方、母への、
捜り打つ夜半の最弱音(ピアニッシモ)。
ぼくの周りには、ランボーを読んだり、中也 ....
夜になると
傍にいるひとは
もっと近くに来て
遠くにいるひとは
もっともっと離れて行く
湖に溺れている豚
必死な形相
肺にあふれる涙
私は歩けないから祈った
永遠に沈黙が続くなら
壁に骨をぶつけ
音楽を差し上げます
青空を
深々と突き刺すスズメバチの群れ
赤く腫 ....
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