誰もいない六畳間
頬を畳にくっつけて
夏休みも終わりの午後
八歳の僕は昼寝する

風が簾を通して頬を撫ぜる
うつらうつらしている僕の眼の先には
隣の部屋でミシンを踏む
母の姿がぼんやり ....
彼女のご両親に、
挨拶に行った。
なんかのイベントのとき、
雨が降ることが、そう言えば多いので、
ぼくは雨男なのかもしれいないと、
傘を持って、
部屋を出るときに思った。

5000円 ....
鳩尾から飛び立つ
フラミンゴの羽音を
君に
聞かせてあげたかったけれど

仙骨から這い上がる
虹色の蜘蛛を
君に
見せてあげたかったけれど

せり上がる甘酸っぱい海面で
何を ....
あぁなんて可愛らしいパグなんだ
そのしわくちゃの顔の隙間に
柿ピーを詰め込んでやりたい

そんなにすり寄ってくるなよ
俺のことをそんなに純真な瞳で訴えかけてくれるな
すました顔したって間抜 ....
何年も帰っていない故郷にいる
当然私の居場所は無く
家族はそれがもう当然のように
暮らしているから
私が帰ってきても気づかないようで
いつもの口癖のような言葉を
えんえんとお互い喋っている ....
神様に抗議したら







死神のライトバンが横付けして ....
なんて幸せで可哀想な子なんだ!タカちゃん

大人用の洋ナシのタルトには
洋酒が効いている
一口もらって『辛い!』と評した
その味覚に驚いた
ひねた舌には
たいした刺激にもならない隠し味を ....
【青い鳥】

涙はない 思えば おもうほど 青い空しか
浮かばない
人は かならずしも 真正面から むきあうことで
力を その胸に宿すのではなく 
同じ方向に そっと居る
そ ....
誰からの便りも途絶えた
朝に、娘が
私の靴をはいて
玄関に座る、

指の間で、
引き伸ばされた
私の髪が
娘の、背中で、
今、息を引き取ろうとして
流れていくのを、
私はとめよう ....
たとえば曇天の松戸
ゴミ焼却処理場の高層煙突
ピカリぴかりと位置を知らせる
ピカリぴかりと存在を知らせる
岩瀬無番地という住居表示
表示不要の権力装置
存在を表示しない

昔陸軍工兵学 ....
オタマジャクシが音符になって

俺にレクイエムやソナタを聞かせてくれる









腹のでっぷりと出たオッサンにはなり ....
死者のことだけを語りたい
死んでしまったあの人のことを語りたい
あの人の残したものだけを語りたい
あの人の心残りを語りたい

生き延びた俺や俺の家族の
健やかな生活のことなど語りたくもない ....
 1)

庇には樋がなかった
コールタールの屋根をはげしく打って 
雨は黒い路地に、まっすぐ流れおちた
ひくい窓を大きくあけて
わたしは雨の音を聴いたはずなのに
路地に敷きつめられたコー ....
ガムをかみ
かなしい時間をつかまえた
大人っていっつも
こんな気持ちなんだろうか
いっそこのまま
九九でも唄って
神隠しに遭いたい
半ズボンに
両手を突っ込んで
味のしないガムを
 ....
少し前から
光合成をしなくなった

薄らいでいく光を
見過ごして
遠ざかっていく水を
遣り過ごして
余った二酸化炭素を
夢にすり替えることもできずに
ただ乾いていく

カサコ ....
おおらかだ
笑い声って おおらかだ
笑い声に出会えた日は 幸せだ

高台にある 小学校に
ソプラノの歌 響いて
ひざしが からっぽになる
水は だしっぱなし
生けすの 魚がはねた
 ....
どこかで誰かが泣いていた

悲しくて
それとも恋しくて




悲しさに理由なんていらないけど
流した涙はしょっぱくて
それでいて仄かな甘さなんて感じてしまう

なぜって
 ....
部屋を一歩踏み出したときから孤独は纏わりついてくる

貧相な湾と丘陵に挟まれて
身動きが取れなくなったこの街に漂う霧のように
湿っぽい感情はいつまでも俺の皮膚から離れない

東京行の駅のホ ....
毎月28日はとりの日である
28(ニワ)トリというやや強引な語呂あわせで
オリジナルチキン4ピースとクリスピーが3個で950円
俺はそれをお持ち帰りする
「買出し頼まれちゃったよー全く困っちゃ ....
いっしょに
としをとっていこうと
きみが
つぶやいたのは
わたしの
うまれたひ

