手の中に誰が居るのか自分には
太陽の凝視する海死にかける
心へと刺したストロー吸い込まれ
ベルベットアンダーグラウンドわからねえ
胃の魚の蛸の目の日の白の口
....
桜の花びらに見えましたが
それはお墓でした
とても小さな墓石でした
とても小さな人が
入っているのだと思いました
ところどころ緑に苔むして
たしかにそれでも
桜の花びらに見え ....
話すたび 妖しく甘い 花が咲く 君のくちびる キスでふさいだ
詩を書き始めてから四半世紀以上になるが、いまだにこうすれば詩が書けるという方法論を持たない。そのくせ、詩を書きたい、書かなければならないという、妙な切迫感のようなものにずっと追い立てられている。そし ....
押し花に込めた想いは緑色変色しても初夏を育てる
会議終え疲れた顔の会社員背広から匂う景気の悪さ
気まぐれな外国の猫抱きしめて日本にはない文化を探す
まだ少し麻酔の効果残しつつ眠気交じ ....
色褪す、ぐんじやうに
烏めが群れを成し、
おれの盲目に羽ばたいた
街の夕顔、
一度なれどもどよめかん
お前の中のノスタルヂアは
既に此処にはない
悲しいか。
終末の電車 ....
黒目を搾って炭化した果汁の渋味を垂らして
滝のように濡れてゆく白い部屋を睨み
眼光の輝度を上げて透視力を発揮しろ
眼球の白に血走る毛細血管を密集させて開拓してゆく
暗室に舞い降る ....
僕の体を悲しく流される
歩きかけた 老人の生かされた 音に
闇の光らされた宝石は 僕の心の外を歩こうとした 心の中の
無い 僕の何にもない 彼方を旅立つ
深海の言葉を唱えている
その ....
坂道を 転がるように 終わってく 今日にさよなら 今日にさよなら
夕暮れの 葉桜並ぶ 散歩道 帰る時間だと からすが鳴く
さびれたバス停の時刻表には 過去の時間が流れていま ....
絨毯に虹ができていた
ガラスのテーブルのせいだろう
この世はひかりで出来ている
否、この世はひかりで見えている
否、この世はひかりのようなもので出来ている
テーブルはガラスで出来ている
虹 ....
ああ、だからニンゲンは
あらそいをやめないのだ。
とそう気づいたのは思春期のころでした。
なにゆえに
陰であるのか。
と、なやんでいたのです
サインコサインタンゼントの合間に。
夏で ....
イカロスを真似た子
雪の夜の中 羽ばたいた
ガスマスクを着けた執刀医
薄緑の七つのライトで
その子を見つけて
火炎放射器で 射ち落とす
左腕と右肘 右半身から火をあげて ....
君が巣立ってゆく時に
言いたい言葉がある。
困っている人を助けて下さい。
たとえ失敗しても良い。
積極的に生きて欲しい。
人を愛し、愛され
信頼し、信頼され
尊敬し、尊敬され
良い ....
夢幻(まぼろし)のごとく
無常なるはこの世の業なれど
桃の薫りは確かな証(あかし)
移ろいゆく華の舞に
一筆の恋の文(ふみ)散るなかれ
*
望月の宴(うたげ) ....
障害者の弟がいる。
障害者の弟って、恥ずかしい。
昔から思ってきた。考えないようにしてきた。
消極的ではあるが今、正面に立つ。
障害者は当然、馬鹿にされる。子供の無邪気さは残酷で、仲間外れ ....
夜中に灯油をいれる
つばめが驚くから電気をつけられない
灯油をいれるもの
懐中電灯で照らすもの
ふたりで作業することになる
ひとりでできることなのに
つばめがぬくぬくとすごすために
....
ぼくは病院を経営していた叔父叔母に育てられました
ぼくの部屋は病室でした
かたくて高いベッドと狭い机しかなかったけれどなんの不自由もありませんでした
妹の部屋は病院の最上階、叔父叔母の居住するフ ....
ダンボールの中の子猫
雨の日に、ミュウーミュウー
ないている。
お腹減ってるのかな
寒いのかな
同じ命なのに
人間とは待遇が違う。
他の生き物がいるから
人間も今の生活ができるのに ....
スニーカーは高いし、デザインも良くなかったので買わなかった。冷蔵庫には買ってきたばかりのコーラが入っている。 そんな気がする。海外で開発されたやりかたで、休みもなく会社に閉じこめられていたのはいつだっ ....
えっちな牛乳
というタイトルの牛乳を買った
1本300円するのだ
飲んだ
なんだ 普通の牛乳と
何も 変わらないじゃないか
....
ここが気持ちの良い伸びやかな場所だということが
霊能のないぼくにもよくわかる
水のふくよかさが光に自由だ
土や風はじっとりとあえなく色彩へとかわり
そして私は鼻腔から生まれかわる
この地で生を受け ....
まるで、することがないみたいに
夜の間、ずっと満ち欠けの月の境界線を
なぞっていたのは
愛の国から幸福へ行く為じゃないの
報復行きの切符が買えると聞いたから
「都市伝説かもね。」
....
寿司めしの
ほころびにけり
山桜
ゼロをたくさん
あんたの体についた脂肪みたい
切ってみると
殺人鬼がうようよ
{引用=
繋ぎたい手をわざとに隠す
距離に焦がれる眼球を
胸に取り込んでベッドまで持ち帰る
ランプの灯りに意識を漂わせて
アルコールを一口舐める
(あの丸くて柔らかいの欲しいな)
(ホル ....
重量感をレールがつける
向こうを蟹は広がっている
景色にしていたり全てだったりする海のコンクリートが
向こうを春に
とても沖縄の僕が広がっていた
全てにはその景色に向かう
確か ....
あの小山のてっぺんの公園に
十七のぼくは二十六の女と上った
ふとくてぐねったまっ白いアスファルトの道
したで買ったハンバーガーは
チーズの足腰のない冷えた匂いと
ピクルスと湿っぽいパンの淋し ....
情事のあと
ホテルを出て町をぶらつきたかった
春の夜風がよくなぶってくれている
高知の町にいても
坂本龍馬に思いは馳せない
川面にはさざ波がたっている
それはそう見えるだけで
た ....
夜が痙攣して朝を産む
吐息が凍って花びらにしがみつく
道路が疲弊して流れ去る
その永遠の一瞬に
愛している
完璧に混ざり合う水と油
緑の血の妊婦
指のないピアニスト
その不可能 ....
線路を描く
薄暗がりの方から
ほのかな明かりを灯して
路面電車がやってくる
駅を描く
路面電車が停まる
後扉から乗る
チラシの安売りの服を着た女の人が
前扉から降りて行く
....
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