わかたれ
Monk


今夜もまた
毛布を
かける側と
かけられる側に
わかたれる

夜ごと
息絶えてしまう人々のせいで
仕事のない両手と
凍える胸たちが
あぶれてゆく

失った者たちは
寝どこを抜け出して
街灯のない夜道を手探り
毛布工場へむかって
働きに出かける

彼らの願いも
電源の供給も
区別なく止むことなく
夜どおし
生産は続けられる

朝方にはすっかり
包装を終えてしまい
彼らは満足したように
機械の電源をおとすが
この世界の毛布は
すでに随分と余っているのだ



自由詩 わかたれ Copyright Monk 2003-11-10 21:39:32
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