....
扇風機の駆動音と、蝉の声に紛れて、水の音がしている。彼はブリキのコップの中で魚眼を飼っていた。寝返りをうって、バタイユの文庫を相手に呪詛のような言葉を呟いている。彼女は何もきこえないふりをしながら、 ....
かなしみに
一番ちかい子はだれですか、
と
神様が聞いたら
だれも手をあげなかった
神様は
ため息をついて
ごほうびをあげるよ
と、
うしろを向いた
そのとたん、
....
雲のカーテンがめくれると
まぶしい青が隠れてた
みつけた
いたんだね
いっきにかけあがって抱きしめた
青空はひろい
わたしのすべては青にとける
生まれた生きた生きている
ぜ ....
義父は戦場へ行った。
避難所で生活する人々が
早くいつも通りの生活に戻ることができればと
戦場へ行った。
義母や主人は「もう若くないんだし、何かあったら」と反対したが
「私は、こ ....
23時の目覚め
「気が付きましたか?手術は終わりましたよ!」
オペ室のナースが俺の体を揺すった
体中に宇宙遊泳のようなチューブが施され
夢をショートカットして
俺は昼から夜へ一気に移動した
....
本棚を、好きな本だけで、
埋めてしまえば、
ぼくとゆう人間が、それで、
できあがるといい。
ところが、
彼女の家には、本どころか、
雑誌すら、一冊もない。
安っぽい家具、
ピンクの ....
風が流れている
夏の兆し
木漏れ日が揺れる
樹が鳴る
遠くから聞こえる
ざわめきに
ふと手をとめて
窓の外の世界に
目をやると
光と襞と陰りに満ちた
五月の地球だ
温かい空気に
....
昼下がりにお弁当を持って出かけよう
どこまでも続く碧い草原で
スコップを持って半歩先を進む
木の下に何かが埋まっていると信じているのだろうか
あるいは花の下に
机の下で小さく丸まって眠っ ....
なぜ詩なのか
面倒臭くて つい
手軽な言葉を投擲してしまった
口淋しくて つい
甘ったるい言葉を咀嚼してしまった
<優しさ>の優しくないアクや
& ....
あなたが
うとうとしはじめたのを
向かいのシートで
見ていました
とても疲れているんだと
僕は思って見ていました
鎌倉駅を過ぎたころ
周りに人はいなくなって
僕と二人になりました
....
中度の神経疾患に冒されて海を目指す
....
こいです
たぶん こいです
とししただし いけめんだし
たいいくかいけいだし
ぜんぜんたいぷじゃないのに
かんがえてしまいます
あたまのなか あなたになったみたいに
なにかあるた ....
海辺に立つきみを
寝転がってみあげると
そこには
そらを背負ってるきみがいる
温い泥に飲まれるような
平穏な日々だ
空はいよいよ青く
次の季節へ広がっている
{引用=
おともなく
とりがおちている
水色の
ふちの欠けたバケツに
吸殻を捨てる
おわった花火が
ひたされている
夏は、ここで
行き止まりだった
....
あくせくしているうちに
思いのほか
時間は過ぎてしまって
あのときの
美しいメロディも
素敵なシーンも
ふるえるような一節も
見逃してしまった
だけど
後悔はしていない
すべて ....
そういう風に
口が三つに分かれて
青いトイレットペーパーが濡れていく
少しでも 動けば
電話が鳴って
あなたの 紅い 風船が
割れていくのかな
水滴のサーカスが
雨に濡れて
三角 ....
夜がうごいた
なまぬるく
あかい月のためらい
翅をひろげる雲たち
思い思いに
駐車場わきで
黒猫がスーパーの袋かじってる
貧相でうすよごれて
でもどこか清楚
みずみずしく香るけだ ....
ぐんぐん ぐんぐん上昇していって
ふわん
平行になる
それが夜です
空はくろなのに
ところどころオレンジ
それが夜です
両手を静かに大きくひろげた
女神がいるよな
それが夜で ....
何のために生まれてきたかなんて
突然わかったり
わからなくなったりするのだろうね
そう木がいいました
木は私が生まれる前からそこにあったので
私が生まれた時から泣いているのが
おもしろくて ....
きつねがお嫁に行った後の
雨上がりのボンネット
ワイパーでいっぺ ....
石原都知事が圧勝と聞いた時
愕然とした
東日本大震災の原因が
日本人の我欲のせいだなんて言う
馬鹿者を支持する馬鹿者が
投票した者の中で大部分を占めるということ
そ ....
雨音にかき消されて
声が届かない
思いの半分も
伝えられない
それでも
きみは
苛立ちもせず
静かに
雨が止むのを
待っている
「心が透けて見えたらね」
そんなの
きみ ....
うまれたときから もっている
だれでも みんなもっている
おおきなたま になるたねを
きみの ちいさなてのなかに
そっとにぎって あたためる
ほんとうに ちいさなこのたまは
すこしずつ ....
『その木は邪魔だから切り落とすの』と
インテリぶった女が斧を振る
総ては解決済み
『雑誌は如何ですか?』と
差し出す薄汚れた手を
インテリぶった男が振り払う
総ては解決済み
いら ....
影のない陽光を
乱反射させている
柳のような
黒い葉の茂る
背の高い木が
見えている
窓を開けても
風は感じないが
それら木の葉は
ジリジリと
動いて見える
大きなカラス ....
アメリカ大統領が
ウサマ・ビランディンを
殺害したと発表した
そのニュースを聞いた時
違和感を感じた
殺害ってなんだ?
逮捕されて裁判にかけられて
処刑されたのならまだ分かる
....
世界中で170万人が死んで行く日々に寝たり起きたり仕事したりする
170万人が死んでいるから生きているのかとかそういう自覚は無く
かと言って140人ずつ増えて行く人間を育てる気も無いまま
眠たい ....
満員電車に
揺られて揺れて
月の明かりの
通勤帰り
霞む眼よ
車窓の景色は
夢現のなか
闇夜に溶ける
捨てた人生が
未練となって
今も引きずる
情けなさ
携帯片手に
駄文 ....
液化する非対称なわたしは
ずっとめまいがしてる
皮膚に火がつく
人なのに塩のにおいがする
午後なのにくじらがいる
音が破裂している
呼吸呼吸呼吸呼吸呼吸呼吸
呼吸呼吸 ....
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