じいちゃんが逝った朝
病室にばあちゃんの姿がない
窓の外は風にあおられた雪

あたしは瞳孔を確認して
お決まりのせりふを吐く
息子の白髪頭が傾く

「独りになったら
都会に行かん ....
最近はコロッケを作っていません
何故なら息子が肉を食べたがるから
「今日のお弁当肉が少なかった」
などと言います
16歳になった息子は
172センチ45キロというかかしっぷり
肉はどこへ行 ....
ぬかったわ
ふるぼこではないか
ぼっこぼこではないか
荒廃した この さもしい自分は
一体どうしたら いいんだ。


いやまて これは
文字の羅列をなぞる指先



田田田田
 ....
  やわらか日差し午後
  肩までピアノ、湯に浸かる
  浮かぶ椅子の脚、揉みほぐす
  いつも世話になてる
  いつも世話になてるからね
  普段聞けないピアノ音を聞い ....
父の{ルビ骨=コツ}は先祖代々の墓には入れない
同じ仏教でも宗旨が違うから

そんなことを言ってきたのは
父の後を継いだ弟
新たに入った宗旨に則って 
その寺の経営する墓地に
墓を買った ....
ほんの数十年前
空がピンク色に染まった夜の日々
凜として生きていた正義の味方

正義の味方は美しく
正義の味方は気高く
正義の味方は清々しく

誰から後ろ指をさされることもなく
 ....
濡れた暗闇を放射する
硬くて厚い椿の葉群
静かな時間になって
森の奥へと僕を誘う

ポトリポトリ
夜の壁から剥がれる様に
甘い紅白の花が落ちる
落ち続けて
踏まれ続けた花は
乱れる ....
身の丈にあって泣いている うああっ、芸術じゃ!芸術なんじゃ!
お前らには分からんのじゃ!
絶対に、絶対に手は出させんぞ!

これは
世田谷にあるゴミ屋敷に住む老人が
強制執行の際に
都の職員に対して発した言葉です ....
ふしぎな生きものが対岸におりましたので
わたしは急いで脱ぎました

なるべく丁寧に急いで
わたしはあらわになりました


しかしながら
湯茶の用意が整っておらず
先方はやや訝しげ ....
むかし 納屋の整理をした折
古箪笥の引き出しを開けると
中が炊きたての赤飯でいっぱいだったことがある
春の川でとれた蟹の甲羅を剥ぐと
どの蟹にも赤飯がぎっしり詰まっていたこともある
それから ....
わたしの母は
一流の歌謡曲なのであります

酸いも甘いも知り尽くし
いまや図太く
強固です


わたしの父も
一流の歌謡曲なのであります

優しく厳しく漕ぎわたり
よう ....
十代の頃、自分の気力で仕事を続けることが困難になり
日雇いの仕事を求め早朝の高田馬場に行き
流れでそのまま浦安のタコ部屋で半年働いた
タコ部屋と言ってもまあ綺麗な畳が敷かれた大部屋で15人位で雑 ....
遠い街の中で
見ていた幻
世界を見るのは
簡単だった

何もかも知っている
だけど 自分がいることから
眠いベッドの上で
眠りに落ちていく気がする

僕は行く
色を見ていた  ....
寝ているうちに夕方になった
夜になる前に起きなければならない
けれどどうしても布団から出られなくて
カーテンの陰にいる母に
起こして と言ってみる
母は不思議そうな顔をしている
見ているだ ....
朝 目覚めたら
鳥の巣箱の中にいた
市会議員選挙の告示のニュースが
母屋の方から聴こえてくる
体を起こし 何となく上を向いて
首を伸ばしてお口をあんぐり
母がテントウムシを口移ししてき ....
「あたし太って見えるのは
ピル飲んでるからなのよ
もともとじゃないのよ」

川崎のソープ嬢楓さんは
そう言いながら
怒ったような顔で
僕のニョッキに泡をつけた

その日は
心身とも ....
かんかん光る
かんかん踏切
かんかん降りる遮断機の
かんかん赤い光の点滅

その先線路を
飛んで行く
暗闇の中
急行電車が
飛んでゆく。

かんかん手を振る二歳の息子
電車を見 ....
1:7
目がすべて浸透した人々を含めて、彼に会うために雲によって来ます。
恐らく、地球のレースはみな彼のことで悲しんでおり、彼を悲しむでしょう。
アーメン(まだ)。
それは今[1:8]です。ま ....
ブスだっていいじゃない、よし子
頑張って生きようよ
生きていたら
きっと良いことのひとつやふたつあるよ
よし子を好きだって人も
ひょっとしたら現れるかも知れないよ
そりゃ、絶対とは言い切れ ....
江ノ電鎌倉高校前駅と
腰越駅とのその間で
窓という窓が突然
ぱっと明るい海となり
ゆるいカーブの水平線に
乗客はみな取り囲まれてしまうのだった


すばやく走る波の線
空の始まるとこ ....
首なが族の少女が耳にあてたアイフォンからきこえるウォール街の足音は、ジブンヲカンジョウニ入レズニ通り過ぎるようで

プラットホームにとり残された風が
形の悪い、過冷却の耳を凍らす


 ....
はす向かいの煙草屋から2メートル借りて
となりに住む大学生から4メートル借りて
街頭募金を装って6メートル借りて
それでもたりなかったから交番へいって3メートル借りた
夜爆発して
住人が ....
死について、

突然、その時は訪れる
死の実感は
高校二年の春だった。

いつもの朝の登校時
いつもの郵便局の角を曲り
いつものとおりのバス通り
いつもの調子で渡ろうと
いつもの歩 ....
ほむら、ほむら、

ほれ、ほれ、ほうれ
こをえがけ

ほれ、ほれ、ほうれ
つみ、あがれ



ほうられ、ほむら
ほうむれ、ほむら

いざ、いざ、くだけよ
くる、 ....
雨上がりの夜は
月が尖る
星も尖る

その二等辺三角形の光は
柔らかい肌に
突き刺さり

闇は
切り裂かれて
足元に落ちる

影を拾おう

追いかけよう

月光を踏み散 ....
 絵ハガキ


古びたペアリフトが、白く耀く斜面と雲ひとつな
い青空の隙間を、カタコトと、揺れながら私を山
頂へと運んでゆく。飽き飽きとした水平線上の生
活を忘れ、雪の斜面を滑り落ちること ....
ビルの谷底では
夜が
空よりも少し
早く訪れるだろう

何冊かの読みかけの本の中から
数ページ角のすり切れた
ものだけを選び出し
それを
開こうかどうかと
迷ううちに
街灯の月が ....
 カーテンを開ければ あたり一面銀世界

「朝食食べたら、雪だるまを作ろう」
ホストファーザーが誘う
「えっ!でも私会社に行かなくちゃ!」
「えっ!何を言ってるんだい?こんな日に会社に行くバ ....
ことばに かこまれすぎたので
うみに いった
なみが うたっていた
かぜが うたっていた
ぼくは くちを あけて
うたを すいこんだ

いみに おいかけられすぎたので
やまに のぼった ....
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