胎児

鰓で呼吸していました
母が引越しのための交渉している
子宮の中が狭苦しくなったので
ぼくはからだを硬くしました

誕生

はじめて空気が
喉をとおったとき
胸が裂ける痛み ....
ルールを忘れた
隠れん坊の鬼
もういいかいも忘れて
まあだだよを聞いている

年月は過ぎ
西の空から
日暮れになると
たくさんのもういいよ

さがす人は
もういない
 ....
よいやみの森の奥
ざわめきから発する声に
はだしで駆け出す
届かない
祈り
後悔を知ることのなかった
指が
刻んでしまった
ある言葉の意味
腕の傷は生々しく迫り
行方を知るはずのな ....
{引用=
先が尖っているので
さらに研ぎ澄ませて
接続しろ
差込口は
広げておけ
僕たちは
友達だ
だから
君の肌が冷たくないように
心まで閉じてしまわぬように
先は
氷に浸し ....
空が青いが、外は寒い

電車の中は底冷えしていて

車窓から見る景色よりも車内の様子が気になった

父と母と移動

親戚の家は電車で2時間の場所にある

何の気もなしに2人を一緒に ....
 i. eating machines / Parantica sita

その日の朝食は、いつものように厚めのトーストが一枚でした。私は表面にのせたバターが溶けていくのを嬉しそうに見ていますが、 ....
ベッドが
解体されて、きみの死を
模倣する

抉りぬかれた
目、きみが見ている、わたしで
あり、言葉で
あり、盲た
光であり、

切り離されたもの、半分に
されたもの、
 ....
心を持って
(それは綺麗な透明のビンに入って)
歩いていた
(どこにでもある街角を)
たっぷり浸したはちみつの色した
(おいしいと思うきっと)


だれにも渡してはいけないと言われて育 ....
正しいことなんて知らない
正しいことなんて在るのか
ただ一つの正しいことなど

そんな言葉を抱えたままで
世界と対峙するからまよい
流されるだけなのだろうか

空が燃えつきそうな夕刻に ....
きみでありわたしで
あり、反復
する、終わることができた
ひとたちの夜に
 

もうだいぶ
寒くないだろうか

青空に

その返事は
要らない

背中を丸めるのも
ふりかえるのもいつも
僕のほうで
そこが
暖かいことも知っている


南へ ....
誘惑に負けた方、を演じるために
とかく手順が多いことに辟易するぼくは
足下のアスファルトに夜空を見る
髪が踊って唇とつながる
一足ごとにずぶりと舐めるように、明日とやら
抱きしめなくていいか ....
通過列車の引力に従った。
女はただの肉塊と化す。
小指ちぎって約束したのに。
薬指から抜ける白銀の輪。
鐘が鳴るよ白い教会。
列を成すよ同色の背。
「いやあね」「こわいわねぇ」
烏が鳴く ....
 
 
街がやけに
賑やかだと思ったら
今日は
金曜日だったのだ

金曜日になるたびに
同じことを思い出す

また忘れ
また思い出し
また忘れる

街もわたしも
同じこと ....
日蝕がなまぬるい砂糖水に侵されていく惑星のゆめを視た
色彩のはれつした音がこなごなにな/っ/て
白昼夢をかけめぐる(ざいあくかん)におおわれる


―その音はとてもキレいだった


誰 ....
 
 
(か)

せなかにある
ちいさなてんは
きっとわたし

かあさんの
か、は
いつもこどもを
おんぶしてる

こばなれしても
かあさんの
か、は

いつも
だ ....
ぐずらせた熱
首をもたげ
えずいている

したたる言葉
とどろきの内で
滴れ落ち
付着する

頭痛の輪郭
ぼやけたまま
鉄細工の肉
よりしろに
踏みつける
春のなかうすいいろのわたしがゆく。全世界には雲雀しかいない。



秋のレモン。陽だまりのレモン。空のレモン。遠い宇宙で星が消滅した。



海はなみだ。小鳥はなみだ。春はなみだ。こと ....
これは夢 夢のまにまに 揺られてる 象の子供と やわらかな僕



つばさもつものの悲しい夢をみて めざめた床で 空に恋慕する



トーストと ボイルドエッグ コーヒーで きみが ぼ ....
なまぬるい風に
ウエルニッケ野原はがらんどう
すずめを いちわ
ちからまかせに
にぎり もだえる
臨月まぢかの手(うで)をひろった

縄をまわし
大地に丸太をいくつもしいて
石油コン ....
遠いちいさな丘のうえで
初夏の梢が水草みたいに揺れていた
命あるもので揺れていないものは無かった
揺れながら皆まっすぐ天を指していた
ひとつとして同じ形の枝は無かった
ところどころ折れて歪ん ....
 
