愛と平等という
矛盾に気づいた深夜に
冷蔵庫は唸り出す

絶えることのない
沈黙にも似た説教に
何一つ解決策は見出せず
労働者は眠る

冷蔵庫の不眠不休
労働者の不平不満

実 ....
焼け焦げた影がひとかたまりついてくる


  無敵の人


いきがかりの道なりは非論理が連なり
明日まで継がれた暗がりは八方塞がらず
もう疲れた帰ろうかと思いこもうとする
体力をゲー ....
白いブラウスの襟を
真っ直ぐに戻す時は
紙ひこうきみたいに
指先から離れて飛ぶ

空に少し傷跡を残す
翼が迷った代わりに
私の唇で閉じていく
思いも願いも込めて

音のない最終滑走 ....
  躰のほとんどを
  ねじれた袋におさめて
  わたしたちは泣いていたね

  はんぶん透けて
  はんぶん凝ったような
  美しさ 見えかけの 東京の月
造ったものを埋めようと思い
草原を掘っていたら
本物が出てきてしまった

その土偶に
隣のミヨちゃん
という名前をつけて
博物館に送った

ねぇミヨちゃん
僕は あといくつ
 ....
ある冬夜、僕を布団に残し、俺は家を飛び出した。
持っているなかで最も武骨なジャンパーを羽織って。
転校生は心の内壁に小さな刺青を持っている。
転校生は誰も、そんな秘密ゆえに転校してくる。
古着の青いネルシャツ、兄に黙って借りた記憶。
もちろん僕に兄はいないし、だけれど必ず返さなきゃ。
誰が作ったのか
何のため作ったのか
何故 贋物と判ったのか

話はつきないのだけれど
人形は人形
そんなに贋物よばわりされても
と照れ笑いをしているようで

  僕らの本物 ....
両祖父とも僕の初恋を待たずして逝ってしまった。
父とは出来ない色んな話、3人でしてみたかったなぁ。
痛覚レセプタ

ちょびひげのおじさん、今でもフィルムの向
こうから笑わせてくれる。拳を振っている。
誰もの幸せのために戦っている。そのときに、
必ず痛くなるものをさらけだしている。 ....
ことばって何処にあるの
辞書のなかに埋もれているの

人間って何処にいるの
へそまがりな生き物じゃあなければよいけれど

幸福と善とはいっしょなのでしょうか
あるいは幸福のしっぽが見え隠 ....
そのふるえる糸にも
ひとつふたつの意味はあった
のかもしれない
時折の風雨に晒され
形を変えてしまった
その幟ももう
争うためのものではないし
御触れの見張りでもない

そよ ....
わたしのむすめのすごいところのひとつは、ドーナツの穴を食べられるんです。
あるときわたしがおやつのドーナツをかじりながら、「いつだってこの穴が消えちゃうのがせつないよね。」と言ったら彼女は「 ....
青森の形はメタモンか、ベトベトンか。
どちらにしても、青森はむらさきで塗る。
ポケットに
風のシールを
しのばせて
使い途など
無いほうがいい

けどそこの
あなたとあなた
そのすきま
何もないより
吹かせましょう

風の色
見えないはずの
赤、青、 ....
前の住人が忘れてった風鈴。
干し竿で晩夏が首を吊ってるよ。
幽霊は容易く夏を越える。
水色のゼリー、たったの一つで。
あなたは朝起きたら歯を磨く
あなたは人に出会うと元気に挨拶をする
あなたは他人の迷惑になることはしない
あなたは常に他人を気遣う
あなたは道の右側を歩く
あなたは平均的な人間だ
あなたは法 ....
  無機の
  果実
  歯欠けの道化師は
  朝 マンドリンを焼く
  駅前公園で
  今 この瞬間、私の
  魂の模型を造るとするなら
  あの烏瓜とほぼ相似かもしれない
  止んだ歌が まだ聞こえているうちに
  あの人の髪の毛に指をいれたい
  
