街は、宣伝する車の謳い文句と、気にも止めない通行人を生贄にして
せり上がる暑さよりも、乾いた空虚さを従えていたので
僕等は、長い橋の上からきらめく水面を眺めている。
そこにありもしない目印を探し ....
ながいはりを
ゆびでまわす
ぐるぐる
なんどもまわす
まどのそとは
くらいやみ
わたしひとりじゃ
たりない
のかもしれないけど
ぐるぐる
ながいはりを
まわす



 ....
上手く眠れないままの空が白み始める。轟音
で走り去る獣たちもわずかで、その咆哮にも
ためらいが見える。廃墟の影に潜む小人たち
は闇が消えていくに連れ恐る恐る顔を覗かせ
覗いた顔を逆に覗かれ ....
「2年前の、あの身許不明の男性の白骨死体なんだが」
「はい、私が生前の顔を復元したやつですね」
「若いのがふざけてロン毛のカツラ被せてみた」
「ひどいな」
「ああ、だがそれを見たヤツが、気づい ....
明日の朝まだ日が昇る前に
わたしのアパートまで
迎えに来てください
最新型のスポーツカーで
あの角をゆっくりと曲がって
わたしのアパートの前で
静かにエンジンを切ったら
わたしは小さなバ ....
ところで
夕暮れはもう間近に迫り
みんな精一杯に迷っているので
その足元を照らす明かりも
その足で踏みしめているものも
記憶は近さも見せないくらいに
空で燻るものだから
こうやって今日も ....
十六歳の感傷に腰掛けて
ぼくは詩を書き始めた
ぼくの孤独といえば
せいぜいコップ一杯分の涙ほどしかなかったけれど
二十億光年の彼方の星からの引力で
コップの水が波立つことを幻想するのだっ ....
それを少女は 
みなに内緒にして
草むらのなかを
さがしていたんだ

川につらなる
あたらしい蜘蛛たちは
糸に針とえさをつけて
釣りをしていたり

雲のなかでは 
ニンジンをぶら ....
 しあわせは
 すりぬける風
 ひとときのやすらぎ
 明日のことは
 わからない
 
 しあわせは
 すくいあげた水
 たやすくこぼれるけれど
 歩けるぶんだけ
 あればいい
  ....
ジャンボと呼ばれて
恥ずかしそうに
笑顔を向ける
強いプロレスラー

無敵なのはブリキのクルマ

強すぎる季節限定の清涼飲料水が
宣伝中の富くじ

裸でも過ごせる夏は
死人が ....
走る男がいた
ノートパソコンやら書類の束やら義理やら思いつきを書きこんだ手帳やら約束やら書かなくてはならない手紙やら本の題名やら領収書やらを山のようにかかえて走る男がいた
ばらばら落とした手紙を拾 ....
かえるなり
あせのかわごと
ぬぎすてて
みずぶろふかく
しんでもいいや
ぼくは というと
このからだに いま とどまっている
このからだが うごくことを やめたとき
ぼくは からだと ともに
たしかな きおくを おいて
どこへ つながってゆくのか
わか ....
渇く渇く渇く潤う
行き止りのない道を
いつまでも

忘れていることがあるにせよ
それは帰れない{ルビ道程=みちのり}であって
忘れていることなど何もないのだ

あどけないうすい影は
 ....
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない

涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと ....
わたしは半分
半分しかない
上手く言えない
だって半分だから
半分しかないから
上手く歩けない
上手く息ができない
上手く泳げない
いつも悲しい
私の胸には
いくつか
ほくろがあって

それを結んで
星座にすれば

あなたは
気付いてくれるだろうか

 

ペテルギウスを過ぎました

もうすぐ


揺るぎな ....
お遅うございます。
夜ですね。
昼行性の私達は眠る時間です。
今日も一日しっかりと体を弛緩させてください。
データをバラバラにして整理してください。
自分の事をずいぶんシンプルと思っていまし ....
そうだね、鎖骨は折りたくない
みんなそうでしょ、って

