駆ける丘
霜天

遮らない丘
ひとつを声に出してみれば
心音
と、一日の間で生れ落ちていくもののような
確かな揺らぎを伴った答えが
僕らの間には流れ込んでいる
広い、広い丘
両手を広げれば満ち足りていくような
浸透する言葉は途方もなく
その足元で枯れていく言葉が
何かを、残そうとするのを


語り継げる夢は、語るだけある
その日、確かに母は飛びたかったのだ
駆ける丘、遮らない空がある
手を伸ばせば何処へでも繋がる
心音はここでも聞こえてくる


途切れたことに、終わりはなく
繋いだ線はほんの一部分で
声は遠く次を見ている
遮らない丘
心音にのせる一言を
欠片に埋まる世界に見ている
その丘



自由詩 駆ける丘 Copyright 霜天 2007-06-29 01:32:44
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