位置についている
足跡を構えている
辿る順路は地図の上に滞りなく
手を繋いだ人を添えて迷い込んでいる
踵から踏み込む、街
命の位置について、いる
まだ、僕らが素材だった頃
教科書の奥 ....
哀しみのあなたに
なす術をもたない
わたしもまた
その非力さゆえ
自らの存在に
哀しみをおぼえる
星の瞬きの
ひとつひとつが
人の願いというならば
わたしのそれは
確かな理由を ....
緑が風に揺れないでいる辺りを狙っても、届かないと思う石の重さが道の端からはずれ、影にしかならないコンクリートのはりつく斜面まで垂れ下がる枝の乾きかたを確かめながら削れた指先をしゃぶっては、ひそひそと ....
ガキの たまり場で
酒をのんではいかん 煙草はやらん
けれども 未熟なものは魅力的だ
とくに夢が好きだ 全力をつくして
やぶれさる きみが好きだ
年末になると
山から神様がやってくる
御札を持ってやってくる
勝手口へとやってくる
ママが2000円
払う
来年も火事に遭いませんように
油で汚れた古い御札を
ガスレンジの脇の壁から引 ....
えっ そんなことで
死んだって なにも
はじまらねえぞ
って かみさまが
のたまってました
関連作品→http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=83 ....
わたしのなかの 慣用句を
洗いだして おりますが
千手千眼な かみさまに
新しい角度からみる などと
豪語したのは まちがいでした
七人の敵と戦って 今日も無事に
帰ってこられた おかげさまでと
熱燗をつげば ウチのかみさま
ぐいっと飲みほし こてんと倒れ
そのまま 眠ってしまうのである
戦争のあとにはいつも
殺されなかった死体が転がっている
それが君の言うところの
正しさなのだろう
ぱたりと本を閉じる
車窓の外へと目を移せば
淡い色の田畑が広がっている
「次 ....
もう少し
幸せなときに
偶然 会おうよ
朝方、工場へ向かう男たちの吐息は白い。
いないも同然、止まらない車のそれよりも、
高笑いする煙突の煙よりも、みぶるいしながら
道路の向こうでその身をこごめて掃除している、
女の吐く息こそが彼 ....
ながく いきて
みなければ
わからない こともあるさ
かみさま おれに
ほほえみは まぶしいぜ
ここに居てくれるだけでいいよ
そう云ったキミの暖かい手をふりほどいて
こんなにも遠くまで来てしまった
いったい どこへ行きたかったのか
帰り道もわからない
テネシー州都ナッシュビル
カントリーミュージックの世界首都
グランド・オール・オープリーに群がる
世界中の子供たち
空気の抜けた自転車達が
子供を乗せて
空を飛んで駆けてゆく
ペ ....
9号室のミズノさんの指は、
ときどき奇妙に震える。
登山中の滑落事故で全身麻痺、
凍傷に損なわれた右手は人差し指だけを残して。
そのまま数十年を経て皺んだ指、
その指が何かを書いてるよう ....
あるところに男と女がいて
であって 好きあって
子供ができて 家庭を持った
あるところにできた二人の家庭は
明るい家庭で
子供は二人
跳ねて 飛んで
子供の頃によ ....
▽
どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
....
言い訳は「ほんとうのわたし」がします
灯りが消えるところを一緒に見られたらね
幸せになれるんだって
でも 消えなかったね
唄が唄に なるとき
唄は 海に なって 逆巻く 怒号に なって 優美しい 潮 に なって 在る時は やさしい おじいさんに なって 繰り返す
私の読書傾向は、しっちゃかめっちゃかで統一性皆無だ。手当たり次第に何でも読む。なんでも、だ。薬の説明書でも、ものみの塔のパンフでも、そこに字がありゃいい。「なぜ本を読むのか?」と訊かれたら、私はきっ ....
ほし が でている
こんや は ここで
たおれよう なんの
みかえり も なく
ゆめだけ を みて
*
魚は酸素を知らぬだろうか
暗い水辺に輪を描いて
あんなにも深く潜ってゆく
*
飼育係は放課後に
飼っていためだかを流してしまった
閉じ込められてるのが
可哀相だったって
....
ほしいものは やおら
灰のように くずれる
ためらうな
どうせ後悔するのなら
手をのばせ
BGM→http://www.hi-ho.ne.jp/momose/mu_title/tan ....
昨日の夜はカレーを作って
玉ねぎをとてもたくさんみじん切りにしたから
左手が玉ねぎくさいんだ
この玉ねぎくさい左手で
きみの頬にやさしく触れてみたい
この玉ねぎくさい左手で
きみの ....
きれいごとを
洗いおとして ものすごく
過剰な 現実を
お見せすることが
できるかも です
天井をなめるおばけちゃん
昼間は天井をなめている
四角い天井をまるくなめて
部屋の中のできごとなんてなんにも見ちゃいない
おばけちゃんの舌は腫れあがって
口のなかにはおさまらないから
いつ ....
よっぱらって 詩を
かけなかった
まっさおな いいわけ
色彩論では
まっかな 嘘である
ところで きみたちは
母国語を 愛しているだろうか
もちろん わたしは
愛されているのだが
なんのお返しも できない
*
あなたには
この愛が伝わりません
ミノフスキー粒子が濃いのです
*
どうしてかしら
わたくしが
あなたを一番うまく
つかえるのに
....
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