本当のかなしみを知るひとは
かなしみのあり様をあれこれと邪推せず
涙で濡れた手のひらにあたたかな眼差しを重ねてくれる



本当のかなしみを知るひとは
ひとの過ちをあれこれと論ったりせず ....
猿ぐつわを噛まされた
裸の青白い男が椅子に坐っているので
私はどういうわけか
ふるさとを思い出さずには
いられない

椅子の背に両手を縛りつけられ
陶器のようにつるりとした太ももに
一 ....
いつも息継ぎを意識をして
まったく君は注意深いな
それを芸術なぞとほざいてみる
嘯いてみる
息巻いて蟹のように
音を荒げる横顔を流し見、
「ラフロイグ下さい」
 ....
夢はゆく

 少女のわたし原っぱに

 シロツメクサを ふたつ残して
ここに戻ってきた

狭いけど おちつく
あたしのキッチン

安い焼酎の炭酸割りの
グラスをもって

シンクの扉によりかかり
へたり込む

このひんやりとした感じ
ほどよいスペー ....
静かの海
ここはどこまでも静寂な 砂がさらさらと、
乾いた想いを落としていく
初めて出会った日を思い出しては
ナトリウムの大気に
耳をすませる

小さな部屋で聞いた
パステルの紙を走る ....
陽射しが強く照り付けるたび
懐かしく思い出される夏の日
肌触りのいい
風がよく通るシャツ
あの頃は
いくら汗をかいてもよかった

日が暮れるまでに帰るルール1
七時になっても日は暮れな ....
一人暮らしにふさわしい30cm*30cmの机をはさんだ向こう側

君は寝息を立てて眠っている

とは言っても実際、デスクに向かう僕には寝息はとどかない

寝顔は見えて寝息は届かないそんな絶 ....
公園でタバコをくゆらせていると

大胆不敵な白いヤツがやってくる

ニャンと甘えた声で



*平成22年3月 詩集「十二色入り」より
 俺はもてない。
 だから女と付き合った事がない。
 草食系とか異世界の話だ。
 それどころか男ばかりの学校しか行かなかったので話もしたことがない。
 女との縁は通学の際にすれ違ったりする ....
なんでかな

ソンナニ嫌われる理由

親になったら

忘れちまったよ




東京に

人の意のままなる似せ

緑を造って

生きるってなに



マネキンが ....
桃ずきんちゃんは
その名の通り
桃色のパンティと
それがチラチラ覗く
超ミニのスカートをはいて
ズッキン ドッキン
ズッキン ドッキン
歩いてる

ある日
森のなか
熊さんと
 ....
跳ねるのどの熱さが手の平から伝わってくる
君は水面に顔出す金魚のように喘いでいる
昼下がり 西日は容赦なく目を射ち
閉じたまぶたで君を切断してみたい
どうしようもなく疑わしい 薄い影を踏み ....
検査課のパグ似のオヤジ「タカサキ」の
         つぶやく声する 今日も「バカバカ」

人様の ミス見つけては小躍りで
         バカがバカがと 嬉々としながら

仕事はね  ....
なんか違うんだよね

しっくりこないんだよ

居心地が悪いっていうか

今日一日ずっとだぜ

ずっと

最悪だ

ああ嫌だ

実を言うとさ

本来は

右寄りなんだ ....
 
 
土曜日はいつも
草のことを考える
誰もいないのに
ハサミで紙を切ってしまう
 
 
+
 
 
青空を両手ですくう
指の間からさささらと零れ落ちる
さっきから公民館の ....
※アメリカのライト・ヴァースの経緯については「ライト・ヴァース雑感2」をお読みください。→https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=215625


こちら、 ....
角砂糖ひとつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個室
父が一杯の水を差し出す
母が一輪の花を差す
それがかつての始まり
最後に望む光景

角砂糖ふたつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個 ....
 眠らないバスにのった
 眠れないぼくは
 あの野性化した雲といっしょに
 あかるい夏の海辺をどこへむかっていたのだろう


 写真でみただけの
 マリアナ諸島の鮮やかなブル ....
何にもない手の
何ですらもない 路地で
ひとり 奏でる
つぶやきの中を 立ちつくす

緑色の 芝生の上に
楽器をなくした
誰かに 届くであろう
声を 私は持っている

何にもない手 ....
ラジオ体操の帰り
虹が見えた

堤防に登ったら
岬の向こうに 虹があった

診療所の前で振り返ると
堤防のこちらがわに 虹はある

おや
虹がついて来る

発電所の上で見ると
大すけ兄ちゃんちの横の畑 ....
暑い日の中で
シーツは 眠りにつこうとすると
部屋から ひどく遠いように
とても思える

煙草の煙を見つめながら
色々なことを 考える
自転車を こいで
ギターを弾いている

 ....
一個の詩を思いながら
何もないのだろう 私の言葉を
日は 知っている
暮れている 私が 私の夜を


そんなため息の中で
ものごとを そして ひとつ描きながら
わからないことに は ....
ひとめぼれをして買ったお護り代わりのパレッタが
一年程見当たらなかった
こどものゴムや100円ショップのクリップで間に合わせていたけれど
落ち着かないので 誕生日の自分へのお祝いに
昨日 新し ....
夜が大きく手を伸ばして
落ちかけた太陽を捕まえようとする
呑み込まれそうな藍色に
目の覚めるような橙
空は虹色に染まる


笑っちゃうだろ
もう何千年も
同じこと繰り返してるんだ
きちがいのきれいな歌声が
鞠のように転がる夜明けの街路
途切れた記憶が空気に触れて
朝露となってショーウィンドウでこと切れる
ぼくは眠れなかった
きちがいの歌声 ....
俺は只
空を見上げて
こう思う
今日も『生きろ』か、、、
ハイ♪生きますよ
夏休み
坂の途中の煉瓦塀
遊び疲れて帰る途

突然、夕立の中
古いモノクロフィルムの
縦縞ノイズのような雨が降る

崩れかかった煉瓦塀の
裂け目から洋風の庭に
飛び込む
そこは荒 ....
こうやって、

毎日毎日絶えることなく

詩は生み出されているのに


ひとつとして同じものがないことに

人間の心の

多様さと

宇宙のような広さを感じて

驚きを隠 ....
ノートなどを見るのであれば
私は白く綺麗なノートがいいのである
シャツを買うのであれば
とても白くて綺麗なシャツが欲しいという風に


広い海に入るのならば
浅瀬のない 遠くの深い海へと ....
salcoさんのおすすめリスト(4522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
本当のかなしみを知るひと- 恋月 ぴ ...自由詩42+*10-7-26
猿ぐつわの男- 豊島ケイ ...自由詩15+*10-7-25
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静かの海- 月乃助自由詩18*10-7-24
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