送り火は遠い波濤にまっ先に消えた
竹飾りは猫と仔犬が昼の間
じゃれついた裏通りからの角ではためく
塗炭屋根を透いて夕凪の水平線が現れる頃
精霊流しは
漕ぎ手にまかせ不知火を渡る

町 ....
 冷たくて清らかな流れの中を

 何も気負わず

 まっすぐに 真っ白なまま流れて

 偶然だけで君に出会い

 目が合って一目惚れ

 一瞬で恋に燃えて

 次の瞬間には ....
水面をゆらしながら
初夏のかぜが吹きすぎる
こいびとの手をひいて
堤防をころげた

草についた水滴はあまくひかる
さかなが跳ねてぱちゃんと音をたてた
はねまわる ころがる
だきしめる  ....
家にある薬箱のなかの服用薬を全部飲んでしまったことがある。19のときだ。頭痛薬からキャベジンから風邪薬から、とにかく服用薬は全部飲んだが、水虫の薬など外用薬は飲まなかった。死にたくはなかったのだと、思 .... 濃度を増した緑 の根元
アスファルトには 日陰がある
かつて人だった空間には
かつて花束だったものが 積もっている


湿度に黒ずんだ日陰 の隣
アスファルトには 日向がある ....
ずっと
風をさがして
生きてきた

たとえば
こんな
よく晴れた日には
釣り竿を担いで
山に行くのがいい

頂に着くと
{ルビ草原=くさはら}に寝ころんで
釣り糸を垂れるのがい ....
病院に行ったのです
私の家からその病院までは坂道になっており、一輪車での往路は非常に辛いものとなりました
何よりも私が病院に行こうと思った理由が、「ペダルを前に漕ぐことが困難になった」という症状で ....
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが

いい加減にすれ
と言ってしまった

こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君

ふたりで涙を流して ....
いじめっ子と
いじめられっ子のあいだに入り
次の日結局かれらは生涯のともだちになって
幼稚園のころ
オレは磁石であそぶのにあきてはじっこで、
下敷きに光を反射させ、

なるほどずっとわか ....
風船

つばめの急降下にも
動ずることなく
ただよう風に押されて
やがて 点
水面に映る丸い残像



滝 

世の中のすべての音を盗みながら
アピールするものは 
引力  ....
1,
椅子が背もたれを向こうにしている
わたしは座面にかかとを乗せて
中空を見るでもなく見ている
死んだように動かないのか
動かないように死んだのか
ともあれ動こうとしない身体を
板張り ....
なんとかがんばって
ごはんをつくってみたけれど
よくよくかんがえてみると
これっぽっちもたべたくなかった
つっかけをはいて
きばらしにそとへでてみても
いきたいところはどこにもなかった ....
霧雨に煙る
{ルビ緑=あお}の五月
濡れた青葉は
きらめいて
滴る雫も緑色

足を大地に
手を大空に
若葉も負けじと
陽をうけて
立派な木へと
育ちゆく

緑の海は
グラデ ....
ちゅんちゅん

すずめが鳴くんだって

ほんとかな

でもたぶんほんとだ

わたしの1メートル先を
飛び回り
バカにしたように鳴き続けてる
あれは
すずめ?

わたしが本 ....
どろどろのホットケーキミックス
ぐちゃぐちゃにかき混ぜて

喉が痛いので
電話には一切出ない

ベランダで睡蓮の花が咲いたので
こどもたちと眺めよう

まだもう少し
もう少しだけ
 ....
紫水晶のかけらを
油で揚げてみたことがあります

天ぷらが食べたかった
わけではなくて

シトリントパーズって
実は加熱処理したアメジスト
というのを試してみたくて

ホイル ....
海沿いに走る防砂林を抜けると
右手に岬が見える
あの岬へ行こう
いつか交わした約束みたいなものだった



続いてる道は防砂林の中を
くねくねと曲がって上って下りて
右手に見えない海 ....
 葉はどれも光っていた

 雨粒は露になって残り
 雲の向こうの空のずっと高い向こうの
 姿の見えない太陽の光を集めていた

 雨あがりの空気は澄んでいる
 埃だとかスモッグだとか
 ....
募集要項(1)
応募資格
高校生歓迎 肺活量に自信があり なるべく息の臭くない方

時間
1台につき 4人(1人6時間程度)のシフト制で働いてもらいます 基本的には24時間ずっと仕事があり  ....
うちの窓から
朝日はみえない
きっとどこかの窓からは
朝日がみえる
みえるのだろう
夕べ
流しの三角コーナーに
食べ残したサラダを捨てながら思った
サラダの中の胡瓜が細かくなる前
の ....
うさぎはおおかみの上着を着て
おおかみの上着の上から
うさぎの上着を着て
うさぎの上着の上から
おおかみの上着を着て
ほっと一息ついて
コーヒーショップなんかで
おおかみの上着を脱いで
 ....
どうしても手放せないものがある。

直径二十センチの海だ。

四キロを泳いで持ち帰った
はたちの俺だ。

ごろり
机の上にころがる
うす水色の{ルビ浮子=アバ}をまえに
いま、俺は ....
そうですね

いってみる

そうですね そうですね
そう かもしれません
そう いう考え方もあるかもしれません
そう いうものの見方は
ほんとうは
かなしくは ないですか

 ....
某月吉日 某所にて

異議あり、裁判長、今の発言は原告の名誉を著しく損なう発言であると思われます。
被告人には発言の撤回を要求します。

異議を認めます、被告人は口を慎むように。

では ....
にんげんとして それ以上ににんげんとして やるべきことがもっと他にあったと思う が衝動的 におびえながら も強く唇を噛んで 腐った木の実のかろうじて付いている枝を抱えて 地震の直後のようだ 焼け野原に .... あさめがさめると
ほっとけーきがじょうずにやけそうなきぶんだったので
ともだちにでんわをすると
たまたまみんなひまで
とつぜんわたしのへやに
いいおとながななにんもあつまった
さっそく ....
居るような君の気配を探している沈まない陽の五月の駅で

不意に出るひとつ外れたアクセント「そやね」と夏がちかづいている

このまちが逆さにうつる残り水その向こう側に居るはずなのに

あ ....
たいがい湿っぽいバスに乗り込んで
傘の位置が共通語になったゆうぐれ
雨が
ただのラインになってそれ以上の意味をなくす
空間を取り囲む赤いランプを押すのには
タイミング、ある
スーツもストリ ....
十脚目、オウギガニ科
饅頭は饅頭でも毒饅頭じゃないのか
外観も毒々しい上、
体内にはサキシトキシンという猛毒が含まれていて
そりゃあ、危険なこと確かなのですが
丁度、手頃なサイズです
ひょ ....
薄曇の中途半端な昼下がりです


どうにかなるとつぶやいたあなたと
なんとかなると空を仰いだ僕と
いかがお過しでしょう
青混じりの雲は風に流れて
それでも僕等の真上です

少しずつ足 ....
たもつさんのおすすめリスト(3908)
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