風と砂の町 その四つ辻を
吹きわたる口笛
マリンブルーの
めざめのきわに殺到しては
悔恨のようにひいてゆく魚影
ぼくの矜恃 ぼくの出自
そんなもん ありゃしないぜ
「何処カラ来タノ? 何 ....
こおろぎが歌っていた
草むらに伏した子の
目の前で


太陽のない午後の理科室
もうすぐ終わる授業中に
床と天井の間に浮かぶ
水銀色の粒の柱


青空と灰空と
白 ....
初夏の日に映える
あの黒い羽根は
あなたにいつか送るつもりの
今はないしょの手紙

内容はまだ明かせませんが
なにしろ黒いのです
ところどころに紅さしてはいるけど
腹まで真っ黒けなので ....
そういえば最近見てないと気づくと
逢いたくてたまらなくなる
相手が人間なら電話できるが
これが実は虫の話で

面妖な臭いを発散する
コナダニつきの標本ならば
僕の抽出にあるけれど
これ ....
                       きゃらめる 2

  たまご

  1

もしもし
だれかがよんでいる
こんこん
かべがふるえている
へんだ
わたしまだ
みみ ....
「義男や
 あんた、あたしを年300万円で捨てたね。
 路上や山に捨てたら犯罪だけど
 ホームなら犯罪じゃないんだね。
 ゴミと同じかい?
 あたしは?」

「恵子さん?
 あなたは清 ....
眠くて仕方が無いと母は言う
こんなに眠くて仕方が無いのは
悪いことが起きるから
それとも脳梗塞なのかしらん
雑煮の鍋を温めながら
迷信深い島の年寄りの顔になる

庭には
他の樹木とは、 ....
手のひらを ながめる
ながめたく なった
この指は


何のために ついて いるのだろうか
というより
どうして 裂けて しまったのだろうか


何かを生み出す ためにじゃ なくて ....
玄関の 木扉 ノブの形 覚えてないのに
その庇 鼻先の 図柄はくっきり 覚えている

腰壁の タイルの文様 色も定かに 覚えてないのに
踏まれてる タイルのリズム 芋目地だった 覚えている
 ....
槍投げですか。
投げやりだが、


 おうおう。
 なんだよ、特に話すことはないよ、
 別に、
 それは、最初はあれだね、
 まいいや、いそがしくてってて
 仕事なんでば。ん、なんだ ....
彼の生家へ行った

仏壇のある部屋に通された
彼の寝ていた部屋だ
私の寝ていた部屋には 通されなかった

彼の母の母に 手を合わせる
「最近髪がよく抜けます」と報告
彼の母が
「疲れ ....
朝の影がのびてゆく
誰かが手放した
結晶のかたちをした風船が
小さな鳥たちに囲まれ
森のほうへと流れてゆく



町をかがやかせる
なめらかな人工
昼から夜へと動 ....
天城峠の牧場で
猪たちのけなげな芸をみた
観光バスに乗りあわせた貴婦人たち
厚ぼったい化粧をしたのやら
寒くもないのに毛皮をはおったのやら
やたらに貴金属を装着したのやらが
少女のような歓 ....
産婦人科から出てきたみえこが                                
あっけらかんと言った                          
「二ヶ月のなかばだって」   ....
春たけなわの
野菜畑のかたすみ
耕すのに疲れて
うんとこしょと腰をおろすと

小さなスプリングが
ぴんっ
と跳ねて
黒い長靴の上に乗る

その乾いた土色の菱形は
まるで泥汚れみた ....
妻にテレビゲームをさせるRPGだRPGと言っても妻は何のことかわからないに決まっているそれどころか「たたかう」の意味さえ知らないに決まっている決まっているのに妻にテレビゲームをさせる主 .... 【1月19日(晴れ時々落雪)】
 さて、どうも私は転換期を迎えたようだ。そこで、徒然に雑記したいと思う。管理人様と読者様には甚だ迷惑かもしれないが、さして革新的なことを語るわけでも、新しげなことを書 ....
     どこから。


     
     ひやりとしている土の上で生きている梢の揺れる(揺れる)末端に刺さる光、が








        わたしの温い肌に染む ....
この度は思いもかけないことでなどと
気休めを言うものではありません
死ぬことは生きている限り必然で
むしろ生きていることこそが偶然なのだと
私たちは本当は知っているからです

眼前の笑いか ....
ちょっとあんたまた買ったのむやみやたら
よめもしない本ばかりあふれて気がしれない
バルザック? 二十六冊だって、そこいら
にあったじゃない『従妹ベット』やら『純愛』
荷風やら菊池寛やら小林秀雄 ....
チューリップ・ツリーの上で                            
しきりに鳴いている蝉にしても                      
伝えようとしているのだ         ....
チューリップ・ツリーの下で                                                          
まどろみ 森のことや                  ....
    言葉の木を枯らしたのは私です
    寄生木を植えたのは私です
    萎れてゆく花に拍手したのも
    枝を鳥の死骸で飾りたてたのも私です
    言葉の木は何も言いま ....
 
