駅前の商店街
スーパーマエダの軒先に
涼、いりませんか。
手書きの夏が、添えられていた
耳たぶが
熱い
空調装置にたしなめられた
浅いシーツのような室内の夜には
昼間に溜め入れた太陽の
滴りそうに赤い耳たぶ一滴で
ベッドが太陽の海になってしまうのを
防ぐ ....
ひじクッションの当たり所が悪く、曽祖父が死んだ。
だから僕の名前は今日からニックネームだ
曽祖父の遺体を三週間ぐらい置きっ放しにしたので追加料金が発生した。
だから曾祖母は諸事情により、とだけ書 ....
名前も教えてくれない
ただ暑い日曜日で
すれちがうTシャツを数えていると
色の隙間に入り込んでしまいそう
アスファルトの照り返しに乗じて
居なくなってもわかりゃしねいって ....
深緑の
深くなる光を
鉄筋コンクリートの箱の中から
眺めています
時計の針は
ここを刻むと
それ以上は動かなくなるのです
取り残されるように
私と空間は
どこか
こころ ....
おおきな
あかいかたまりが
ばばばばっ ば
いきおいにまかせて
ひかりをはなちながら
おちていったとしても
まだ すてない
せんたんにのこった
かすかな
ひ
しんぼうづよく
まっ ....
苫小牧の少女が一篇の詩を書き上げる頃
渋谷の未成年たちは今日の居場所を探す
小さなハコで鮨詰めになって揺れながら
沖縄の夜の珊瑚礁を思う
糸井川の漁村の少年は
明日の朝の漁を邪魔 ....
パイの実がすぐ空になる すぐ空になるものがあと一つだけある
一人では食べきれなくて汚された皿の匂いは部屋の匂いで
単純な作業に終われああ今日も八年前と同じ青空
「何」と打 ....
何故この歌を今、口ずさむのか
ひたすらに月光
わたしの影を薄く掬う今宵
開襟シャツの綻ぶあたり
さすものはある、何故
を問いただすも
虫 ....
ここには、ひとりしかいられない
だから、ここには、ひとりしかいない
ここには、いちどしか、こられない
ここでは、ここ以外見えない
あそこも、そこも、ない
ここしかない
....
天野茂典+古川由美
風の通り道には
いい匂いのレストランがある
新鮮な野菜と
おいしい魚の塊が
ゴッホのひまわりのように
置かれている
これからどんな料理ができるの ....
雲のなかで
ねむるように
ちいさな海が死んだ朝
なきがらを
おおきな海に返しに行った。
あなたは
雲の棺をかすみ草でかざり
たいせつに両手にくるんで。
ぼくは
すこしばかり慎 ....
詩をやっていこうと思う方は、本来「本を読むこと」が好きな人が多いです。それなりの向上心と努力があれば、関わってゆけるでしょう。
ところが私は、本を読むのが大変苦手で、特に詩や小説、文学を読むこと ....
なつがくる なつがはじまる
あどけなくあおいそらに くっきりとくもがうかんで
あおいそら ほんとうにあおいあおいそら
なにもかもが いちばんちからいっぱいになって
ひかりが な ....
歩き出す 30分で寝るために回り続けた扇風機まで
売春で出会った君が好きだったロイズのチョコを噛んだりしてる
今一度死んでもいいというような気分で英語の授業を受ける
明日の朝、起きら ....
古ぼけたジャムのように
君の記憶が
水になる
そちらは
どうですか
晴れていますか
マモルの呼吸は光る
学校のうさぎが死んだ日
マモルは自分の呼吸が時々
光の礫(つぶて)になるのを知った
マモルは決して泣かない子だった
おかあ ....
立葵が咲き出すと
もう夏休みがみえてくる
風が透明になって
夏の陽射しがぼ ....
宵解けて飴の様に
色濃くして
濡れるよう
深く沈みて
包まれて
匂いが立ち込み
咽返る
雨上がりの木材が
その内包する
水分を
細胞から排出し
それによる
収縮作用と
材 ....
ここが ここだ
はるかな天上は無く 奈落の底もない
ここで 生きているのだ
ここで 死んで
ここで 他の何かの 一部になるのだ
身体も 心も
ここで くる ....
君とはケンカしたね
お互いソッポ向いて怒って…
「もう知らん!」
「ウ〜!」
すると君が唸りながらゲップした
「グボォ」
「変な声〜!」
私、いつのまにか大笑い
君、いつのまにかしっぽユサ ....
ぼくの肩に寄り掛かる君のrealityは電車の揺れにただただ脆い
「マシュマロのお化けを見たの」「恐かった?」「ううん、とっても気持ちよかった」
ぼく以上に何も持たない君はもう溶けてしまっ ....
なんとなく
うつむいてしまったのだが
黒い列
振りだした右足の
小暗い瞬きへすべりゆくのを
間のびしたストライド
生垣をゆらした
モンシロ ....
こだま呼び込む窓辺
群れる空の白魚たち
過去と迷走の影なら
銀のクリップで重ねて
浮かれるまま
浮かべばいい
望み通りの風
手のひらで創ったなら
さあ ....
ある日友人が呟いた
「鷺て、ポキておれそうね」
白く細かった鷺が水しぶきの中
静かに足を上げていた
自転車で走っていると、いつも
ポケットに ....
食欲と性欲はよく似てる
お腹いっぱい食べても
違うタイプは別腹
だったりする
美形もいいが
知性も捨てがたい
体がいいのも魅力ですね
たまには若くてかわいいのもいいし
もちろんオヤ ....
河川をまたぎ、田んぼを抜くように鉄塔の並ぶ、その先には落陽。送電線に断ち切られた風、その名残がマリンスノーのように降り積もる。
十五で姉やは嫁に行き。橋げたに腰かけ、口ずさむ童謡の一節の続く歌詞 ....
あまりの暑さとくちなしが溶けて。
胃の中の空気を誘い出そうとする。
あまりの暑さがくちなしに溶けて。
色はいつのまにか番茶になっていた。
あまりの暑さにくちなしが溶けて。
....
おまえ
いっつも
かみのけいっぽん
にえきらないんだよ
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
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