++ 雲のころ。。。 ++


水のひら指先潜り鰯雲

{取消=雲の川街道並木に落つ銀杏}

冷ややかな風に身を濯ぐ日溜まりで

秋浅し射し日の強さや汗拭う

ちろろむし耳に涼し ....
消えるのは私の階段消えるのは



雪は降り月を造りて雪は降り



一歩から季節を昇る一歩から



人の失い石と青空つづきゆく



乙女に ....


寂れた風車が ぐらり と回り ぎい と短く 鳴る音を
運んでくる風が 含有する骨粉を 嗅ぎ分ける 臭覚神経の
末端の 鋭さから 染み込んでくる 苦味の
粘付く 痺れに似た この感触 ....
春雨に煙り見果てぬバベルの樹の根元の茸か{ルビ業平橋=なりひらばし}駅


「日いずる」国まで来ては魂の香料探すか 雷門


浅草で吉野家入りLunaSeaが小雨まじりにしみる街の灯

 ....
さらに小さくふるえる水面
うちとけることのない二つの世界が
原子核よりわずかに軽い約束を
かわしたのは冷たい雨の日

もの思うようになってはじめて
自然と流れる涙の熱さを知る
大人はもっ ....
 唇の裂け目から
 こぼれ落ちゆく食べカスやら幽霊やら、
 その一部始終をキャッチする


 雑踏の肩と肩とをすり抜けていくのはジュゴン、
 あ ....
{引用=
真夜中の公園で素っ裸のオヤジに首輪付けて散歩させてる
あれは昼間お料理教室で一緒だった清楚なあのオンナノコ
マルキ・ド・サドって名前だけは作家気取りの性癖異常者

僕は夕暮れの公園 ....
東京、新宿、夜を行く
明るいパネルに挟まれた
道路はあらゆるシルエットたちを
幾何学的にまき散らす

豆電球のフィラメントを
アリの足とするなら
この街の電光源は
一体、何に例えら ....
寒暖の差
激しい春へ通う
家族の背中を見送って
昨日の色々を
洗って干して
知りたいな 君の内面 輪切りして 閲覧自由の スライド作る 天秤が上下に揺れる様子見て火星の重さ勝手に測る

SFの小説読んで夜空見る広い宇宙は嘘の塊

苦しみを和らげようとする笑顔恋に仕事に拘束される

欲しかった望遠鏡を手に入れて覗けば見える前 ....
 
 
イデオロギーが
目的ではなく
手段なのだとしたら

人として
あるべき姿が
目的ではなく
手段なのだとしたら

二十一世紀
初頭を生きている
僕らが信じていた
二十 ....
一番乗りではなかった
ロッカールームで 常連の中年女性が
油もたんぱく質も無い体を あらわにしている
錆び付いた金属のような 褐色の人
臆病者のこんにちは、は 届くことなく
乾いた音を響かせ ....
 朝早し冷たい空気通り抜け妻の車は勤務にいそぐ

 妻に又何かをせむと心やり描き始めにし昨日の絵

 一人いて心に懸る妻のこと共に料理を作る楽しさ
夜にしかない可能性の息

あなたの首に下がっているのは地球


眠り、寝息で会話

ひとり起きて台所の水を飲む

この水は深海からすっくって運ばれてきた


フランス語のテ ....
戦って傷つけるみたいに書く彼女 濡れ光る赤に私は惹かれる


責任はないよ 決まっているじゃない ハードディスクを壊してオシマイ


甘くやわな やさしい言葉 くれるなら 電子メー ....
(シェフ:こちらの席へどうぞ)

1春と叙情物語の香草添え

男は、立ち尽くしているのでした。

私は、釣り人の肩を、自分の席としております。
今年も春がやってきましたね、おとうさん。
この花びらの ....
水蜘蛛が
枯れ葉の下で
眠るのは
弟のため
妹のため
片足けがしてひきずったら
地球はなんて歩きにくいと思った
階段は多すぎるし人も多すぎる
田舎という言葉が頭の前のほうで絵になった

隅っこにいるのはあいつじゃないか
おおい おおい 
ち ....
体の芯へ 遠退いてゆく 温かさ
残るうちに 白い皺の波 平泳ぎで 進んで
時間から 離れた 遠くから
半目で 音の出ない ブラウン管 
回して 見て 目 回して
白い皺の渦から 2回 ....
桃源郷に誘われて行ったら
そこには何もなくて困った
二人で顔を見合わせて困った
帰りの車内が気まずかった
雑踏を行くと

路上で演技をする人を見かけることがある

今日は渋谷で

黒人がドラムを叩いていた


バスドラの前に置かれた

あれは何だったか

脱衣カゴのような目の粗い ....
紅い花は枯れてゆく

いつまでも咲いて

いたかった

けれど

夏の匂いは空のなか

夏の匂いは夢のなか

葵い双葉はどこまでものびてゆく

枯れてゆくこと

など
 ....
胸はだけ 「愛している」と 刺し違え きつく抱き合う 心臓のKISS  彼女は染みだらけのバナナっす

 こりゃもう駄目かな
 いやいや
 そんくらいの時期が
 かえって一番いいもんなんすよ

 シュールレアリスムは嫌いっす
 けどダリの時計みたいな裸婦 ....
夕闇のインターチェンジを降りたとき「空」のランプに誘われたり

仄あをき灯りの部屋に二人きり黙り込むとき深海になる

おそらくは1969年よりビールを切らした冷蔵庫唸る

忘れるために抱き ....
使うあてのないまま
手ごろな箱がたまっていく
何かを入れるのによさそうなので
いつも捨てずにとっておくのだが
その何かは見つからず
いつか箱のこと自体忘れてしまう

それでも実体あるもの ....
大河に落ちた
他愛ない葉っぱにも
一年に一度は
特別な日がやって来る

浮かんでいようが
溺れていようが
沈んでいようが
渦に巻かれていようが

おめでとう
を投げつけられたら
(できるだけ爽やかに ....
ラップ巻かれ 脛毛が透ける 君の足 万力締めて バキバキにした 人を好く けど愛せない愛せなさゆえ愛されてない 人を好く

人をただ憂うのだから優しさは優しさゆえにやぼに沁みてく

ふた駅の遠さを確認するために虚ろにたるむコードをたぐる

醜美さえ ....
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