雨 止めば 頬の雫 も 消えるのか
    拭えば広がる 悲しみ は 要らぬ

振り向かぬ背中に 言葉は何も出ず
    冷えたくちびる 押しあててみた

うつむいて 茜にふやけた頬 閉ま ....
  感じない掌の上に
  鳴かない鳥が
  人のように瞼を閉じる

  冷たい雨の降る
  コンクリートの上で
  静かに眠りにつく
  戯れるように
  温度を残して  ....
小さいうさぎ小屋には
にんじんのはし 

きゃべつのしん

まるごとのりんごが
あったよ
まるごとのりんごはよくうれて
とてもおいしそうだったよ
まるごとのりんごには
つめたい ....
秋の{ルビ陽=ひ}を そっくりそのまま はね返す オレンジ色の 宝石ひとつ Aliceと書いてアリサと読むの、
と女は言った。
黒の手袋をベッドサイドに垂らし人工の月明りの中で背中を見せる
のは初めて、
と女は薄く笑う
きしむ音はチークの椅子かチープなベッドかそれと ....
自動販売機に 百円いれて
みんなで同時にボタンを押そうと
あの娘が言った

あの娘はオレンジジュースの前
僕ら8人の小学生は
それぞれ適当なところに立って
いっせいのーで

ミルクセ ....
ボートから転げ落ちて溺れた
一人目の男は
すぐに飛び込みすくい上げてくれた

ボートから転げ落ちて溺れた
二人目の男は
携帯電話で助けを呼んでくれた

ボートから転げ落ちて溺れた
三 ....
雨が降ってばかりの午後の終わりになって
雨が止んでばかりであること、感づいた
数億粒の喪失、愕然として足を止めた
ずぶ濡れのアスファルト踏みしめるゴムタイヤ
が群れ行き
音 ....
ホームワークは日曜日に座ります。
月曜日、ホームワークはまさに脂肪の匂いを持っています。
それって紙の重い本および痔疾、実質、私が知らない答え。
日曜の夜の、ほとんど今終了されたのかも、そうじゃ ....
今まで使ってきた名前と詳細

小坂あや…初めて売春したとき。クラスで一番かわいい女の子の名前を借りた
川崎えみ…二回目以降の売春。なんとなく、かわいいから、3年くらい使う
川崎彩子…悪いことを ....
夕日のないここでは
のどをヒューヒューいわせながら
貝の尻尾みたいに
ハミだしたまんま
ぶらさがったまんま
いつ誰が 帰ってくるの
テロテロのシャツ
色の抜けたシャツ
君の言葉はいつだ ....
気持ちよさを知る前の ただただ促されてたような
目をやる場所がわからなかったころ
もう大嫌いだったよ

いつまでたっても無職のまんま
灰色によどんだタタミの部屋と
ちらばる雑学
外はのび ....
error

今日が明日に変わる瞬間
明日が今日に変わる瞬間
昨日が昨日が増えてゆく

昨日を集める行為
プレゼントの交換も無いのにたまってく
それを君のポストに入れたい

もう八 ....
若い頃
「やさしさ」は理想の全てで
自分や人の 心も 体も
真っ白なペンキで塗りたくろうとしていた

大人になるにつれ
白いペンキはふしぶしで{ルビ剥=は}がれ落ちた

テレビの箱 ....
あの頃 世の中は不公平だと呟いたあなたに
何も答えることができなくて
なんとなく悲しくて 曖昧に笑ったけれど

今ならば
あなたに答えられると思うのです
たしかに 世の中は不公平にでき ....
軋みを撒いては走り去る鉄
遠い悲鳴のように過ぎてゆく
またひとつ助けられない小さなものが
手の甲に重なり 増えてゆく


開こうともせずに開く瞳が
そばにたたずむふた ....
ぴあの の上


根が 張って
指に さわる

薄暗い へや
夜 の 木

眠る
なぜ
友人から「いかにせん 茶飲み友だち」の上五、中七 を示されて、下五のみ、考えてみたもの。本来なら、「未句」という欄があれば、そこに出すべきものですが、ことばの面白さにつられて、付けてみました。

 ....
白の白からはじまる声
ゆるくほどける水の鳥
ひろくとどまる陽の光
町に渦まく影を着せる


散る鳥 生まれる鳥の中心
人と機械の目のなかでさえ
生きた絵のように咲きひらき
 ....
秋深く 山を染めにし {ルビ紅葉=もみじば}に 涙も忘れ 想ひくれなゐ