  なにか次の出来事を準備していた
  裸体たちは 敢え無く 黒炭の
  テクスチュアの内にほどけて
  やわい鹿も
  二頭ばかり居る
  私 という語は ざらりとした
  塗料を風に削がれて
  あおい粉塵だ
  詩を拒むので或いは詩を映すので
  建物はこんなにもあかるい
  蒲鉾型の
  窓枠のむこうが 硬い冬だ
  そして瞳の内壁にそって
  置かれた ひそやかな暖炉に
  母らしき女が辛抱強く火をくべている
あのときのあこがれが
いつの間にか
ふりかえる場所にいる

今年も何事もなく
君の季節が
通り過ぎてゆく


知らずに
とは
言ってられない国になってゆくから
少しだけでも
 ....
むかし、三年ほど住んでいた中都市を車でめぐる
広大な敷地にいくつもの工業団地が立ち並び
その周辺には刈り取られた田圃が季節を煽るように敷き詰められている
なつかしい名の鉄工所や、古いビルもまだあ ....
               120725


あすは夏のお祭りで
子供御輿もデルという
蝉が鳴くから夏なのさ
腹巻き鉢巻きピチリと巻いて
金色の鳥も空を舞う
笛の音ピーヒャラ後を追い ....
{引用=
雨がね
未来を運んでくるの



まあるい街路樹や
がらんとした
わたし
の家
すべていまは
透明な線が
つつんでくれて


ふるえるわたしの舌が
線をう ....
机上の聖書の上に置かれた 
ひとりの骸骨が 
遥かな明日の空を視て、笑ってる。 

骸骨は、恐いものと思っていたが 
全てがそうではないらしい 

どんな人もいつかきっと骨になり 
顔 ....
夕焼けが染み込んで
焼き魚が  はためいている

こんがりと  空の匂いを漂わせ
塩のような星粒が  いい塩梅に


そんな屋根より高い鯉のぼりや
ベランダにかわいくなびく鯉のぼり
 ....
たもつさんのおすすめリスト(3928)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冷蔵庫- TwoRivers自由詩6*20-1-3
無敵の人(初稿)- れつら自由詩1*19-12-28
eternal_place- ミナト ...自由詩2*19-12-23
ねじれた袋- 草野春心自由詩219-12-21
ミシガン・レリックス_2- AB(な ...自由詩4*19-12-20
ジャンパー- クーヘン自由詩2*19-12-7
転校生- クーヘン自由詩3+*19-12-6
ネルシャツ- クーヘン自由詩4*19-12-1
ミシガン・レリックス_3- AB(な ...自由詩9*19-11-30
3人- クーヘン自由詩3*19-11-26
あ、- AB(な ...自由詩15*19-11-19
ことば- 梅昆布茶自由詩1519-11-4
そよぐ- AB(な ...自由詩9*19-10-24
メモ- はるな散文(批評 ...619-10-1
むらさき- クーヘン自由詩3*19-9-11
風のシール- AB(な ...自由詩519-8-29
風鈴- クーヘン自由詩3*19-8-23
ゼリー- クーヘン自由詩3*19-8-18
常識のコレクション・序2- れつら自由詩119-4-6
烏瓜_6- 草野春心自由詩218-12-29
烏瓜_5- 草野春心自由詩318-12-26
烏瓜_3- 草野春心自由詩418-12-23
烏瓜_2- 草野春心自由詩418-12-23
烏瓜_1- 草野春心自由詩418-12-23
50- AB(な ...自由詩5*17-4-21
S市- 山人自由詩3*15-8-24
休載- あおば自由詩5*12-7-25
- 青色銀河 ...自由詩412-5-26
あかるい骸骨ーセザンヌ展にてー__- 服部 剛自由詩812-5-23
焼き魚- ちゃむ自由詩612-5-3

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131