はやくふわふわしてくださいというかきこみをしたが
ふわふわされるまえに相手が脳卒中で倒れて一生会えなくなる
ふわふわするというのは
手にふわふわしたものを装着して
それを用いて皮膚にふわふ ....
歩き疲れて立ち止まる
道に雨が降り出して
静かに静かに降り出して
道に輝く石畳
次第に次第に濡れてくる
並木の青いプラタナス
静かに静かに濡れてくる
歯を食いしばり空を見る
見 ....
横顔にぴしぴしグマアミグヮー
濡れぼそりながら
私たち家族おまえの骨を探して歩くさぁ
野原道を彷徨うよ
さっきまでね、
青く尖った蘇鉄が生い茂る庭先にいた
玉虫は突き刺されて
空に ....
つきがこうばん たべました
けいかん ギャングをついせきちゅう
あとの あきちはタンポポの
しゅうかいじょうに なりました
+
かたちのない としょかんで
かたちのない ほんを ....
残暑
残暑
サイザンショ
あんまり暑くて
ノーブラユー
とは言っても、
「トニーさん、
秋はもうそこまで
やって来ているわけで・・」
ガー、ガー、ザ、ザザザー
ここ ....
予報では猛暑日という朝
雨戸とガラス戸をあけても
レースのカーテンは脈を打たない
我が家の血は死んでしまったのか
隣りの公園から主婦らしい会話が漏れてきた
犬の散歩同志というだけのようだ ....
優しさの詰まった袋があったら
ひとつでいいから分けてほしい
哀しみの詰まった袋があったら
僕の哀しみも入れてほしい
沢山の傷と
少しだけの笑顔
僕の人生の袋には
何が詰まって ....
おさない頃
倉庫に閉じこめられた
なにか悪さを
したのかもしれない
わたしは泣いた
父の足音が遠ざかり
もうだめかと思っていると
ふたたび父の足音が近づいてきて
鍵があ ....
月に2回くらいの間隔で
あたしは 言霊を吼えたくなる
嵐が来るという
嵐の夜の朗読会は燃える
みんな 燃えてる
あたしの名前が呼ばれる
いつも 何だか一番目
朗読会に ....
ふたりで眠り込んだベッドの窓辺には
二週間まえ満月と金星がいてくれた
急斜面に生えた常緑樹たちの縁どりが
この五年かんおまえに微笑んでくれていたんだね
みどりになりたいよ
....
徹夜明けで深い眠りのはずが
妻の巨大な鼾に起こされた
鬼の居ぬ間の洗濯…
そんな言葉が鼻先をよぎる
買い物ブギなぼくは
一日のうち5%程度はスーパーで過ごしたいのだけれど
鉄拳宰相はそれを ....
僕には複雑な日
多くの人の何にもない日 はっきりと
僕にとっては そんな気がする
僕の誕生日の 一日が 終わった
海の縁で
海水に疑似エサを垂れた
ラジオ局の 聞いていた
....
やさしい気持ちは
赤子のむせび泣くそれに
似ているかもしれない
なにがやさしさなのか
わからなくなることがある
ただ強く抱きしめるだけのうそも
飴をひとつぶあげる掌も
好きという ....
あなたを信じて
涙降る
もう来ちゃいかがと
カッコウが鳴く
カッコウ♪
カッコウ♪
ああ
京急デパート
大きいサイズの紳士服専門店
「5L以上は取り扱っておりません」
....
産婦人科の女医の
知り合いもいなければ
メメクラゲに左腕を噛まれた
覚えもありません。
しかし、左腕が痺れてます。
左腕の痺れは
ネジの絞めすぎだと
何かの本に書いてあったので、
....
腹に固形物が入らない
変なドリンクだけで
晩飯済ます
腹へって
腹へって
とてもやりきれない
この飢えた狼のような獰猛さを
だれかに
向けようか
「ちょっといい加減にしてくれ ....
もう解約したはずの
父のメールアドレスに
メールを送る
すぐに返事がくる
なんだ
やっぱり生きていたのだ
Delivery Status Notification (Fai ....
久しぶりに実家へ行った
1年ぶりのことだ
改装したとは聞いていた
ただいま
真新しい 木目の引き戸を開け
急な階段をずんずんと
上がっていった
あれ?
あたしの部屋で ....
ぼくの話を聞いてほしい。
女の子の話で、
タイガーウッズでもないのに、
なんらかの依存症のはなしだ。
日曜日に、指名料をけちって、
フリーで呼んだ女は、最低だった。
気に入らない女 ....
真夜中に揺り起こされた
見知らぬ男が側にいた
男は声を潜めて、島を焼く、と短く言った
これから島を焼くのだという
どこへでも好きなところへ逃げろ、そう呟いて ....
動物は恐いな。だって、言葉が通じないんだもの、わかりあえないよ。でも僕が恐いと思うのはライオンさんとかで、僕がライオンさんとかを恐いと思うのは、僕は食べ物じゃありません、っていう人間の勝手な理屈が通 ....
弟と拾ってきた仔犬
団地では飼えないからと母にきつく言われ
泣く泣く拾った場所へ戻してきた次の日
くんくんと悲しそうな鳴き声忘れられなくて
自転車に乗り夢見ヶ崎まで
小高い丘の上には ....
向日葵と背比べをして眺めてる庭の借景南アルプス
眩いばかりの夜景
愛を語らう恋人の横で
血を流してる男がいる
腐った内臓から異臭を放ち
神経の切れた手首は紅く染まっている
誰も気にかけない
苦しみは男だけのもの
夏の蝉のよ ....
私にバケツは揺れる
あなたのものは何も無い 流れていこう
きっと魚など無い未来なのだ そこにはどこかで
無いものとして ここへとあることもなく
今日は河原を歩いてきた
昨日の魚は ....
あたしは 猫
ココのママに7年前
野良でいたところを
拾われたの
それから
ずっと お腹の空くこと
ないわね
たっぷりのミルクで
ママが育てて
くれたの
にんげんの ....
政治の茶番劇場だの上映するテレビ局
どうでもいい世間の井戸端会議参加する犬養婦人
無用の回覧板になぜ印鑑が必要か
ステーキにしいただく
そうしたものが肝機能をダメにして
....
真冬の寒い日
葉がすべて落ちて
魚の骨が起立する
銀杏並木の坂を
ゆったりと降りて行く
僕は何の理由か気づかずに
気づかないまま
躓いてしまった
小石一つ無い道だったはずなのに
....
あとで何も思い出せないくらいの人生を生きたい
あの時あそこで何をどんだけ食べたとか
そのあと誰かと湖の閉鎖中のボート乗り場で
かなりきわどいところまで乳繰り合ったとか
そんなことど ....
私を叱った検察官と町で会う向こうは私の顔を忘れて
勉強の合間に聴いた音楽と外を吹く風重ねて聴いた
駅前を歩く猫がさっと走るそういう感情がふと湧いてきた
思想からさらに思想へとはしごし ....
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