真夜中に目が覚めて
水道の蛇口をそっとひねると
そこから
海の匂いがする
喉が、渇いていたので
それでも飲み干すと
いろんないちにちが
搾り取られるように抜け落ちていく

冬の海はな ....
―1・鳥頭の浩司―


ついさっき
浩司は新鮮な2歩で近所の教会に初めて入り
3歩で誰かの語る神様を引きずり堕ろして
無理矢理に小銭入れの中へ押し込み
手早く生け捕りにしました

4 ....
無言電話がかかってきたので、無言で待った。

遠くから、海の音がした。
 
 
 
 
消えてしまった夏の日のサーカス
なにもない草原に現れては溶けていく
夏の夕暮れはどこか嘘のようだった
煙のようなもの
で、構成されていると
なんとなく信じることにした
わからないこと
適 ....
おんなが なぎさで
砂を かぞえている
いくとせも いくとせも
なみだと 朝焼け色の
大漁旗を まちながら
一万匹の野良猫たち―。私はそれを
誰もいない地下トンネルのなかで見た。
小さい火花がパチッ、と弾けるのを
「―死ぬまで身体をこすり付け合うのさ。」
イギリス人の学者の亡霊が囁いた。
 まった ....
水底は、くぼませたぼくの手の平と同じ形
あるいは蜃気楼かもしれないそこに
フラミンゴはいない。一匹も。
もう、すでに?
ぼくの手の平には羽根がある。
権威をたおせ なんて
うたいながら いじらしく
虫たちが むらがっている
大樹に
おしっこを かけた
その人が、燃えていった
毎日よりも人は集まっていた
いなくなったというよりも
手放した、と言いたかった
彼らは笑う声で
透明な空を細い道にして
順番に順番に、昇っていった
花が、咲いてい ....
むこうにも なにも
ないかもしれないと
壁を
イメージするとき
すでに敗れている
壁に沿って進んでいるだけの
ような気がしたら
とりわけ 星ふる夜に
重いものを ひきずって
あるくのは やめてみましょう
風に とばされてきた
ことばが ひとかけら
髪の毛に ひっかかっていた
手にとると 雪のようにとけて
わすれていた人を 思いだした
 日経新聞日曜版、詩歌・教養欄の「詩歌のこだま」(結構、毎回楽しみにしています)で小池昌代による須永紀子著「中空前夜」についての書評が掲載されていました。う〜ん、何だか面白そうってことで、今回は丸善の .... 漢字そっくりの 本の「虫」の
大群に追われる 夢からさめた
またべつの ページのなかだった
すべてが言葉で できていても
死ぬときは死ぬので 気をつけよう
すてきな しっぽのある
いきものを もらった
まちがって しっかり
聖水で 洗ったら
死んでしまった
その日
チカテツが「おかわり」と言ったので
駅員さんはバケツいっぱいの鬱憤をチカテツに与えた
そうやって今日が特別だってことを体に教える
チカテツは震えながらそれを
お腹いっぱい食べた

 ....
 

はるかあとおくうのお かぜのおむこおにい
きてきいのおおとのお

ちり〜ん



ゆうおじさんのリヤカーが通り過ぎる

ゆうおじさんのリヤカーには
ぽるしぇ
と書いて ....
「港は蒸気に包まれているよ
倉庫番の男はカモメに餌をやってるし
横縞シャツの丸太腕の男達は
朝から晩までせわしなく働いてくれる
一日中海の見えるベンチに坐り続ける老人は
二十年前に、船で出た ....
鉄橋の側で三十分間立っていた。
三十分前は十二時だった。三十年前も。
三十年前はなかった鉄骨がピーンと伸びていた。
甲斐性のない俺の影は砂鉄のように交わった。
磁力に音はなかった。音はなかった ....
女子高生グッズに
なりたかった
犬と
ならんで
舌をだしている
大きくなったら台風になりたい

といった5歳のむすこは はたち


慣れないネクタイ締めるのももどかしく

マフラーを持っていったらという

ははおやの忠告も聴かずに


風の ....
渋谷駅がたくさんの路線を孕んでいるように
台風がくれた季節に生まれた俺とか
小さい秋に生まれたでっかい奴とか
記念切手の景色から生まれた奴とか
エスカレーター縦に並んだ各種生き様
それを端から読みあげ ....
たがいに ガラスの顎を
つきだして うちあった
なかまたち 言葉はいつでも
致命傷になるから タフネス!
生きていたら また会おう
朝がきたら夜の
かけらをまとい
眠りがつきたところから夢の
つづきをひろって
めざめよう タフに
なんでだろね
分かり切ったことを聞かれる
分かり切ったことを聞かれて
分かり切った返事をしても
なんでだろは安心しない
ひとばんじゅう
なんでだろって
うるさく呟いて
それで安心して眠 ....
時間とともに わたしは
うしなわれる だから未来を
待ち望まない というのは嘘だ
明るいうちに できるだけ早く
きみのところまで たどりつきたい
奥さん エクソシストです
旦那さん 送りだしたあと
ベッドの下の魔男
あしげにしているのを
よく見かけます
顔をしかめて歩いている君の笑顔が見たい
それはたぶん
いや、きっと
誰もが幸せになれるものだから

すべての女の子は
幸せになるために生まれてくる
だからすべての女の子が
涙を知ってい ....
耳をすませば
月と星の ささめき
うしなわれた言葉の
ゆりかごを ゆすって
噴水が歌っている
妖精に ひっこぬかれたとき
となりに咲いていた きみを
ひっこぬいた ひとりでは
こわかったんだ ごめんね
おもいっきり ひっぱたいていいよ
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