仕事が全然ないのだよ
バイトも全然ないのだよ
なによりやる気がないのだよ
だいたい時期も悪いしね
季節は夏で無暗に暑いし
実際景気も悪いわけだし
だから今すこし私は待つよ
どうにかなるま ....
302号室の独身男がビデオデッキのスイッチを入れる頃
122号室の主婦は子供を寝かしつけてビールを飲む
209号室の小説家志望は10本目の煙草に火をつけて
501号室のOLは地元の彼に電話で愚痴 ....
呑まないと
ねむりかたすら分からない
昨夜よりやや
多目に注げ
満たされないものは何か
一人分の静かな夜が
季節の終わりに問いかけてくる

それを孤独と呼ぶ人もいるけれど
一人でいることと孤独は異なると
何時か何かの文章に書いてありました

{引用 ....
文脈を無視して進む身勝手な言葉をぜんぶ君にあげます


寂しいと脳が足りないふりをする
抱かれたいのは骨の奥まで
ランボルギーニミウラ
ポルシェ911
マセラッティボラ
ランチャストラトス
デトマソパンテーラ
フェラーリ308GTB


こどものころ覚えた名前
色あせた駄菓子屋のスーパーカー ....
ライブの帰り
新宿のバーに立ち寄った
あたしは

そこでもビールを2杯を
グイと飲み
いいぐあいに 酔っていた

もう 終電には間に合わない

あたしは 迷わずにその人の後に
つ ....
二十歳はいつかの幻想だった。
思い出が時計の針を進める。
ラジオがよく響く夜があり、
蟻が部屋を這い回る朝がある。
そんな時は、がらがらの電車にずっと揺られていたい。
私が景色に語りかけるの ....
海は広いの
子イルカが問う
海はどれだけ広いの
ここの何倍くらい広いの
どれだけ泳げば向こう側に着くのかな
子イルカは母イルカに問う
そして彼は
思い切り高く宙を飛び
母イルカにまとわ ....
僕は太陽を知らない

もう厭きてしまったの
最初から言ったはず
興味がなくなれば
一緒に居られない
君が泣こうが
無くなろうが
どうでもいいよ

月夜
鏡の前で囁く
いろいろな君のこだわりを
僕らはようやく
理解できるようになったけれど
それでもまだ
十分とは言えなくて

突然君が流した涙の理由を
推し量ろうとして
時々僕らは
右往左往する

 ....
若いよね〜
とちんちんの固さに感心されたので、
32歳ということにしておいた。
女は、
冷めたビッグマックのような42歳で、
体験入店と客には言えと、
お店に念を押されて来たらしかった ....
夏空からのさそいは、
手にあまる 光りの束

私は私が赤く錆びてしまわないように
少しばかりいばった母親の顔になって
子供達の好きなパンを焼く
summer’s kitchen

女の ....
イッテキマス
90ねんだい 好きだから
迷子になるより
先に恋して
魚が 跳ね
池の周りに 津波ができる
白の波紋が 広がっていく
ブラックバスも 跳ね回って
尾びれが 水面に絵を描く

川面では カブトや
クワガタが 飛び交っていった
アブラゼミも  ....
夕暮れてひぐらしの声カナカナと大地と私の火照りを鎮める 不確かな全てを確かなものにしていく
ひまわり柄のワンピースを見ていた
あなたに、
わたしの中でずっと壊したかった
砂時計が初めて音を立てる

ギターの弦をやさしく弾かれた瞬間、
見失った ....
小林製薬の糸ようじを使って
歯と歯の間を綺麗にしようと
土曜日のわたしは思い立って
ゴムサンダルに変な柄シャツ
寝ぐせと無精髭で出かけたら
HONDA DIO ZXに搭乗した
ヤンキーの人 ....
おおらかに
清らかに
忍耐をもって
強く生きる

私自身の
目標です
お金にばかり
執着しすぎないこと
欲張らないこと
見栄張らない
威張らない

何が起きても
どんな
 ....
遺影の視線は遠い
叔母は この荒れた庭の様相を
予想していただろうか。

二十年近く、庭の入口に置かれたままの
雨曝しの軽トラックの窓から
自生した花が突き出ていた。

自宅菜園の畑は ....
まっすぐにしか
生きられない

だから
いいことも
わるいことも

真正面からうけてしまう

苦しむ
悩む

ジタバタする

コトバの裏を
読みとれない

未熟

 ....
君の用事を手伝って古い港に僕はゆく
頭上は悲惨な曇り空、八時というのに薄闇で
足下転がる野良の子猫は適度に餌を期待する
「午後には雨が降るらしいからなるべく早いうちがいい」
 ....
空を聞こう
いつまでも
こうして

遠くから
友達の声がした
そこまで辿り着けない
何が見える?
もう一度話して。
寝る前の入浴
妻は顔と手と
背中を
すっかり
洗ってこすってくれた

それから
ぐっすり寝て
朝の鏡には
若くなった
自分が

ありがとう妻よ
君のために
こうして詩を ....
どんな時も星空はある。
雨の夕方にも曇りの真夜中にも
青々と広がる空が頭上にあるときも。
その青空の、雨雲の、曇天の、
その上には常に闇があり星があり、
この世は闇に閉ざされた空間こそが常で ....
峠を越えると
雨は止み
雲の隙間から
一筋の
光が降りていた

神様が
父を迎えにきたのだ
私を待たずに

もう何もない
父の体を抱く
まだあたたかいのは
生きて ....
我ながら







夢見てんなよ









そう思う













 ....
ぼくは遠い火になりたかった


ビルのかげや
山のむこうで
ちらちらと


ときおり
消えたみたいに見える


ながくながく燃える遠い火に


 ....
「はい、二五十円ね」
安さ(そこそこうまい)が自慢の弁当や
座って食べれる気さくなところ

小さな厨房は午前二時から真夏の修羅場で
汗と油と大さじ少々がフライパンのような熱でうたって踊る
 ....
尖った耳の荒地から
顧みられぬ広場まで
青と灰と青と灰
敷きつめられては動いている


手から手へ
骨から骨へ
やわらかく淡い月齢をひらき
ふたたびみたび閉じてゆ ....
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