 
やねのうえを
あめがあるいている

なかにはいりたくて
しかたがないのだ

しめわすれたまどから
なかをのぞいて

さんのあたりを
なみだでぬらして
 
 
                       101028



写生する煙の
変わりようのない醜態から
デッサンする余裕のない状況を
忌避しながら
ガタガタと埃を巻き上げて
凸凹道 ....
紺青にけぶる空を薙ぐようによぎる、小型の戦闘機は燈色に燃える閃光をつれて。ゆっくりと浮き上がりはじめた海面に、硝煙にむせた妊婦たちが次々に溺れていく。あなたはやわらかな耳朶をふるわせて魚道を探す。冷た ....   

二番煎じのお茶が
案外おいしかった とか
立会川からの車窓に
富士山が見えた とか

そういうことで
日々が過ぎてゆけば
あのひとも
泣かずにすんだのかな

ときどき
 ....
{引用=











ぼくがはじめてきみになかだしをしたよる
ぼくのなかのぼくはほとんどしんだ





額からこぼれ落ちてくる
角を拾い集めて
 ....
 
 床に落ちたカンバスの上を電線の影が、行ったり来
たり。君はえんじ色のシートにひざを立てて、窓の景
色に見入っている。昼のさなか、大阪から京都へ向か
う各駅停車だから、人の影はまばら。遠慮 ....
何もかも丁寧に壊して
安心して
がれきよ
重さに打ちつけられて
苦しいと痛いで
体があるのがわかる

行き場のない性欲を
親切な人にぶつけた
わたしって非道
自分の感情を丁寧に
 ....
ろうそくの明かりに
手をかざしながら
彼女の詩を聞いていた
途方もなく遠くへ
来てしまったけれど
あの時あの熱の中で
自分の手は自由に生きていた
熱を求めては
焼かれて弾かれる
炎は ....
あんなに大きかった人が
幽霊になってしまった
行方不明の幽霊
生きているはずなのに
わたしたちは
残念ながら霊感がまったくなくて
幽霊がみえない
幽霊は文字のようで
記憶のようで
素 ....
たもつさんのおすすめリスト(3890)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
呼吸期- 殿岡秀秋自由詩811-1-18
ルール- 小川 葉自由詩311-1-16
トリル- 石黒あき ...自由詩311-1-3
WE_あるいは_接続の魔術- 真島正人自由詩10*11-1-2
電車- 工藤真人自由詩211-1-1
一の蝶による五の夢景- リンネ自由詩510-12-31
きみの死を模倣する- こもん自由詩910-12-26
散歩- 朧月自由詩310-12-22
唯一の答えなんて知らない- kauz ...自由詩10*10-12-21
きみでありわたしであり- こもん自由詩710-12-19
北へ- AB(な ...自由詩210-12-11
グッナイデイ- 船田 仰自由詩210-12-10
『通過列車の万有引力』- 東雲 李 ...自由詩1*10-12-9
金曜日- 小川 葉自由詩210-12-6
丁寧な死にかた- usoni自由詩610-12-3
かきくけこ- 小川 葉自由詩410-12-1
呪い- 凪目自由詩110-11-9
巨大爆発- 青色銀河 ...短歌310-11-9
ひかりのノート- 青色銀河 ...短歌3*10-11-8
がらんどう- 乾 加津 ...自由詩10*10-11-8
創書日和【揺】樹の記憶- 大村 浩 ...自由詩14*10-10-31
- 小川 葉自由詩1210-10-31
写生- あおば自由詩7*10-10-28
Ending- yuko自由詩710-10-28
薄幸と的- AB(な ...自由詩310-10-28
Nv0iceTと罪のないアヒル- 石田 圭 ...自由詩2910-10-14
きりん草- 佐倉 潮自由詩610-10-13
戦争とハネムーン- さだあい ...自由詩510-9-29
創書日和【熱】潜熱- 大村 浩 ...自由詩7*10-9-29
幽霊のダンス- さだあい ...自由詩510-9-29

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