かんそう
ちゅういほうの
あきばれのそらのした
あかい
ばらをいちりん
きみが
わたしに ....
猫 呑気にたんすの上
バスケットの縁に首をのせ
顔だけ見せてご挨拶
声にならない鳴き声で

名前を呼ぶとニャンと鳴く
小さな口でニャンと鳴く
小さな声でニャンと鳴く

今日も呑気の ....
海岸沿いの公園の
木製のベンチに座り
僕は深い緑の海を眺めながら
きみの考えに思いを巡らして

沈黙が続くことが
不安な僕は
空を見上げる

 ごらん
 ゆっくり流れる雲が
 き ....
血を流して働くのだね

愛のために


世界はとても素敵なシステムでそれを搾取してゆく

欲望は限りない狡さをもって知恵を滅亡させようとするのだね


世界は愛ではなりたっていない ....
やっと、二ヶ月以上、
入院してた彼女が退院して、
来週、
向こうの親に、挨拶に行くことにした。
人間、いつかはいい時代がくると信じないと、
生きて行けないのだろうけれど、
いつもやることは ....
あなたを知り

死は
いまや
命と
手をつないで

月みたいに
あかるさを
教える

死は
いまや
命のように


命は死のように


ひとつの岸辺に
(互 ....
太陽が帆をあげて
シャツの内側の漁港を照らした

さえぎる言葉のない純粋な心臓を
切り裂くように 糸を縫うように 流れる光
家々の屋根が風に吹き飛ばされ
海辺のように 透き通る空に 舞 ....
夜空の雲の切れ間に
黄色い月が光る
何も期待せずに
視界に留めておこう

秋の四畳半
ささくれた畳が
ちょっと冷たいね

厚い雲が滑って来て
月の顔を覆うから
 ....
アクロイド殺し








ストリキニーネ




















僕が物心ついた頃にはもう


 ....
真っ白い紙が好きだった
四つ折りにして切り離し
たくさん集めて綴じつけて
カバーに布を貼りつけた

憧れを描いて書いた
何十年過ぎても

たとえば生垣のプラン
今は構成中
東の庭は ....
朝ひとつ
文鳥を買う
老朽の小鳥店で囀るけたたましさに呆然として
毱のような歪んだ標(まと)を見上げた

アクリルを
内側を
痛めつけながら悲鳴(いのち)は
雛たちから剥 ....
salcoさんのおすすめリスト(4522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
昼寝の思い出- ……とあ ...自由詩10*11-11-19
ごあいさつ- はだいろ自由詩1011-11-19
感動- nonya自由詩15*11-11-19
パグ日和- 灰泥軽茶自由詩2*11-11-19
帰郷- 灰泥軽茶自由詩8*11-11-19
俺は死んじまっただ- TAT自由詩5*11-11-18
幸せで可哀想なタカちゃんへ- 相差 遠 ...自由詩5*11-11-18
青い鳥- るるりら自由詩9*11-11-17
習作- ballad自由詩311-11-17
松渡- ……とあ ...自由詩1011-11-17
ファントム・ペイン- TAT自由詩4*11-11-17
エロいことだけ考えているほうがまだマシだ- 花形新次自由詩5*11-11-16
河口の地図_2011- たま自由詩28*11-11-16
珈琲ガム- かいぶつ自由詩611-11-16
枯葉- nonya自由詩20*11-11-14
ただいま- るるりら自由詩13*11-11-14
秋空のひと- 恋月 ぴ ...自由詩2811-11-14
朝の孤独- 花形新次自由詩8*11-11-14
ケンタッキーフライドチキンを食べた夜は- 木屋 亞 ...自由詩8*11-11-14
かんな/うまれたひ- かんな自由詩9*11-11-13
猫と昼寝- ……とあ ...自由詩1211-11-13
スケベ心- 花形新次自由詩4*11-11-13
ワークソング- 梅昆布茶自由詩311-11-13
鮫肌の女- はだいろ自由詩611-11-13
- はるな自由詩111-11-13
風の生まれる- 古代 透自由詩5*11-11-12
月と四畳半- 御笠川マ ...自由詩311-11-12
そして誰もいなくなった- TAT自由詩2*11-11-12
小さな計画- 木原東子自由詩9*11-11-12
白文鳥- 乾 加津 ...自由詩9*11-11-12

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