今日限り 失うものと 思ほえば 愛しくもある もみじの散るも
片目を瞑り、絵描きの筆を持ち
灯台と私との距離をはかる方法は
私には大切なもので、片目だけ瞼の裏を見る

そこにある虚像は
私の中にある真実だから
これをいっぱいにしたくて
絵を描き続け ....
エレベーターに乗るとお線香の匂いがしておじいちゃんが帰って来たんだと思いました
10階にあるマンションのドアを開けるとおじさんやおばさんや知らない人がいっぱいいて
みんなでお寿司を食べ ....
二年振りに
帰ったときには
通夜はもう始まっとった

大往生や
ええ顔しとるやろ
せやな

いう声が ぽつぽつと
わしは
なんでか 
涙もでえへん
ここ何年も口きいたこと
あ ....
(十八歳のノートより。走り書き。)
整然と暮らす人々への激しい憎悪
違和感が劣等感でしかないことを理解して私は身悶えた
一時もここにいてはならないという強迫観念
しかし他にいるべきところもない ....
朝の土手のチンピラの遠吠えから(採録)

  *

 ちょっとだけ
 オレのはなしをきいてくれ
 土手をあるいていたら
 ひとりばあさんがいたんだ
 ばあさん
 さむいのに
 はん ....
あなたは、加藤商店で
アイスキャンディーを
買ってくれました

川沿いの道並んで歩き
アイスキャンディーを食べました
おばあちゃんが待つおうちへ

「あ、おばあちゃんのがないよ」
 ....
[バリケードのこっち側]


その前日
あたしは工場で残業した
まんまるいちんち段ボールの箱と格闘して
それでもまだ働けとベルが鳴った

自転車をこいで家に帰ると
戦いは明日だと言う ....
いい天気ですね
がはじめの言葉だった
G線上のアリアが流れていて
あんまりできすぎたシチュエーションに
笑いをこらえるために
コーヒーを一口すすってから
やっと私は
ええ
と答えたのだ ....
空を泳ぐ雲の魚
誰のもとへ?
君のもとへ?
月のもとへ?

金色の海を越えて
逃げていった空の果て
まちがいさがし

赤い帽子は青い帽子
青い手袋 赤い手袋 
ショルダーバックのかけかた逆で
ついてるひざは右が左
積もった歩道に あしあと増えてて
くつひもを結んでいるおとこのこ

 ....
たもつさんのおすすめリスト(3889)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひねもす- 短歌303-12-7
優しい鳥- つきのい ...自由詩2903-12-7
りんごとうさぎ小屋と- かなりや自由詩203-12-6
- 春日野佐 ...短歌5*03-12-6
『Alice』- 川村 透自由詩6*03-12-6
思い出セーキ- 小太郎自由詩403-12-6
溺れる- 岡村明子自由詩1103-12-6
黄土色- A道化自由詩303-12-6
宿題しようよ- 示唆ウゲ ...自由詩203-12-6
名前- dendrocacali ...未詩・独白203-12-6
18sai- dendrocacali ...自由詩103-12-6
17sai- dendrocacali ...自由詩103-12-6
error- dendrocacali ...自由詩103-12-6
荷物違い- 服部 剛自由詩2*03-12-6
神様の法則- 月夜野螢自由詩403-12-6
ノート(たたずむ瞳)- 木立 悟自由詩203-12-5
部屋- 砂木自由詩7*03-12-5
いかにせん茶飲み友だち- 狸亭俳句503-12-5
ノート(けだもの)- 木立 悟未詩・独白403-12-4
もみじ- 春日野佐 ...短歌303-12-4
瞼の裏- 佐々井自由詩403-12-4
お帰りだけで埋まっていく- いとう自由詩603-12-4
おかえりだけで埋まってゆく- AB(な ...自由詩7*03-12-4
十年後- 岡村明子自由詩5*03-12-4
朝の土手のチンピラの遠吠えから- バンブー ...自由詩503-12-3
ゆうべのアイスキャンディー- サダアイ ...自由詩603-12-3
小詩集「マルメロジャムをもう一瓶」- 佐々宝砂自由詩18*03-12-3
Air- 岡村明子自由詩803-12-3
雲魚- 春日野佐 ...自由詩203-12-3
なくなっているものは- バンブー ...自由詩203-12-3

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