シュワシュワと無音の時計の一秒一分一時間を
見ていた
見ていた
見ていた


奇声と罵声といくつかの睦言をすり抜けていく十字路で
見ていた
見ていた
見ていた


耳の奥に響く ....
だらだらと
二人でテレビ
観ていたが
正座したよな?w
高山Xドン・フライ
千代田線で
背の低い女が
目の前に立ち
ぼくは痴漢と間違われないように
満員電車ではいつも
腕を組むか
両手でつり革をつかむか
本を読むことにしている


暑すぎる夏の朝だった ....
{画像=101015121000.jpg}


君はどこに行っていたのと
神話が問いかける
ここまで
ずいぶんと時間をかけて
きたのに
ほんのちょっとの不在で
だいなしにしたね、と
 ....
水は重く、水は重く
地に深く沈みこんでいる

岩陰に臍のように窪んだ一角
降り井戸の底の暗がりに残された一匹の
赤い鎧を着た魚
地の底よりふたたび湧き出してくるものを
みつめる黒 ....
男の声は人に聞こえない響きで
褐色の空気が いつもあるだけ
暮れ行く夜明け前の時の中で
ただ 流れる 女の影に群青色を見る


一つを手中にしようとする
そこにゆらめく湖に 何一つ無い
 ....
愛こそ全てだとか何だとか
よくわかりもしねー情報を耳から流し込んできたけれど
結局は世の中で一番強いのは現金じゃん
みたいな話をして
親を泣かせるのは親不孝なんだろうか
綺麗事で飯喰えるなら ....
「ここではないどこか」って場所 この世には沢山あるけど私にはない




唯一の救いのようにさよならをいう文のなかに誤字をさがす日




うそつきは大嫌いだっていううそを ....
全裸の老婆が
鈍器を振り上げ
自らのあばらめがけ
グシャッと打ち下ろした
腐った板の胸は破け
闇夜の口からは
アスベストの霧が出た

胸の割れた老婆は
次に右膝を潰し
その次に左膝 ....
今夜も貴女は結構キレイで












貴女は実際問題大台越えてるししゃもの毒リンゴで
 ....
あなたを思うのは
まだ青い霧がたちこめる夜明け前
それとも名も知れぬ花が香る陽のひかり
夜がやってくる吐息のまにまに


あなたを求めるのは
後れ毛が風に震えるようにひそかに
梢の青い ....
遠く時空を超えると
幼い君がいた
「おとーたん、どうじょ」
ぷつんと もいだ野紺菊を
ぷるぷるふるえる手で差し出す
薄紫の舌状花をつけた花
稲藁のにおいがする午後の柔らかい日差しの中
君 ....
断片的に腐敗してゆく
囚われの大地に
種子が落ちて芽吹き
雨が枯れようと
禍々しさのない陽に
両の手を広げ
受け入れる

知識を持たず
本性に従って生きるものたち

裸の木立 ....
 そこには、証明写真の撮影機が立っていた。ボックス型のよく見かける何の変哲もないものだ。奇妙なのは、それが設置されている場所である。なぜ公園の真ん中に置いてあるのか。

 私は昼食 ....
 朝、日差しが差し込んで、私は目覚めました。いつもと同じように、なかば夢見心地でトイレへ向かうと、ドアの隙間から明かりが漏れています。私は一人暮らしでしたので、これはおかしいと思いまし ....  
 
シーソーの上に水羊羹
その意味の無い重さ
恋が終わる
 
+
 
ベランダから洗濯物が落ちていく
どうしようもないのに
シクラメンが咲いている
 
+
 
乾いた側 ....
なじみの中華屋さんへ行き
日替わりを頼み
こころを込めて作るので
時間がかかる場合があります
という貼り紙を見つめ
ぼんやり
この世のはかなさについて考える


ふととなりを見ると
 ....
ハーリーガニ が高らかに鳴り響けば
雨が上がったばかりの濡れた砂利道を
南風にまぎれてサトウキビの匂いをまとう
誰もが浜辺に集まって来る
普段は森の奥に潜んでいる精霊や屋敷神さえ
肩を組 ....
望月

謡うもの。
遥か彼方より天が下まで。降れて。
方位は陽の沈んだ場所より東であり
影から岬の先端まで。
いつか必ず絶えるからこその
願い。
月を枕にし給いて
気の踊り。
 ....
【くちなしの実】

夏のわたしの 誕生日、その朝 発した言葉は
おはようでも こんにちわでもなく
「くちなし」 だった
 
喋れなくなるほどに
薫る高貴な色彩の白
雫 ....
「仕事に貴賎なし」で渡りあるく


暗証とID
待機室はいくつものセキュリティチェックをくぐった先にある
「夢のバイト。ジャンボ機ですよね」
マニアは聞けばいろいろ教えてくれるが
夜の羽 ....
遠くにいったのは
躯だけだよ
いつも傍には
冬の匂い
 
 
みあげると
よぞらである

ほしひとつない
わたしのひふの
うちがわである

こえがとどく

あなたのよぞらから
わたしのよぞらへ

ろっこつを
ひからせるのは
 ....
私は死んだ浮浪者だ
街の中の地獄を見させられた 私は
私の体を時代の中から探させられた 
与えられた 自分を私は捨てた
私の望んだ夢の 現実を 否定させられた


心の幸せのかけらなどひ ....
高崎線に乗り換えると
電車の調子が悪いのか
モーター音がいつもより大きい
回転数の上昇に合わせて甲高くなり
惰行から力行に入れるとまた悲鳴をあげる

あぁ懐かしい
吊り掛け駆動だ

 ....
{引用=
照準を定められて
打ち出されていく……
日々
同じ筒に入れられ
あの遠い高台へと
打ち込まれていく
体中に砂が詰まっている
目が見えない
視界が充血している

人魚たち ....
ネクタイを締めてる今も本質は
ガテン気質の早仕舞い主義
空には虹色をした魚の天使たちが満ち
人々は時々輪郭を失くしながら行き交っている
その人々のあいだを
宛名を手書きされた手紙たちが
それぞれの行き先へと急いでいるのが見える
街はずれの丘の上で ....
真っ直ぐな道は歩きづらい
かと言って迷路みたいでも困るのだけど
適度に曲がりくねっていて
ちょうど昔ながらの畦道のように
赤い帽子によだれかけしたお地蔵さんが祀られているとか
時には肥だめみ ....
いつかカンちゃんと行った
映画がまた来るでごじゃるよ
壺から抜け出して
アクビとふたりで出かけたでごじゃるよ
(カンちゃんはどこへ行ったでごじゃるか?)

悲しい場面
(例)人質になった ....
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