Y一家北国に行く
鹿児島から、蒸気機関車にて
二晩寝て座席から転げ落ちた

到着、霜月、小雪

窓から永遠に降る雪を
あきず眺めた

二階まで積雪
道から雪の階段を下りて
やっと ....
雨の降りはじめる 特別な においがして
猫のヒゲがゆれる
森の虫が 鳴いて その余韻の先で
おこめのたける匂いは
のりしろのにおい 

やま と たに を
のりづけしようと  ....
  冬の陽ざしは微笑みのよう
  内にこもった人にさえ顔を上げさせる

  たわわに実ったナナカマドの木の下を
  赤いランドセルがかけてゆく
 
  もしも私に娘がいたなら
  こんな ....
アラジンの石油ストーブを
幾度目かのオーバーホールに出しながら考える
うちらがセックスをしなくなった理由。
笑顔を依頼された
王が
各地を巡って
拮抗する賛成派と反対派の
籤によって定ま ....
 
 
ひまわりの振りをして 
きみが咲いている 
太陽の方を向いて 
きれいに咲いている 
ぼくは影の振りをして 
地面に横たわる 
こうしていると何だかとっても 
時間の無駄だね ....
見えないものに
なりたいな

癒えないものに
なりたいな


光らぬものに
なるもよし

至らぬものに
なるもよし


切れないものに
なれるかな

消えないもの ....
そうして僕は
誰かを思う
僕自身のことを忘れるとき
虫けらである 僕がいる

Yの充たされた世界の中に
「赤ちゃん」というものが登場した
期待するように長くトレーニングされていた
?印のものを待つ日々

ぷるぷるの柔らかな
泣いたり笑ったりするオトート
その ....
持って生まれたものだろうか
掛け値なしに優しい
そんな人がいた
悲しい子のそばに
すっと身を寄せ
震える肩に手をおいて
「大丈夫だよ」って
さり気なく言えるような
まだ年端もいかないこ ....
時計台の裏側から
針が回るのを見てみれば
この世界の裏側から
時が過ぎるのを見るようで

次元が違うところにいるような
不思議な感覚に陥る

思えばこの世界は
時が過ぎるのを
 ....
知らない森を歩き
知らない木の実を捥ぎ
知らない蜜を舐めて
知らない水を飲む


細胞は情報を更新して
肉体は塗り替えられる
それまでのようでそれ ....
アレクサンダー・カルダーが好きで




ヘンリー・ムーアと高村光太郎が嫌いで






ブランクーシの接吻が ....
  児童公園は
  冬の日暮れ
  とうめいな影がつどい



  塗装のはげた
  ブランコの揺れる下
  ついたりきえたり
  ついたり
  きえたり



  ....
ひろげたお店を片付ける

そしてトイレで用を足したなら必ず水を流す

便器の底を覗けば
生きてきた私自身の素性が判る




早や店じまいの季節になったものだと
ひろげすぎた店 ....
 
 
身体と言葉の境界に沿って
路面電車が夜を走る
ミルクをつなぐ、世界はまだ
つぶやきをやめない

みんな季節
みんな瞬間
みんな波、その動き
みんないつか
割れていきたい
 ....
グラウンド・ゼロに何が建つのか
私は知らない

おそらく
洒落たショッピングセンターと
御影石のモニュメント

原爆ドームを見上げると
青空が見える

ドームの小ささを
私たちは ....
バックパックしてた頃の話だ

小屋みたいなバス停だった

そのバス停にはとうとうバスが来なかった

あたりは畑で夜は誰もいなくなった

月明かりで視界は良好だった

平安時代ってこ ....
君が味噌汁を作るたびに
君がクリームシチューを作るたびに
君が鍋焼きうどんを作るたびに
君が本格的インドカレーを作るたびに
僕はそれを煮詰めたいと思うんだ

君が風呂に浸かるたびに
君が ....
愚かでみじめなトロージャンは
















最後にた ....
世界は言葉で出来ている!