道端で
ガードレールを呑み込んで
冬の蛇が死んでいた
白く 汚く
冷たく 硬く
すべてに背中を向けていた


ひとりの少女が泣きながら
蛇の頭を撫でていた
私は言っ ....
 理由なんて 
 ない
 大声を 上げたんだぜ、
 因果関係を 超えていく
 大声は 勝手だ
 ピアスの数が ふえたから
 違うだろ
 隻手の声のように
 逆照射する 
 俺に
  ....
乙女温泉ボーリング会社の親方は

掘るのは名人

放るのは素人

乙女温泉協会とのボウリング試合ではいつも

ダブルスコアは当たり前

悔しいので

穴堀対決といきたいとこだが ....
ひとりぼっちの王様がいて
ひとりぼっちの王国を支配していました
ひとりぼっちのテーブルで
ひとり占いをしました
ひとりぼっちの道化師をみつけて
ひとり芝居をさせようか
ひとりぼっちの音楽家 ....
荒地に倒れた鉄塔に
花と葉と鱗に覆われた子が棲んでいた
やまない雨のなか
たったひとりで
ひとりの赤子を生んだあと
風の向こうへと去っていった


雨が近い午後の下
 ....
火星の人類学者は、毎日毎日「お断り」ばかり繰り返している。「珈琲に砂糖は?」「いりません、ブラックです」「クリームは?」「いりません、ブラックだと言ったでしょ」というたぐいの「お断り」だ。甘いのが嫌い .... それは嘘である
しがらみのジャングル・ジムを
通過できる肉体はない
青空へ!
跳躍のつかのま
ぼくは地球へ落下する
格言つきの日めくりの上に
欲望と追憶のカリキュラムに
それからしぶし ....
たもつさんのおすすめリスト(3890)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風と砂の町_その四つ辻を- よねたみ ...自由詩304-1-21
ノート(誰も信じてくれないもの)- 木立 悟自由詩404-1-21
クロアゲハ(百蟲譜17)- 佐々宝砂自由詩4*04-1-21
モンキチョウ(百蟲譜16)- 佐々宝砂自由詩204-1-21
きゃらめる_2- アンテ自由詩504-1-21
老人一揆- ポロリ自由詩3*04-1-21
眠くて仕方が無いと母は言う- Six自由詩904-1-21
このひとは_知っている- バンブー ...自由詩304-1-20
解体- バンブー ...自由詩104-1-20
テレフォン- nm6自由詩304-1-20
帰郷- 山内緋呂 ...未詩・独白12*04-1-19
ノート(町)- 木立 悟自由詩404-1-19
天城峠の牧場で- よねたみ ...自由詩404-1-19
産婦人科から出てきたみえこが- よねたみ ...自由詩1504-1-19
ヒシバッタ(百蟲譜15)- 佐々宝砂自由詩1*04-1-19
妻→RPG→つよし- いとう自由詩1704-1-19
騙された(;´Д`)〜雑記〜- ポロリ散文(批評 ...1*04-1-19
輪郭だけが残っている- 嘉村奈緒自由詩1004-1-18
仮タイトル「おそうしき」- 山田せば ...未詩・独白1004-1-18
悪妻のバラッド- 狸亭自由詩304-1-18
チューリップ・ツリーの上で- よねたみ ...自由詩704-1-18
チューリップ・ツリーの下で- よねたみ ...自由詩204-1-18
ノート(39Y・4.7)- 木立 悟未詩・独白204-1-17
ノート(冬の蛇)- 木立 悟自由詩704-1-17
大声を上げたんだぜ、- バンブー ...自由詩304-1-17
穴屋- AB(な ...自由詩204-1-17
ひとりぼっちの王様がいて- 藤原 実自由詩204-1-16
ノート(春の蛇)- 木立 悟自由詩304-1-16
ネリリしたりハララしたり- 佐々宝砂散文(批評 ...404-1-16
それは嘘である- よねたみ ...自由詩704-1-16

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