土曜の夜はカレーだった
カレーを食べながら全員集合を見る
土曜は、カレーで、ドリフだった
子供時代

兄が結婚して家を出て、春はもう三度目
週末には実家に子供をつれて帰ってくる
甥っ ....

風が商店街の路地で
空から見れば沈殿している
バス停からそれを眺めて
タバコを一服、宙に吐いた
背広を着込むようになってから
時々、神様の音を探して
じっと耳を澄ましてい ....
海岸沿いに露出した三十年まえのゴミ山のうえ
新しい嘆きがそっくりひとつ捨ててあった
壊れた自転車
割れたブラウン管
骨の折れた傘
骨折り損のくたびれ儲け
破れた心臓
そんなもののうえに
 ....
父が、言いました。
『お前なんかもう要らないよ。』と。
妹が、高校に通うために、父とボクの住む家にやってきた日のことです。
ボクが最初に住みだしたこの家。
父がボクを追って、ここに来たのは、ボ ....
なぁ、注さん。ちょっと、話をしようか。
高木と志村は、浮世のしがらみというか・・・仕事で、ちょっと来れないんだよな。
加藤は、あいつ、渋滞に巻き込まれているんだ。
(中略)
注 ....
拍手の海に耐えるための水分が足りない体は、溺れそうだと訴えながら
神経という神経を振動させては、火花の散乱のような絵に惚れている

疑問の類、或いはそれに酷似した感情が地球上に生まれた原因は ....
婆さんは忙しいのである。
なにしろ忙しいのである。
化粧するヒマはない。
みなりととのえるヒマもない。

そんなわけで
髪はおどろに振り乱し
服はボロボロ顔は血みどろ。
時には走る車の ....
実をいえば

俺は

電話ってものが好きじゃないんだ

その俺が

真夜中に

水に浮くキャンドルの

揺れる炎をみて

無性に誰かと話したくなった

誰でもいいって訳 ....
・息子より左ハイウェイ


いっちばんおおきなもの なーんだ?

ハイ!じょーじわしんとん
ハイ!うもうぶとん
ハイ!びたみんしー

不正解だ お前等
何もわかってねえ
何が ....
夜空を往くものがいる
丸く小さくひかって
星よりおおきく
飛行機より小さく
月の無い空を
意思もって動くものは寂しい
水茎を行く天道虫の意志
生きて動くものは寂しい

林檎 トマ ....
君は木立の中に
透明な花を
隠している

涙は霧のようで
僕から熱を
奪わない

幾たびも逢いたい
僕は変わってゆくけれど

やわらかな予感に包まれた
君が変わることはない ....
ぼんやり 新聞コラム 眺めてたら
女は 存在 男は 現象
つまり 全ての基本は女 だから
はじめに女ありき との文章

これはもう 現代常識である
聖書の記述は 間違えたのだ
好きに ....
泡だけは
沈んでけば
いーのに
未練がましく何故
昇るソレを
ボクは
見上げなくては
いけないんだろう

乳白に
ポぅくり
煙りのがまだ
軽やかだ
唇を撫でるよう
最後に吸 ....
四時半夕刻
思い立ち
洗濯機まわす

陽が伸びた
空の
視線がちょっと痛い
わかってるよもう
春だってんでしょ
湿ったシャツと
生乾きの髪を
これみよがしに
風が撫でてく

 ....
くるしくて
くるしくて
もりのおくのいずみに
とうとうかなわなかった
ゆめをすてた
すると
はもんのまんなかから
きみょうなろうじんがあらわれて
あなたがおとしたのは
このわたし ....
こぼしきれない涙と共に

君は小さな魚になった

水のような言葉を吐いて

灰色の街へと逃げてゆく

いつか大きな水槽を買ったら

君を探しに街に出よう

そう呟いたら君は ....
あの回送列車に乗って

君の手も届かない場所へ行きたい

勝ちも負けも関係ない

隅っこに在る小さな場所へ

そう考える僕は

泣きそうな顔をしているのかな

夕暮れ

 ....
(?)

夜の路地裏で
また一歩
靴音が連れ去られていくのを見ていました
静寂の胎で
わたしは叫びにも満たないのです

壁にもたれて煙草を吸いながら遺された足跡に浮いた灰汁を眺めていた ....
出会ったとき
あなたの笑顔は
その輪郭も儚げで
僕の硬い指が触れたら
壊してしまいそうですらあった

桜が
もうすぐ咲くわ

紅をさした蕾に
そっと触れてそう言った
あなたの瞳に ....
わたしは投げ出す
わたしは拾う
手は銀になってゆく


つばさ失く飛ぶ火が越えてゆく海
ただ音だけで造られた海のむこう


骨と魔術師との対話
夜に生まれ
朝に消え ....
あぐらをかいた男の人の
その太腿のあいだにあるその
小さな三角にすっぽりおさまるような女
でいたいのよ
あたしは人間


あたしは人間なのよ!
掴みたいもの掴んではなさない指だって ....
俺は

ミントティーを飲んで

少し落ち着く

今日も

さして良い事なんか無かったぜ

幸い悪い事も無かった

俺は

それでいいと自分に言い聞かせる

それを後ろ向 ....
線路脇に寝る犬は どうして今頃 雪が降るのだろう とだけ鳴く

銀色のフィルターが心地よかった

声も聞こえなくなった頃 くうきがざーざーと荒れてきた

あたたかい日よりも 心地よかった
星になってしまった圭子が
実は星になり損ねていて

蛍光灯の「けいこ」の辺りに
ぴとって
張り付いて居てくれたらいいのに

けいこ、うとう

今まで「電気」なんて言ってたけど
ちゃ ....
軒先で繰り返される 喧騒は疎らな囀りで
それは押し寄せる細波や そよぐ木枯らしよりも小さい
時は氷河の流れよりも緩やかに 木漏れ日を浴びている
人々は これでもかというくらいの反芻を
享受しつ ....
A case of Noble Dry Disease in our hospital


【緒 言】
稀な疾患である貴腐死病(NDD: Noble Dry Disease)の一例を経験したの ....
どれほど 
雲の束縛を破り 雲間から降り立つも
乾いたグラウンドに
冷え切った夕刻に
結局は 卒倒しがちな冬の光線です


そこにあるのは
どこにも尾を引かぬ手の平
だからこ ....
浮かばない灰皿と程近い場所に 浮かぶ私がいる
沈まない煙を見上げた反動で 沈む私がいる
ここです ここです



ずっと
私のありかを伝えるために
耳のありかが知りたくて 知 ....
この町の
坂を登り切った
いつもの場所へ

僕と君が一緒の週末も
この町を眼下に
何回めだろう

夜になると微かに靄が漂う
簡素で静かな町
僕達はこの町の中身を飲み
そして町の中 ....
今頃ヤナギサワは  ルンルンルンルン  空を飛んでいるはずだった







何不自由無く育ち  ファックショォン  欲しい物全てを手に入れて

安定した生き方で  イェ ....
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