れんこんの泥沼で叫ぶ半裸の男

もしも彼の尻に痣があったら

似ているのではない。そのまま存在と本質である

隠然たるその鼻息は世界を凍らし

笑いと共 ....
広大な八柱霊園の
松飛台門のそばの
御影石のそこそこの墓

運のよいYの弟が一度で引き当てた都営の墓地に
小さな喪服の一団が派手な祭壇をこしらえて
供物を盛った
多くの病の最後は餓死、Y ....
今年も庭の柿がたくさん採れたから
喜ぶ顔思い浮かべて
孫のところに送ろうと思うの
若い頃のあなたは
荷造りが上手だったわね
どんな大きな荷物でも
まるで手品のように紐をかけた
でも、今は ....
男の話



浅くなった眠りの中で
蹄の音がしていた
となりで眠っていると思った男が
雌の鹿だといった

森の
そんな においのする男だった

神さんの住むという深山の
山間 ....
猫を撫でたあとで
優しさは書かない

返信を待ち焦がれても
淋しさは書かない

軍鶏鍋を食ったからといって
美味しさは書かない

マニュアルをなぞったつもりで
愚かしさは書かな ....
雨降れば、君はそこに

風止めば、君はそこに

僕はどこにでもいる

君の中にも 僕の中にも

雨降れば、君はそこに

風止めば、君はそこに
僕らは終業のチャイムが鳴ると
思い思いの未来へと駈け出して行った
他より少しだけ辛いことの多い彼女だって
絶望なんて言葉は記憶のどこを探したってなくて
晴れやかな表情は期待のあらわれそのものだ ....
どす黒い流動体の官能的な変化だ、分類されなかったあらゆる感情を生のまま飲み込みながら、軟体動物の様なその姿を次第に巨大に膨らませ、中枢の重要なポイントに禍々しい液体で穴を開けようとする、欠 ....
陽のゆらめくところ
わたしのくるぶしに
流れと温度がある
木陰にいる
水もある
沈む
木の上のほうへ
沈みあがる
すでにばらばらで
ある 長い
肉は、
海の水を掴んで
し ....
夕焼けに飛行ねこが飛んでゆく

夕焼けに飛行ねこはあうのだそうだ

赤く熟れたトマトとクリームチーズくらいに

飛行ねこは大きな群れをつくり

それはまるでひとつの地平線を形成している ....
あの{ルビ鋼=はがね}の壁を
いつしか破れると信じて
今日まで生きてきた

壁一直線に何度も叩いた拳は
赤鬼よりも おどろおどろしく
涼しげな白の壁が 次第に青くなっていく

この一振 ....
salcoさんのおすすめリスト(4522)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青森行き- 木原東子自由詩10*11-12-1
桃源郷- るるりら自由詩11*11-12-1
もしもわたしに娘がいたなら- ただのみ ...自由詩7*11-11-30
王の突起物- シリ・カ ...自由詩111-11-30
増えていく- たもつ自由詩1311-11-30
うてな- 千波 一 ...自由詩5*11-11-30
いつか、あなたと出会えたら- 番田 自由詩111-11-30
はじかれたけれども- 木原東子自由詩5+*11-11-29
ダメ人間なのは昔からだし、これからもずっとそうだ- 花形新次自由詩2*11-11-29
楽園- Seia自由詩6*11-11-29
こころは瞬くうちに- ホロウ・ ...自由詩2*11-11-28
アレクサンダー・カルダー- TAT自由詩3*11-11-28
児童公園- 草野春心自由詩411-11-28
旬なひと- 恋月 ぴ ...自由詩2311-11-28
罫線- たもつ自由詩911-11-27
グラウンド・ゼロ- umineko自由詩17*11-11-27
エジプトの木- 吉岡ペペ ...自由詩411-11-25
煮詰めてみたい- 花形新次自由詩3*11-11-24
カモメの宝さがしの唄- TAT自由詩5*11-11-24
01_Ceremony.wma「哄笑の始末」- 非在の虹自由詩311-11-24
御影石- 木原東子自由詩5*11-11-24
柿の木のある家- 西天 龍自由詩411-11-24
私ごと- 月乃助自由詩711-11-23
嘘っぱち- nonya自由詩25*11-11-23
君はそこに- yamadahifumi自由詩311-11-23
僕らの季節- 花形新次自由詩2*11-11-21
煤けた夜- ホロウ・ ...自由詩2+*11-11-20
三本目- 根岸 薫自由詩1*11-11-20
平行世界、飛行ねこの沈黙- 宮岡絵美自由詩611-11-20
- subaru★自由詩16*11-11-20

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151