さびれた駅の階段を
がらんどうな夜を、駆け上りながら
窓に映る、その当たり障りのない服装や顔で
私には普通の人間を装っていることが精 ....
驟雨だ

突然、空が明滅し
絞らないままの雑巾が
今の私

打たれてはじめて
体温に気付く
人間はそんな生き物

百貨店に駆け込み
ぬくもりを求めても
空気圧縮機がはき出す冷気 ....
わたしのよろこびは
魚篇に花とかきます
ひらいて 焼いて
食べちゃってね
あぶらが のっているうちに
うすい月が窓までおりてきて
わたしの絶望を笑うのだった
からっぽになったところで出発だ
ほんとうの旅は いまからはじまる
なんて こともなげに言うのだった
夕焼けは東京タワーに盗まれた

冷風に反射した空雨近く

寒いねと囀る 風とスカートが

花火より緑の夜ざくら見ていたい

っっっ風 今の強いね 飛ばされたね

きっと僕ら、お ....
摩天楼の輝きは南極の煌めきに似て

梅雨空が霧雨のようなブリザードを呼び込む

クールビズなどどこ吹く風で皇帝ペンギンが

大挙して目の前を通り過ぎていく

陽炎が眩暈を連れてくると
 ....
カツン
病院の夜
廊下に映る非常灯
漂う薬品のにおいに
鈍く刺激される静寂

今夜は無風
女はそういったことを言ったと思う
喫煙所の密室(いまどき室内なんて珍しい)
いつからここにい ....
最初で最後の崖は
未知というより 
無知な土が育んだ。
時々、崖の下の海へ
化石をペッペと吐き捨てる。
海は化石を食うと
ゲップをしたり
腹をこわして泡を吐く。
化石のなかには一万年
 ....
屋台では、
キンタマが売られている
夕方、あぜ道を通ると
牛はがたがた震えた。
そのあとで
顔も上げずにえさを食べる。
3匹目の獏は道端で
へたりこんでるところを拾った
小さな獏は虚弱体質で
夢はもちろん秘密も嘘も受け付けず
今にも消え入りそうに震えている

私は必死で噂とか言い訳とか  ....
日が落ちて 暗い川に
すう とよぎる物がある
魚のひれに
背の高い草
それから
釣りのおじいさん
長い棒で
水をかき
橋をくぐる

なにがみえるのか
なにがきこえるのか
波紋と ....
           <上面>
           SevenStars


<左側面>      <正面>                    <右側面>
SevenStars     ....
たもつさんのおすすめリスト(3908)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
訪れない、その手前で- プテラノ ...自由詩11*05-7-20
あした- アンテ自由詩1*05-7-20
天敵のいない八月- いとう未詩・独白14*05-7-20
寓話_不可解な死_17- クリ未詩・独白2*05-7-19
妄想歌謡曲- 大覚アキ ...自由詩405-7-19
水底の、走る船の- 霜天自由詩1205-7-19
夜中に台所でぼくは谷川さんに話しかけたかった- 藤原 実自由詩13*05-7-18
「トレードマーク」- プテラノ ...自由詩9*05-7-18
しあわせ- yaka自由詩17*05-7-18
ブリキのクルマ- あおば自由詩4*05-7-18
言祝ぎのうた_(大村浩一氏、鈴木素子氏の結婚に寄せて)- 白糸雅樹自由詩3*05-7-17
そろもん(酷暑の話)- みつべえ自由詩8*05-7-17
つうかてん- 玉兎自由詩18*05-7-17
主婦- こしごえ自由詩12*05-7-17
羊飼いの歌- 落合朱美自由詩40*05-7-17
わたしは半分- チアーヌ自由詩1305-7-17
星の胸- umineko自由詩8*05-7-16
お遅うございます- ヤギ自由詩8*05-7-16
カフェテリアの隅で- かのこ自由詩505-7-16
雨粒のハインゼンベルグ- たりぽん ...自由詩6*05-7-15
そろもん(Thank-you-for-coming_gift ...- みつべえ自由詩605-7-15
そろもん(月夜の話)- みつべえ自由詩1505-7-14
くもり_ときどき_風- miky俳句12*05-7-14
*凍てつく*- かおる自由詩7*05-7-14
クライシス- こしごえ自由詩11*05-7-14
「崖」- プテラノ ...自由詩3*05-7-14
屋台- プテラノ ...自由詩6*05-7-14
偏食_三- 落合朱美自由詩22*05-7-14
暗い川- 竹節一二 ...自由詩1205-7-13
SevenStars- 大覚アキ ...未詩・独白605-7-13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131