春が来て
花曇り
二時限目のチャイムと
遅れているバスと
並行世界
私 ....
【カタツムリの抜け殻】


実家には もう人の気配は無い
生気のない 家に行くには 迂回路しかなく
すぐそこに家はあるのに ふるい路は
家を まの当たりにしていながら ゆるやかに曲がり ....
駅のホーム
立ち食いそば屋で
かき揚げそばをすすりながら
おにぎりをほおばる

小学生の高学年
夏休みなどに入ると
私はひとりで新幹線に四時間ほど乗り
田舎に帰省していた
とても酔う ....
クルマの傷を
なぞるだけで消す
なんて眉唾だ
スマートペンが聞いて呆れるぜ
真のスマートペンとは
腹や頬をくろーく塗って
影のようにして
スッキリ、スマートに見せる
このペンのことを言 ....
一方通行の恋 逆走している 飼い犬にまたがって
腹情死したおじいの
畳に書いた鼻血の
ダイイングメッセージ

「こしがもたんきに。」

キャインキュアイン
キャインキュアイン
あな恥ずかしや
膣痙攣で外れない ....
 朝まだきのコロッセオ
 だれもいない

 
 女どもの嬌声
 男どもがいさかう声
 埋まっていく
 目の群れ、口の群れ、鼻の群れ、耳の群れ
 埋めつくされていく
 手 ....
先ずは、あなたに
私の詩を買って貰います
この詩は素晴らしいものですから
あなたがそのまま愛唱されても何ら問題ありません
ですが
それで
あなたの心は満たされるかもしれませんが
懐の方は ....
 さあ こいさん着きましたで
 わてら思い出の法善寺
 水掛け不動さんへ

 覚えたはりまっかこいさん
 わてが初めて〈元祖メカ割烹・Fuji=Yoshi〉に
 奉公に上がった晩
  ....
梁のきしみ
  建具のゆがみ
    樋のあかさび
      側壁のひびわれ
        鬼瓦のかたむき
       築半世紀もの木造家屋
 
それでも かろうじて
      ....
蟻たち、潰れろ。
そうやって踏んづけても
蟻たちは行進を止めない
畜生め。きっと人間だって多すぎる

 戦争だ、
 疫病だ、
 地震だ、
 飢餓だ、

ひび割れたアトミックパワーが ....
 休みの日には
 行く場所がない
 
 独身者寮二階洗面室
 の窓から
 女はサンダル履き
 ひとりこっちに
 来るのが見えて
 
 おばさんと呼ぶに若く
 おねえちゃんと呼ぶには ....
えんぴつが折れるまで憧れを書き続けていた
まっくろい手のひらに重さはほとんどなくて
誰かがのせてくれた飴玉の部分だけひりひりしているようだ
信号がかわるたびに思い出を切り売りしているみたい
待 ....
カラダが良ければ
顔は目だし帽でも
被って
対応することは
可能でしょうが
パイオツもケツも
取り立てて
魅力はないとなると
もうこれは
言葉に頼らざるを得ない
そりゃ当然ですな
 ....
 いつもたくさんの洗濯物で
 満艦飾に彩られていた庭が
 屈強な男どもに踏み荒らされていく

 六畳間に上がりこんだ現場監督は
 うち捨てられていた円卓を
 作業靴の足でガンガン ....
待ち時間の最中

エンジンを止めた車の中で

ほっともっとの豚汁をすする。

イルミネーションを取り外した三鷹駅の北口

暗闇を恐れる人々が

路線バス・タクシーに飛び乗り

 ....
海を眺めながら
亡くなった人々に
思いを寄せつつ
口をついて出た言葉が
そのまま詩になる

な〜んてことは
絶対ありませんよ〜
完全な勘違いですから〜

あなたが
自分に悪酔いし ....
呟いてみんなが損をする 小学生ぐらいの子供に

軽くおっちゃんと呼ばれる

私は年齢的にも充分おっちゃんの部類に入るのだが

おっちゃんは元々から

そうプラモデルのように

細部に至るまで

おっち ....
こんな遊びの
どこが面白いのさ
後ろの正面誰って
義太郎くんに
決まってるじゃないか
僕には
いつも
義太郎くんが
ついていてくれるんだよ
ねっ、義太郎くん!


