つゆむらさき
唐草フウ

そう厚くない 空の層から
シャワーは今日もふる
せせらぐのは 大気の雑踏内を
散歩するようなきもちにして

がくぶちに青から赤
藍から藤へと染めこんで
雨が恋する



さみしい花なら
頬紅ぬれて
咲き誇るのをよそに
小走りしたいような心境の娘
待ってな
つよくなる夏まで

つゆむらさきは
雨が途切れたころに
おわかれだと
誰もしっていた気がする

時は過ぎて 空の層は少しずつ
めくれてゆく
次は日没に空で逢おうと
つゆむらさきは星に投げかけた
すこし 誇らしげになって




自由詩 つゆむらさき Copyright 唐草フウ 2007-07-03 06:19:53
notebook Home 戻る