口笛が遠くまで聞こえるのは
まわりに誰もいなかったからだ
分かっていたんだろう


少女よ
どこにも行かなくていい
君が知ってる誰もかもは
どうせ君の知らない場所で笑っている


 ....
何度ささやいたかわからない
あいしている
のうち
一度だけは
「哀している」
と言ったのだ
きみは気づかないが

かなしもまた愛し
あいしもまた哀し

きみが肩に頭をのせているあ ....
よくあるタイプの夜だった
目は!ラン!として
窓の外がテレビの中にあった海を
ぐっと伸ばし
カジるとカルシウムの味が漂って
観測衛星になった

鏡へ吸い付いたりもしたけど
(朝日や夕日 ....
前の日の晩から決まっていたので
目が覚めてすぐ
はなうたを歌った

朝ごはんを食べるときも
はなうたで
納豆ごはんと大根のお味噌汁だ
やってみようとも思わなかったので
今まで知らなかっ ....
桟橋を子供が
ぞろぞろ歩き

海にどんどん
落ちて行く

それは困るので
番をする事にした

子供の向きを次々と
くるくる変えて戻す

飯も食わずに番をしたので
僕は死んだ
 ....
ある日

ヒゲが全然剃れないので
やけに切れないカミソリだなと思ったら

カミリソだった

そりゃそうだ


*


ある日

ヒゲを剃っている途中
カミソリにカミリソ ....
ひそかな微笑という呪い‐
に、そう、
この繋げられた血管に
網の目の、繊維‐
質の。
封じられ、封じ‐
込められた、思い、意識、
純粋なかたち。

かすかに起伏した‐
皮膚の、白色 ....
あくまで単調なリズムだ。
              バニー、バニー、バニー、
黒いタイツのバニー。
酔っ払いを左右に{ルビ侍=はべ}らせて、
見るは{ルビ開聞岳=さつまふじ}のてっぺんのくす ....
輝くツリーがキラキラと街を行く人がさわさわと
なんだか悲しく見えるのです
何故でしょう?何故でしょう?何故なのでしょう?
音が無い奇跡をいたただいたというのに・・・・。

ここから見える景色 ....
未だかつて
私は新鮮な驚きを知らない
昔 {注大きな船=黒船}を見た人のような
新鮮な驚きを私は知らない

私達はどうでもいいことを
知りすぎた
高度な文明の中で
そうして忘れたもの  ....
君が投げた
寂しさに透き通ったボールが
あちこち跳ね返って
やっと
僕に届いた

受け取った僕の
縮こまる胸の奥が
痛い痛いと
一人泣く

あの日
遠くを見て笑う僕を見ていた
 ....
あなたからの連絡が着たことを告げる機械音だけで
あなたの声を思い浮べただけで
あなたの言った言葉を反復するだけで
あなたの顔を思い浮かべただけで
こんなにもあふれ出る涙の味は
悲しさではなく ....
ページ1)
  両腕 輪をつくり
  幹を抱き

  右手と左手 届かないけれど
  つながった 気がしたり

  うん 抱かれるよりも 抱きたいみたいな

  この太さ 男の子
 ....
1人で歩く冬の小道で
手を真っ赤にしながら 慣れない手つきで吸う煙草
白い視線をあたしに送る 知り合いのおばさん
目が合ったとき おばさんはよそを向いた
おばさんは白い視線を送るのに
あたし ....
座卓にころがる
おちょうしが三本
テレビは巨人-阪神戦
おつまみは枝豆と鮭とば
外では蛙が鳴いている

夏の 夜

       
(ストラーイック!バッターアウト!
 ....
照り返しの眩しい白い階段をのぼる
六六段を数える
栗の木の緑がむせる
コンクリートの階段だ。

後ろを振り向くとまだのぼってくる人がいる。

毎朝沢山の伝票を抱え
昔のぼった経理部への ....
灰が積もってゆく
鬼百合の傘をさしていると
晴れた日のようだ
 初雪ですね
 はい、きれいですね
火山灰は肩に降り積もる

  *

葉がチル
玄米茶のスカートをはいていると
町 ....
三丁目の角を曲がったところでふと
君の匂いを感じたとき
なんてことないと思っていたのに

電子レンジに卵を入れて
しばらく眺めてから取り出し
破裂するかどうかを少しだけ考える
あれと似て ....
たとえば
男の手を盗み見て
どの指を入れているんだろうかと
思案するとき
大抵中指なのだろうが
どうでもいいが本当は薬指を入れるべきだ
と思う
覗き込むように真剣に
見つめて
「 ....
ゆるゆるるゆるゆっ。排泄物。
あのトイレは混んでいて、このトイレはガラガラ。

もう、どうしようもないくらいお腹が痛いのに
混んでいるほうのトイレはとても魅力的で。

セックスであろうがロ ....
一体何がやって来たのか
我々は知っていた
我々は賢明だった
だから―

     ―枯木を飾るようなことはしなかった

何時風が吹いたか
何時夜が輝いたか
誰が知り得よう
夜は水の ....
今夜もまた
毛布を
かける側と
かけられる側に
わかたれる

夜ごと
息絶えてしまう人々のせいで
仕事のない両手と
凍える胸たちが
あぶれてゆく

失った者たちは
寝どこ ....
ある朝
右のみみがきこえなくなりました

ある朝
左手のこゆびがうごかなくなりました

ある朝
右のあしくびがまがらなくなりました

ある朝
左のめがみえなくなりました

わた ....
君がいつまでも気にして
うつむいているので

木の精だよ
気にするな

なんて言うわけないのだが
君にはそう聴こえたようで

わしは百歳じゃ

と低い声で
木の精の物真似をする ....
ブーーンンンンンン....


薔薇の蜜は動物の汗のように、ねっとりとしている。
と、想いながら、
登る。
三輪山は緑の茨だった。登山道は熱帯雨林にのた打つ大蛇のように白くノーブルに
米 ....
白いテーブルクロスに
白い皿
ナイフとフォークに
サラダとワイン
ポタージュスープに
若鶏のエヒフ

ここでなければならない理由は
おそらく無いはず
地形は平坦でいて
入り組んでい ....
お久しぶりと
声をかけると
愛人は
この愛人はとてもよくできた愛人なので
泣いたり駄々をこねたりせずに
お久しぶりと
笑ってくれる

「連絡取れなくてごめんね。元気だった? ....
蒼いトゥインゴがエンジンを止めた
雨がしとしとと降っていて
少しだけ埃の匂いがする
人通りはあまりなく
時々カラフルな傘が
フランス生まれのトゥインゴを隠した

 ....
この指に「とまれ」と名前をつけたら
隣り合っているほかの指には、やはり
「とまら」「とまり」「とまる」「とまろ」
と、五段活用させて名づけるべきなのか
あるいは
「すすめ」「まがれ」「う ....
ある朝 鏡を見ると
もうひとつ 口ができていた
口の横が 赤く腫れて
みるみる膨れあがり
ぱっくりと割れた
もうひとつの口は
本物の口より大きくなった

もうひとつの口は
思いも ....
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