土曜日はいつも
草のことを考える
誰もいないのに
ハサミで紙を切ってしまう
+
青空を両手ですくう
指の間からさささらと零れ落ちる
さっきから公民館の ....
※アメリカのライト・ヴァースの経緯については「ライト・ヴァース雑感2」をお読みください。→https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=215625
こちら、 ....
角砂糖ひとつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個室
父が一杯の水を差し出す
母が一輪の花を差す
それがかつての始まり
最後に望む光景
角砂糖ふたつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個 ....
眠らないバスにのった
眠れないぼくは
あの野性化した雲といっしょに
あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう
写真でみただけの
マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
何にもない手の
何ですらもない 路地で
ひとり 奏でる
つぶやきの中を 立ちつくす
緑色の 芝生の上に
楽器をなくした
誰かに 届くであろう
声を 私は持っている
何にもない手 ....
ラジオ体操の帰り
虹が見えた
堤防に登ったら
岬の向こうに 虹があった
診療所の前で振り返ると
堤防のこちらがわに 虹はある
おや
虹がついて来る
発電所の上で見ると
大すけ兄ちゃんちの横の畑 ....
暑い日の中で
シーツは 眠りにつこうとすると
部屋から ひどく遠いように
とても思える
煙草の煙を見つめながら
色々なことを 考える
自転車を こいで
ギターを弾いている
....
一個の詩を思いながら
何もないのだろう 私の言葉を
日は 知っている
暮れている 私が 私の夜を
そんなため息の中で
ものごとを そして ひとつ描きながら
わからないことに は ....
ひとめぼれをして買ったお護り代わりのパレッタが
一年程見当たらなかった
こどものゴムや100円ショップのクリップで間に合わせていたけれど
落ち着かないので 誕生日の自分へのお祝いに
昨日 新し ....
夜が大きく手を伸ばして
落ちかけた太陽を捕まえようとする
呑み込まれそうな藍色に
目の覚めるような橙
空は虹色に染まる
笑っちゃうだろ
もう何千年も
同じこと繰り返してるんだ
きちがいのきれいな歌声が
鞠のように転がる夜明けの街路
途切れた記憶が空気に触れて
朝露となってショーウィンドウでこと切れる
ぼくは眠れなかった
きちがいの歌声 ....
俺は只
空を見上げて
こう思う
今日も『生きろ』か、、、
ハイ♪生きますよ
夏休み
坂の途中の煉瓦塀
遊び疲れて帰る途
突然、夕立の中
古いモノクロフィルムの
縦縞ノイズのような雨が降る
崩れかかった煉瓦塀の
裂け目から洋風の庭に
飛び込む
そこは荒 ....
こうやって、
毎日毎日絶えることなく
詩は生み出されているのに
ひとつとして同じものがないことに
人間の心の
多様さと
宇宙のような広さを感じて
驚きを隠 ....
ノートなどを見るのであれば
私は白く綺麗なノートがいいのである
シャツを買うのであれば
とても白くて綺麗なシャツが欲しいという風に
広い海に入るのならば
浅瀬のない 遠くの深い海へと ....
きょうは雨曇りで涼しくてからだが楽だった
オフィスの窓に雨粒のしぶきが散らばっていた
ふがいない部下を怒りながらじぶんをダメ上司だと思った
なにこいつに、オレの自尊心傷つけられてんだよ、
....
暑い日には
「アイス」ではないかと思い
なるべく皆がたくさん食べられる
しかも
私の好みの
バニラにチョコクランチのを
買って帰ると
「おやつはなにか?」と
ドタバタと二階から降りてく ....
人と言うのは
慢性化
しやすいからね
道に 人が来ない
今日も 来ない
そうすれば 人は
その道を
人が 通らないと
思うんだからね
★,。・::・°☆。・:*:・° ....
白色でもない意味を
内容として 見つめている
大気の流れを 抹消する
深夜の時間の 彼方として
塊の内部として
手にしたばかりなのは しおりだった
胸に抱いたのは 人間
紙ぺらとして ....
︱{ルビ淡々=あわあわ}と、それはとおく
ほうほう
紅いろ帯びた西域は灼け
あれは記憶に薄れゆく
旺盛なる高温期の名残りか
あるいはまた
時の{ルビ ....
君の唇から放たれた輪を
君の目の前で潜ろう
君がまんまるの目で俺の目を見てくれたなら
ほほえみ弾けさせて応えよう
漂うホンダワラのブーケを投げたら
君は受け取ってくれる?
君がホンダワラの ....
頂点を仄青く明滅させる三角形が
部屋の片隅に居る
銀のお手玉をしながら
華奢なアルルカンが宙を歩いて過ぎる
星のいくつかが
音符に変わり また戻る
硝子瓶がひとりでに傾き
グ ....
何もしなかった三連休に、
フットプリントを残そうと、
ぼくは、デリバリーヘルスに電話をしました。
(デリバリーヘルスの語源は不明ですが、
ピザやお寿司のように、
ある電話番号に電話をして ....
こんなにも綺麗なのに。
写真じゃ伝え切れなくて。
逢いたくなる。
バケツをひっくり返したようなって言われても
ピンとくるわけじない
ひところ軒先で騒がしかったツバメの巣はいつの間にやら静かになっていて
育ち盛りと餌を催促してた雛たちは
ハーメルンの笛の音 ....
山あり谷あり
強風ありの
難コースに
今日も
白球が乱れ飛ぶ
フェアウェイをキープして
ついでに愛人もキープして
男の甲斐性
見せてやれ
行け、行け
タイガー
タイガーウ ....
顔に差す
まだら 漏れ日 て
{ルビ外=そむ}けなく
{ルビ声=アト} 失き まだき
悼ま ねく間の
濡れた藪の陰には
ヤスコちゃんがもう膝を抱えている
色の変わった大きな樽の中は
トシユキの指定席だ
横木の折れた狭い入り口に
クモの巣は長くぶら下がって
すでにだれかが小さな手足の跡を
....
<桃>
夏の夕 シャワーを浴びて 丹念に
君に食まれる 身支度のとき
うっすらと 産毛の肌が汗ばんで
早く食べてと 桃の香がして
摑 ....
こんなのを
読むんですか?と
そう言って
ダッシュボードの
サンテグジュペリ
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