僕は
義太 ....
日が落ちたら
手をつないで出かけよう
この世のきれいなものはみんなだれかのもの
まだだれのものにもなっていない一日を
この世でいちばんさいしょにみて
それを宝物みたいに抱いて別れよう
 ....
回収する気のない伏線を張る 故郷を思い浮かべ
ここがどこなのかを忘れる
東京の果てに海の広さを描く川で
僕はひとり 遠い国にいきたいと叫ぶ
水上バスが波を立てていく
橋の下にいる人々を思う
ざんどのしょりはすすんでいますか
じょせんのじっしはすすんでいますか

拝啓
最近とんとお話を聞かなくなりましたが、
ざんどさんお元気ですか
ほうしゃせんさんお元気ですか

東日本にば ....
    めざしのような
    ししゃものおなか眺めては  
    惚れたと思ったあの気持ち
    いったいどこへやったのか
    箸でみそ汁つついて探す
    夕餉の残 ....
この間観た映画の
タイトルなんだっけ
ほらっ、スピルバーグ監督で
トム・クルーズ主演のさ
ドイツ人が宇宙人と手を組んで
悪いことすんのを
子供とロボットと一緒に
過去に行って
恐竜連れ ....
 
 
ネズミもいた

アヒルもいた

犬もいた

小さいけれど
電気で動く遊具もあった

あっちにいるのは着ぐるみの
偽物ばかりではないか

そう言って
こども動物園の ....
アパート、贅沢な荷室

惰性の中で想われる 知らない人
知った風に 想われる人

私、贅沢な荷物

腹を空かせ、吹雪を想うひと時
 空は曇り/乱氷帯・ぬかるみ・吹雪・川
語彙と眼球と ....
週に二、三回ほど通る道の豆腐屋さん

ほんのときたま買って帰る

綺麗な水の中でひっそり漂う豆腐や

甘くてじゅわっと口の中で広がるお揚げさん

グレープフルーツぐらいに大きくて

 ....
亀とは
亀のようにゆっくりなペースで成長中の私の長女
この間9歳になった

その亀
学校以外の場所では
とっても朗らかでおしゃべりなのに
小学校入学以来
教室で全く口を利けない
少人 ....
salcoさんのおすすめリスト(4522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花曇り- 方舟自由詩813-3-19
カタツムリの抜け殻- るるりら自由詩28+*13-3-19
駅のホームと立ち食いそば屋- 灰泥軽茶自由詩18*13-3-19
リアルスマートペン- 花形新次自由詩113-3-18
一方通行の恋_逆走している- 北大路京 ...自由詩613-3-18
ジジ黒サンボ- 和田カマ ...自由詩5*13-3-18
パンクラチオン- 平瀬たか ...自由詩213-3-17
マルチ商法- 花形新次自由詩313-3-16
メカこいさん- 平瀬たか ...自由詩4*13-3-16
廃屋のかげ- 信天翁自由詩213-3-16
大量殺戮時代- atsuchan69自由詩7*13-3-16
サマーホリデー1994- 平瀬たか ...自由詩3*13-3-15
だってきみ、宿題やってないじゃん- カマキリ自由詩813-3-14
隠しきれない- 花形新次自由詩213-3-14
最終回- 平瀬たか ...自由詩9*13-3-14
丑三つ時- 梓ゆい自由詩213-3-13
震災と俄詩人- 花形新次自由詩113-3-13
呟いてみんなが損をする- 北大路京 ...自由詩213-3-13
昭和式おっちゃん- 灰泥軽茶自由詩7*13-3-13
背後霊- 花形新次自由詩113-3-12
宝物- はるな自由詩813-3-12
回収する気のない伏線を張る- 北大路京 ...自由詩913-3-12
隅田川の僕- 番田 自由詩313-3-12
おてがみ- ……とあ ...自由詩10*13-3-11
のようなもの- 石田とわ自由詩11*13-3-11
自爆例- 花形新次自由詩113-3-10
東京ディズニーランド- たもつ自由詩813-3-9
アグルーカ- 飯沼ふる ...自由詩413-3-9
豆腐夫婦- 灰泥軽茶自由詩5*13-3-8
亀のいちばん長い日- 夏美かを ...自由詩34*13-3-8

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