縁側
手相を診てあげる
と広げさせた手のひらの大きな皺は
私とそっくりで
ああ、こんなところにも
血が隠れとった
と同じ眉をして笑った
今年も本家から柿が届いたから
....
青信号の色は淡い水色にちょっと緑色がかっていて
クシャミとも咳ともつかぬ勢いですり抜ける
ぼくらは
マンホールの下に流される水の色を確かめる術がないので
黒い地面の バリエーションにとんだ想像 ....
散る花と天馬のかたわら舞い踊る
あなたの名前わたしの名前
一日に何度もひとりで水族館
イルカ生きとるクリオネ死んどる
....
ちゃぶ台にて
祖母が
むく
ひび割れた
湯飲みの
影が
長く伸びる
練炭の
匂い
かつて,
妹が
一酸化中毒になりかけた
ちゃぶ台の
祖母は
萎びていた
....
水槽の中ですっぽんが首を伸ばして
息継ぎをしている
明日のことを考えているのか
昨日のことを考えているのか
何を考えているのか分からないが
じい っと
月を見ている
もうすぐ月がしずむ
....
受精した瞬間選別される
年老いて死ぬ時にも選別される
優秀な種だけコピーしてふやす
人が生まれ人が生き人が死にます
男の数女の数もおもうまま
ついこの間カミサマが死んだ雲間
ニ ....
「小さくなったら、白雪姫になりたい」んです。
あのかわいいドレスを着て、王子様とそれはそれは幸せに暮らしたいのです。
ネジを緩めたりね、
土に触れたりして、
得たものをどう致しましょうか。 ....
{引用=詩集『カエルトコ』より; 5}
●可愛いチンポコ
※
可愛いチンポコ 誰のもの
可愛いチンポコ 誰のもの
可愛いチンポコ 誰のもの
いえ チンポコ独り者
うつむくチンポ ....
ほら、
いともかんたんに
あなたは
左手のくすり指を
さしだして
わたしは
それを
いのち のように
噛んでいる
あなたは
まるで
あいしてる の延長
みたい
....
丸まったマフラーがぼくらの頭に見えます
黒かったので
そういえば ぼくの20万円はたいた
この出入口も黒いのですが
むかし 色はつくれません
ぼくらは 植物と一緒にくらしてきたので
R ....
とうさん
せんせいのおはなしには
ぼくらでてこなかったね
ぼくやまねこさんのように
どんぐりのさいばんしたかったな
くらむぼんみたいな友達ほし ....
老いたるロメオ
命の根源を
回復するためにロメオ
二十四時間を
眠りつづけて浮かぬ顔
麟太郎の幸
『あかるい黄粉餅』
満喫してのち
帰って来た町
秋の日は落ち
....
耳鳴りが
止んで
はじめて耳鳴りに
気がつく
たった今も
消えなければ解らない
何かに包まれているのかもしれない
デートですか
どこに行きますか
映画の後にお茶でしょうか
順当ですね
ところで春ですから
サルスベリの下でりんごでも齧りましょうか
芯はくださいね
紅茶に ....
熱いものを触ったときに耳を触るってのはよくやることだけど、実はあまりやらないことだ。まあ、こんなことはどうだっていいんだ。おれが言いたいのは、一つしかない。餃子を食いたい。ラー油 ....
海の波の音を聴きながら
他愛のない会話をたのしむ
三年目の二人なのだから
空も海も馴染んだアルバム
月光に濡れる椰子の葉叢
思い出すら風景に沈む
寄せて来る海の波さながら
日 ....
ふるさとに帰ろうと
僕が心に思うとき
こぐまとカシオペアを結んだら
ふるさとはいつも北にある
ジェットコースターの地下鉄から
いきなり地上に放り出されても
....
ひとの気持ちは
わからないし
そんなわたしも
ひとにはひと
ひどくちいさなくつでした
今朝
うちの庭に落ちていたのは。
我が家には
ぼくと
妻と
ロビンソンしかいませんから
あんなちいさなくつが落ちているなんて
そんな
おかしなこと
あるは ....
肉まんをコンビニで買ってきて、そうだな、2個ほど、部屋に戻って、肉まんの中心にカラシをほんの少し塗って2個とも胸に当て、白のTシャツを着ると、ほら、カラシが乳首みたいに透けてる、という遊びが全国で広 ....
正直に言います
今 あなたを見つめてました
ふいに目があって
慌てました
アッカンベェをしました
正直に言います
アッカンベェは 嘘です
心でそう言っ ....
ぐーをにぎってみる
ぐーでおしてみる
ぐーでどついてみる
ぐーでばいばい
ぐーでなでてみる
ぐーでないてみる
ぐーでぱーにかってみる
ぐーであいしてみる
ぐーでなみだふいてみる
....
バカみたいに 同じ言葉繰り返して
ひとつひとつ 意味のブロック重ね
誰かの言葉をちょっと拝借
わかり易く捻じ曲げて横着
マザーファッカーごはん頂戴
あなたの言葉じゃ勃起不可能
わかりたいの ....
プラスティック容器工場の駐車場
緑のフェンス
黄色のポール
58番の車止め
膝から上がない直立した右足には
左足がない
....
・おはなしは枕のそばでひそひそとくすくす笑いそれからそれから?
・浴衣着て金魚を下げて夜店来て気合いを入れて「ティガ!」と叫ぶ
・ひだまりときんもくせいに頬よせてイヌもボクも咲くむせかえる ....
かちっ
気持ちを伝えられる
スイッチがあればいいのに
ふと気がつくと
そう思っている自分がいて
いたたまれなくなる
やっと7000グラムの大台にのった
ミルクを200ml飲め ....
色は午後から塗りましょうと告げられ
私は途方に暮れてしまった
先生、
この鉛筆でなぞるべきものなど何処にも見あたりません
という小声の訴えは
38分の1の軽さでもって
上着のポケットに ....
口を大きく開けて
「春よ 来い」
と
叫ぶ姿に圧倒されて
春は
もうすぐそこ
僕の獏
{引用=よく覚えちゃいないんだけどさ
ちっちゃい頃に獏を飼ってたんだよ
お姉ちゃんがアスピリンに過剰反応しちゃって
県立病院に入院してから
お姉ちゃんの見舞いに行 ....
夕焼け の 細い指 輪
つなぎとめて
白く めくれた
枯れ木 の 小屋
ころり
まぶた
なくし
星 の 皮
扉 に
歩いて 帰ろう
とおい きてき
....
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